里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

タラの芽を採った後の管理

2024年07月24日 | 山菜

春の山菜と言えば何と言っても王様の名を冠される「タラの芽」
今年は昨年より僅かに遅いものの例年よりは1週間ほど早く採れました。
我が家では元々自生していたタラノキを手入れし、それなりの年月を掛け自然に増殖させてきました。
良いタラの芽を毎年採るためには採った後の管理が必要になります。
タラの芽はタラノキから芽吹く新芽のことなので、タラノキの管理と言うことになります。
我が家には2カ所に纏まったタラノキがあります。
これが一番群生化したところの4月下旬の収穫時のタラノキ。


タラノキは新しく伸びた枝の先に新芽(頂芽)が出来ます。そのタラの芽を採るわけです。
タラノキの枝は1mくらい伸びるため、放置すれば大きくなり、簡単には採れなくなってしまいます。
そこで、タラの芽を収穫した後は、速やかに2、3芽を残して枝を切り戻します。
ここのタラノキもすべて短く切り戻しました。
そして、これが6月半ばのタラノキ。


切り戻した枝からは残ったわき芽が生長し、新しい枝葉が伸びてきます。
これで枝の伸びは抑えられ、翌年の収穫も容易に出来る訳です。
しかし、その後は辺りに雑草も伸びてきます。タラノキの生育にとってはよくありません。


雑草の刈り払いを行います。
タラノキにはトゲがあり、混んでいるので少々やりにくい。


ちょっと間違うとタラノキまで簡単に切ってしまうため、多少雑草が残るのはやむを得ません。


実はこの場所は普通の下草はあまり生えず、一番が篠竹です。
そしてこれが現在。1ヶ月余り経ち大きく生長しました。


再び雑草の刈り払いを行いました。混んできたのでできる範囲です。


もう一つの纏まってタラの芽が採れるところ。収穫時はこんな感じでした。


やはりタラの芽を採った後、枝を切り戻しました。
こちらもこれが6月半ば。


これで来年は簡単に採れる高さにタラの芽が芽吹いてきます。
雑草が大分繁茂してきました。


刈り払いをします。


タラノキは地下茎で繁殖します。
中に枯れている木が見えます。タラノキは古くなると枯れる場合があるのです。
しかし、代わりに地下茎から新しい芽が伸び出します。いわば世代交代です。


そしてこれが現在。こちらも再び雑草の刈り払いを行いました。


今年も大分新しい芽が伸び出しています。雑草を刈り払いすることで新しい芽が生長し、さらに繁殖するはずです。


これでタラの芽を採った後の大事な管理、枝の切り戻し剪定に続く雑草の刈り払いは終了です。


遅くなった原木シイタケの本伏せ

2024年06月29日 | 山菜

今年1月末に植菌し、仮伏せ していた原木シイタケを本伏せしました。
6月半ばくらいを想定していましたが、大分遅くなりました。
それは、一向に梅雨入りする気配がなかったからです。本伏せするには湿度の確保が必要なのです。
当地はこの時期としてはおそらく過去最少と思われる降水量。まさに日照りでした。
湿気を好むシイタケにとっては災難とも言える天候でしょう。
これが植菌した後、仮伏せしておいたものです。


ようやく梅雨入りしたものの依然空梅雨の様相ですが、何時までもこのままにも出来ないので本伏せすることにしました。
仮伏せする際には散水し、こもとビニールで覆いをしました。さらに途中一度チェックし再び軽く散水。
その後は放置したままだったので少々不安でした。
ビニールを剥ぎました。こもはまだ湿気っています。


今年植菌したのは21本と僅かです。こもを剥ぎました。


太い原木に白い菌糸が見えたのでホッと一安心。


切断面は白くなり、シイタケ菌はそれなりに繁殖しているようです。


一方で、乾いて菌糸があまり出ていない原木もあります。
途中、再度散水しておけばと今さら思っても無駄というもの。
雑菌が出ているものも若干。


ほだ場は古いほだ木を整理し、この植菌した原木を本伏せするため大分前から準備していました。


運搬車に積み込み運びます。


この年代物の運搬車は一昨年中古エンジンに付け替え、昨年再び修理し、現在の調子はまずまず。
無理せずゆっくりとしたスピードでほだ木の置き場まで運搬しました。
この場所は半日陰で雨も適度に当たるためほだ木置き場にしています。
伏せ込みの方法は何時ものように合掌式です。


原木の切り口がこのように菌が吹き出ているものはまずは大丈夫だと思います。


一部、菌の吹き出しがイマイチのものがありますが、何はともあれこれで本伏せは完了です。


今年、来年と二夏を越し、植菌3年目の春から本格的に穫ることが目標です。
全体ではこのような配置になりました。


左の列手前が植菌2年目の原木、左奥が植菌3年目になる原木。右の列手前が今回本伏せした植菌1年目の原木、そして植菌4年目の原木、右奥が整理して残した植菌6年目の原木です。
右の外れに僅か見えるのは整理した原木のうちまだ穫れそうな原木を寄せたもの。
今年の異常乾燥がどれほどの影響があるのか小生には分りません。
灌水できる環境にない半放任なので、ほだ木には何より染み渡る雨が欲しいところです。


ハチクが盛り今年は表年か

2024年06月11日 | 山菜

ハチクが盛りになってきました。
孟宗竹のタケノコが終わるとほどなくハチクが出てきます。
5月20日過ぎから出始めたので昨年並、例年よりは数日から1週間早い。
出始めは竹藪の中ではなく、このような日当たりの良い周囲の竹の生えていないところから出てきます。


ハチクは地下茎が浅く遠くまで伸びるため、思いがけない所に出ることもあります。
育苗ハウスの中にまで根が伸び面倒になったことがありました。
但し、これらの早く出るハチクは太りが十分でないものが多い。
竹藪の中に出るようになれば盛りで良いものが採れます。
しかし、今年は出方が緩慢でした。雨が極端に少なく異常乾燥だったからです。
ようやく5月末になり多少纏まった雨が降ったのでよく出るようになりました。


昨年裏年だったので順番から言うと今年は表年に当たります。
普通、筍と言えばそれだけで孟宗竹のタケノコのことを指します。
ハチクの場合は敢えてハチクの子とは言わず、タケノコでもハチクです。
これは当地だけでなく多くの所がそうかもしれません。
昔はハチクとどのように書くのか知らず、葉竹、破竹など勝手に想像していました。
淡竹と知ってからもやはり馴染みがなくハチクと表記しています。
採るのは孟宗竹のように土を掘る必要はなく、地上部を切るだけなので非常に簡単です。
このハチクを採ってみます。


落ち葉などを少しどけて鎌で根元から刈り取ります。


ハチクは孟宗竹のタケノコに比べ細く皮も滑らかです。


皮は赤みを帯び孟宗竹のような産毛が少なくするっとしています。採ってみます。


良いハチクはやはり孟宗竹と同様にこのように元が太いもの。


採り遅れて丈が伸びれば硬くなってきます。伸びすぎたものは倒してしまいます。


細いものも採らずに早めに倒してしまいます。
伸びないうちは軟らかいのですが、短すぎればボリュームがなく、これでは勿体ない。


穫り頃はやはり30~40㎝くらいの時。
専ら助っ人が採っていますが、小生も少し採ってみました。まずまずのハチクです。


ハチクはえぐみが少なく、そのまま料理に使う方もいます。
但し、一旦は茹でてしまうのが一般的。
孟宗竹の筍のように米ぬかなどを用いなくともそのまま茹でるだけで大丈夫です。
これは助っ人が茹で我が家の分と置いていったもの。


タッパーなどに入れ水に漬けて冷蔵保存すれば暫く持ちます。
汁物、煮物、炒め物など用途も広く、孟宗竹よりこちらを好む方もいます。もちろん小生はどちらも好きです。

ウルイに続いて山ウドを採る

2024年05月10日 | 山菜

春の山菜が次々に採れていますが、これはウルイ。


これは天然のウルイではなく栽培しているウルイです。
ウルイは通称で、正式名はオオバギボウシ。但し鑑賞用ギボウシは食用には向きません。
今年はほぼ例年並の4月末から採り始めました。ウルイは2カ所にあります。
大きな葉が目立ちますが、食べるのは主に茎と葉柄。


葉を食べる場合は、このように葉が展開する前の軟らかいうちです。


こちらは別の場所のウルイ。


葉が開いたものは、葉の部分は大方除いてほぼ葉柄だけにし食用にします。


当地の野山にはこのような天然のウルイも生えています。


天然のウルイは栽培ウルイのように伸びないので、今は採ることは殆どありません。
ウルイは味に癖がなく、僅かにぬめりが感じられる程度です。
お浸し、炒め物、和え物、汁物など様々に利用できます。
こちらは山ウド。


ウルイより1週間ほど遅れて採り始めました。こちらもほぼ例年並です。
山ウドも2カ所にあります。


このウドは、昔知人から株を分けていただいたもので、30数年になるでしょうか。
その方はもともと軟化ウドを栽培していた方で、この時期になると懐かしく思い出されます。
その後、このウドの株を何人かに分けてあげたので、近隣にも大分増えました。
これは「坊主」といういわゆる山ウドの栽培に使われる系統で、天然のウドより茎が太い。
茎を伸ばすにはもみ殻などを掛けることが多いのですが、小生は昔ながらの土盛りです。
こちらは別の場所。日陰になる関係でやや遅れて出てきます。


このくらいになったところで採っています。

葉が少し伸び出したら採ってよいのですが、小生は葉が完全に展開したくらいが好みです。
土をよけて、根元から切り取ります。


近くの山には天然のウドも出ます。時期は少し遅く茎は細くて真っ青です。
早くから山ウドとして店に出ているものはハウスに伏せ込み茎を長く伸ばしたものです。
我が家の山ウドはほぼ天然に近いので香りははるかに強く、人によっては好まないかもしれません。
小生は香り大好き人間なので葉が展開し青味のある香りの強いくらいが好ましい。
一番は味噌漬けです。
皮を薄く剥きスライスしてから水にさらしてアクを取り、その後味噌をまぶします。
短時間でもすぐ食べられ、一晩さらに数日置いてもそれぞれの味が楽しめます。
これは数時間経ったばかりの味噌漬け。これで一盃頂ければ至極。


山ウドは茎だけでなく葉の天ぷらも美味しい。味噌汁にも合います。
おまけでこれは木の芽。即ち山椒の若葉。


我が家の近くにある天然のサンショウです。
里山では春には様々な木の芽が吹き出してきます。しかし、不思議なことに木の芽と言えば山椒の芽のこと。
しゃぶれば舌が痺れるような感覚と強い香り。
なかなか利用するのが難しいのですが、近年は冷や奴の薬味にし晩酌の摘まみにしています。
助っ人がニシンの山椒漬けに挑戦したいと言っていましたがどうなったか。






タケノコ今年は表年か

2024年05月07日 | 山菜

孟宗竹のタケノコの収穫が続いています。


今年は4月20日頃から出始めました。
異常に早かった昨年ほどではないものの例年より1週間ほど早いようです。
但し、採れ始めのタケノコは竹藪から外れて出ることが多く品質的にはイマイチなので、4月25日過ぎからが本番。
ピークは過ぎたようですが、タケノコも出る場所によって早晩あるため、20日間以上採れ続けます。
4月中旬以降気温が高く雨が少ない天候ながら順調に採れています。
今年は表年と言われていますが、確かに当たっているように思えます。
小生がまともに田んぼの作業とかち合っているため専ら助っ人が採っています。
それでも、早朝に竹林を少し見回ってみました。結構良いものが出ています。


良いタケノコはこのように根元がどっしりと太く軟らかそうなもの。


タケノコ掘りも力任せに掘れば良いというものではなく、要領があります。
タケノコの根元には僅かながら反りがあるので、表面の土を少しどけ反りの内側から鍬を入れます。このタケノコなら左手前。


反対側から鍬を入れたのでは一発で綺麗には掘れません。
当地にもイノシシが出没するようになって以来、被害が甚だしくなりました。
タケノコが出る前から食い散らかし、人間がタケノコを掘る頃はイノシシのお零れ頂戴と言った有様に。
ところが状況が変わったのは3年前あたり。
イノシシの侵入が無くなったわけではないもののはっきりと被害が少なくなりました。
今年はより少ないようです。
野生のイノシシが少なくなったのは豚熱(豚コレラ)が発生したからではないかと言われています。
タケノコに限らず他の田畑への侵入も減少しました。
真偽のほどは分りませんが、この程度で推移するならやむを得ないかもしれません。
我が家で一番良いタケノコが出る辺りから採れてきました。


地力があるためか見えている部分よりはるかに深くから伸びています。


しかし、タケノコが沢山採れれば処理しなければなりません。
昔は、親戚、知人に多数配ったものです。遠方には宅配で送りました。
しかし、今は生のタケノコを下手には配れません。手間が掛かりゴミが出ると嫌がられます。
したがって、採るのは良いタケノコだけ。このような悪いものはその場で踏み倒します。


伸びすぎたものも同様。これくらいが限度でしょう。


もっとも掘ったタケノコは時間が経てば鮮度が落ち味も落ちてきます。直ちに茹でるのが一番です。
助っ人も採ったタケノコは即茹でるようにしています。


親しい方に配るのは専らボイル済みのタケノコ。
これなら手間いらずで美味しいタケノコが味わえるので喜ばれます。




水辺の山菜ワサビ、野ゼリ、クレソンを採る

2024年04月29日 | 山菜

かつて、この時期にはわさび漬けを心ゆくまで楽しみました。
我が家の原木シイタケのほだ場にしている所にワサビが生えています。
今月半ばから花が咲いてきました。


これは沢ワサビを移植し畑ワサビにしようとしたもので、わずか定着しました。
しかし、なかなか増えてはくれません。ただし、このワサビを見て生育の進み具合が分ります。
本命の我が家の沢ワサビは遠くにあるため日常的には行けません。
そこでこのワサビの花が盛りになった頃を見計らって沢ワサビの所に行ってみることにしています。
花が咲いている頃がワサビの旬だからです。ほぼ例年並と言ったところでしょうか。
残念ながら殆ど増えていませんでした。


これは天然のものではなく50年ほど前に植えたもので、かつて今の時期は一面が花で覆われました。
ここは北向きで小さな沢からは澄んだ湧き水が流れており、ワサビが育つのに適した環境です。
春にここを訪れるのが楽しみでもありました。
それが10数年前から当地にまでイノシシが侵入するようになり、ワサビ周辺を荒らし回りました。
さらに台風による豪雨被害で壊滅状態に陥りました。
僅かに生き残ったワサビが復活する兆しは見えてはいたものの、昨年から殆ど増えていないようです。


ただ、新たにイノシシが侵入した様子もなく、除草をする程度にしてそっとしておこうと思います。


可哀想なので株ごと採るのは止め、少しだけ採って味見程度のわさび漬けにしました。
かつてのように好きなだけわさび漬けにするのはもう難しいかもしれません。
一方、ワサビの生育に適した場所には他の水辺の山菜も生えます。
これは野ゼリ。


セリは春の七草で正月料理に使われますが、天然の野ゼリを採るのは4月から5月。とりわけ、当地では今が旬です。
野ゼリは水路や湿地などにごく普通に生えてはいるものの、やはり水の澄んだ所の野ゼリが好ましい。
ここはワサビのある小さな沢の下方のなだらかになる所です。野ゼリが纏まって生えています。


こちらは採るには十分過ぎるほど育っています。
天然の野ゼリは栽培セリのようには伸びません。その代わり香りが強い。


栽培セリに慣れた人は野ゼリは香りが強すぎ嫌うかもしれません。
小生も幼少の頃は苦手でした。今は香り大好き人間なので大いに楽しめます。
これはクレソン。


クレソンは通称で、和名はオランダミズガラシ、英名はウォータークレス。
湧き水が流れる所にあるワサビや野ゼリの側には大概クレソンも生えています。
クレソンの花もワサビの花が咲く頃に咲きます。


独特の辛味や苦味があり、料理の付け合わせによく使われます。
しかし、あまり積極的に食されることは少ないかもしれません。
このように、ワサビ、野ゼリ、クレソンが同時に生えている様子が見られました。


大ぶりの葉のワサビの周りに野ゼリ、中に小さな白い花を咲かせているのがクレソン。

原木シイタケは好調のうちに終盤へ

2024年04月25日 | 山菜

今年春の原木シイタケは好調です。
4月早々からいわゆる春子が本格的に穫れ始め、たちまち盛りとなりました。
3月末以降全般に気温が高く、適度に降雨もあり生長が進んだようです。
自然栽培なので、作業するには邪魔になる雨もシイタケにとっては何より有り難かったでしょう。
3月に原木シイタケのほだ(榾)場を整理したため現在の配置はこのようになっています。


左側手前が植菌2年目の原木、左奥が植菌3年目になる原木。右側手前が今年植菌した原木を本伏せする予定のスペース、そして植菌4年目の原木、右奥が傷んだものを除き整理した植菌6年目の原木です。
右の外れに僅か見えるのは、傷んだ原木のうちまだ穫れそうな原木を寄せたもの。
品種は何れも日本農林種菌の「すその360」。
これが今年植菌2年目になる原木。


今年秋になれば二夏を経過するので本格的な収穫が可能になるはずです。
それでも少しシイタケが出ており穫れています。


これが今年植菌3年目になる原木。


この原木が一番穫れています。
気温が上がり水分が供給されたので順調に生長しました。
発生の良い原木はすでに2、30個穫れているものがあります。
昨年秋もこの原木がよく穫れたので、かなり消耗するのではないかと推測します。
穫り遅れると消耗も激しくなると思い、早めに穫るようにしています。


まだ小さいシイタケがかなり見えます。最近また乾燥気味ですが、もう少し収穫は続きそうです。


これが植菌4年目の原木。


昨年春はこの原木がメインで穫れていました。秋は甚だ不調でしたが、この春はかなり復活してくれたようです。


このくらいなら植菌3年目の原木と遜色ありません。


これが植菌6年目の原木。


傷んだ原木を半分くらい整理し、比較的元気なものをここに残しています。
それなりに出ており、穫れています。


こちらは番外。傷んだ原木のうち余力のありそうなものを寄せました。


これもそれなりに出ています。
収穫のメインは植菌3年目の原木ですが、4年目の原木も思った以上に穫れています。
収穫は毎日ならベストながら1日か2日おきと言ったところ。
これは助っ人が収穫したもの。少し小さめのシイタケも穫ったようです。かなり大量でした。


沢山穫れたときは乾燥椎茸にするか冷凍保存するかです。
乾燥椎茸にするには短時間で行う必要があり、温風ヒーターを利用します。
やりやすいのは冷凍。但しスペースには限界があります。




山菜の季節到来で王様タラの芽と女王コシアブラ

2024年04月23日 | 山菜

里山の春の恵みは山菜です。
天然のもの栽培のもの多々ありますが、先駆けとなるのはコゴミ。今年は4月半ばから採れ始めました。


それからほどなくタラの芽が採れ始めました。
我が家で4月20日前から採れれば早い年です。今年は例年より1週間ほど早く、昨年より僅かに遅い程度。
4月になってから連日気温が高く急に進んだようです。
何と言っても山菜の王様と言われるのがタラの芽。タラの芽が採れるようになれば山菜の季節到来です。
これが採れ始めの時のタラの芽。


タラの芽も系統や環境条件によって採れる時期に違いがあります。
日当たりが良い所の痩せたタラノキは早く採れます。ですから特別早いのはあまりボリュームのない場合が多い。
この辺りの里山にはタラノキはごく普通にありますが、採るのはごく近くだけ。歩き回って採るようなことはしません。
我が家では元々自生していたタラノキを刈り払いや剪定などの手入れをし、自然に増殖させています。
ここは比較的早くから採れます。これは4月半ば過ぎの採り始めのもの。


この場所の多くは採り終わっています。
採るタイミングとしてはこのくらい。


3月くらいに店で売られるトレイ入りのタラの芽はハウスで伏せ込み栽培したものです。
伏せ込み栽培では枝を短く切って着いている芽を全て吹かせます。そのためごく小さくボリュームはありません。
天然のタラの芽は大概一番上の頂芽だけを採ります。
したがって、ボリューム十分で本来の野趣に富んだタラの芽が味わえます。
こちらは自生していたタラノキを管理し最も群生化させた所です。


ここは篠竹が群生化しているところでもありますが、青味が濃くやや遅い系統のタラノキです。
丁度採り頃になってきました。


この系統は当地では通称モチタラ。青くて見栄えが良くトゲが少ないため良系統とされます。


3年ほど前、根こそぎ盗られてしまったことから、以来少し早めに採るようになってしまいました。


2系統を比べてみます。やや小振りのものですが、違いは分ると思います。
右が先に採れた赤みのある系統で、左が通称モチタラ。


こちらは誰が言い出したのか山菜の女王と言われるコシアブラ。


本来ならコシアブラの芽と言うべきところですが、面白いことに単にコシアブラで新芽のことを指しています。
そもそも当地方では一部の人以外コシアブラを食する習慣はありませんでした。
むしろ昔から「削り花の木」として知られており、今でも春の彼岸用に造花を作っている方がおられます。
やはり山形県で食材として重宝されているという情報が当地方にも波及したのだろうと思います。
当地ではタラノキほど多くはないもののコシアブラの木はごく普通に見られます。


コシアブラはナラやクリなど雑木に混じって林の中に生えており、ちょっと見には分りにくい。
タラノキと同じウコギ科の植物でありながら放置すればこのような高木になります。


コシアブラの高木1本には沢山の新芽が着きます。


切られた木からはわき芽が吹き出すので採るのが容易です。


高木なら1本採れば十分な量が採れます。


タラの芽は味や香りと言ったものは殆ど感じませんが、コシアブラには独特の味と香りがあります。
右がタラの芽、左がコシアブラ。


ボリュームで言えばタラの芽にはかないません。食べ応えが違います。
しかし、小生は香り大好き人間なのでコシアブラも大好物。
やはりこの時期は、定番の天ぷらや素揚げで山菜の王様と女王を同時に味わいたい。




原木シイタケの春子が穫れ始める

2024年04月03日 | 山菜

原木シイタケが穫れ始めました。いわゆる春子と言われるものです。
今冬は暖かかったことから冬期間も僅かずつ小さいながら穫れていました。
しかし、自然栽培のため気温が低いだけでなく全般に水不足で多くが生長できずにいました。
3月になって原木シイタケのほだ(榾)場を整理し、新たに本伏せするスペースも確保しました。
その時には小さなシイタケの芽がたくさん出かかっていました。
その後、真冬の寒さがぶり返したものの水分は適当に供給され、3月末から気温が上がってきたことで生長が進んだようです。
現在の全体の配置はこのようになっています。


左側手前が植菌2年目の原木、左奥が植菌3年目になる原木。右側手前に設けたスペースに今年植菌した原木を本伏せする予定です。そして植菌4年目の原木、右奥が植菌6年目の原木。
植菌6年目の原木は傷んでいたものを除き比較的健在のものだけをここに残しました。
さらに右の外れに僅か見えるのは、傷んだ原木のうちまだ余力が残っていそうなものをまとめたものです。
品種は何れも日本農林種菌の「すその360」。
これが今年植菌2年目の原木。


植菌1年余りの経過で原木は如何にも若い。今年二夏を経過すれば本格的な収穫が可能になります。
所々にシイタケが出ています。今年春にも少しは穫れそう。
これが今年植菌3年目になる原木。


一目沢山出ているのが分ります。一番メインで穫れることになりそうです。
昨年秋からこの原木がよく穫れています。
今冬は気温だけは高かったものの降水量が不足で原木は乾きすぎでした。
2月下旬以降になって降雪も度々あり、ほどよい水分が供給されたことで生長を促したようです。
それでもまだシイタケにとっては水分不足気味だろうとは思います。
気温も上がってきたので穫り頃のシイタケも出てきました。


小さいシイタケが沢山見えるので、もう少し経てば収穫最盛を迎えるでしょう。


これが植菌4年目の原木。


昨年春はこの原木がメインでした。秋は甚だ不調だったので今年春の復活に期待しています。


結構出ており、穫り頃のシイタケもあります。


これが植菌6年目の原木。


ピークは完全に過ぎたので傷んだ原木を整理し、半分くらいになりました。
こちらもそれなりに出ています。大きくなっているものもあります。


こちらは番外で、傷んだ原木のうちまだ発生しそうなものを寄せています。


あまり期待はしていませんが、それでも結構出ています。
これは先に整理し処分するため堆積している原木。シイタケが出ています。生命力の強さに驚かされます。


今年メインになるのは植菌3年目の原木でしょうが、他の原木もそれなりに穫れそうに見えます。
このくらい穫れました。今年の春子はまずまずのスタートになりました。


小さな芽は沢山見えるので、何れこれが生長してくれば最盛期入りです。
今、店に出回る生シイタケはほぼ100%菌床シイタケで、原木シイタケは殆ど見られません。
原木シイタケの食感、味と香りは別物です。




原木シイタケのほだ場を整理し春を待つ

2024年03月08日 | 山菜

原木シイタケのほだ(榾)場を整理しました。そして、新たに本伏せするスペースも確保しました。
ナラやクヌギの原木にシイタケ菌を植付けたものがほだ(榾)木。
そのほだ木からシイタケを発生させるよう置いておく場所がほだ場です。
直射日光が入らず、光線がチラチラと入る程度の半日陰になる場所が良いとされます。
ここが我が家の原木シイタケのほだ場。


現在の原木の配置はこうなっています。
左手前が植菌2年目の原木、左奥が植菌3年目になる原木。右手前が植菌4年目の原木、右奥が植菌6年目の原木。
さらに右の外れに僅か見えるのが少しだけ残している植菌9年目になる原木。
真冬はシイタケの発生は止るのが普通ですが、今年は僅かながら出続けており、適宜穫っています。


一言で言えば暖冬だからでしょう。小さい出始めのものも多くみられます。


気温が上がってくればいわゆる春子が発生してくることになります。


本格的に発生してくる前にほだ場を整理しないといけません。
目的は二つ。
一つは傷んだほだ木を処理すること、もう一つは今年植菌した原木の置くスペースを確保すること、です。
この植菌6年目の原木の中には傷んだものが結構出てきました。


特に細身の原木、ある意味ではよく働いた原木です。


まず原木を立てる所を3mほど伸ばすように仕掛けをしました。
そして、傷みの目立つ原木を別にまとめます。これは奥の方から見ています。


まだシイタケが十分発生しそうな植菌6年目の原木は一番奥に移動します。


そして、奥の方から空いたところに手前の植菌4年目の原木を移動します。


改めて手前から見ると、一番手前に数mの空きスペースが確保できました。


ここに、今年植菌し仮伏せしている原木を、何れ本伏せすることにします。
植菌6年目で傷んだ原木のうち、まだ発生する余力が残っていそうなものをこちらにまとめました。


植菌9年目になる原木もごく一部残っています。
このようにすっかり傷んでしまった原木は処分します。


一旦堆積しボロボロになったところで畑にすき込みます。
これで春の原木シイタケの発生を待ちます。


仮伏せ中のシイタケ原木に散水

2024年02月24日 | 山菜

シイタケ原木に植菌し、仮伏せしてから20日余りが経過しました。
これが仮伏せ中の原木。


仮伏せは保温、保湿をして菌を伸ばすために行うものです。
2、3週間後に確認して必要があれば散水することになっています。
予定より若干間が空きましたがビニールを開けてみました。


仮伏せする時に軽く散水したので覆いにしていたコモにはまだ湿気が残っています。
コモを剥いでみると、原木も多少湿気っているのが分ります。

打ち込んだ種駒の状態を確認します。


ちょっと見にも種駒が白くなり浮き上がっているのが確認できます。
近づいてみるとハッキリ白くなり、種駒から菌が吹き出ているものと思われます。


拡大してみても確かに菌が出ているようです。まずは一安心と言ったところ。


さらに全体をみると、少々菌があまり見えないところがあります。


この辺りは原木そのものが乾いています。やはり水分が足りないようです。


切り口に近い部分や、南側の直射が当たるところの水分が少ないと思われます。
少し水分が必要と判断し、散水ました。


昔は、低温期なので散水するのはあまり良くないと考えていました。
しかし、散水してみたところ結果が良かったことから水分不足が一番良くないと思うようになりました。
再びこもで覆いをします。


ビニールを掛け元の形に戻します。


暫くこの状態を保った後、またチェックします。


良いタラの芽を採るために周りの篠竹を刈る

2024年02月11日 | 山菜

タラの芽は「山菜の王様」と言われる代表的な春の山菜です。
タラの芽とはタラノキから吹き出してくる新芽のことです。
我が家では元々自生していた幾つかのタラノキを年数を掛けて手入れし、増殖させてきました。
その結果、この場所には自然に増殖して数十本のタラノキが群生化するようになりました。


しかし、この周囲には篠竹も沢山群生しています。
篠竹は繁殖力が強いため、このようにタラノキと篠竹が混在するようになります。


放置するとタラノキが駆逐されてしまいます。
数年手をかけなければ、まともなタラの芽を採るのはおぼつかなくなるでしょう。
したがって、この場所では篠竹を刈ることが一番の管理作業です。


一方で、篠竹は有用な資源でもあるのです。
我が家でサヤエンドウの支柱にしているのは篠竹です。但し、良い篠竹しか使えません。
まずは、タラノキが生えている周囲1mくらいまで刈払い機で切り倒します。


刈り倒しました。


タラノキのごく近くは一緒に切り倒してしまう可能性があるため刈払い機は使えません。
その部分は手刈りとなります。


タラノキの中に混在している篠竹は質が悪く利用できるものは殆どありません。
良い篠竹とは2m以上あり太く真っ直ぐ伸びたものです。
そのような篠竹はタラノキの周囲にある篠竹で、さらにその中から選別します。
刈り倒した篠竹を整理しました。


刈り払う前と比べるとタラノキだけが悠々と立っていることが分ります。


まだ芽は硬いですが。春になれば良いタラの芽が出てくる環境が整いました。タラノキも自然に増えるでしょう。


長い篠竹だけを選び纏めました。


篠竹は支柱としてすぐ使えるよう葉を整理し、先を尖らせておきます。
篠竹はこれ以外にももう少し採ります。



原木シイタケの仮伏せをする

2024年02月01日 | 山菜

原木シイタケの仮伏せをしました。
前日植菌した原木はコモを掛けて一晩置いています。


仮伏せとは温度と湿度を保ちシイタケ菌を伸ばすための作業のことです。
少しだけの原木なので一輪車で運びます。


仮伏せする場所は自宅のすぐ側です。
以前は、家裏の日陰の場所で仮伏せしていました。
この場所はコンクリートたたきになっており、直射が当たるためベストではありません。
ただ、近くに水道があるので管理しやすい。
場合によっては、仮伏せ中に灌水が必要になることもあるのです。
すでに3年ほど同じ場所で行っており問題なさそうです。
一番下には栗の木2本を置き台にしています。


例年、仮伏せ途中に散水することになってしまうことが多く、ここ2年は当初に散水しました。
それで菌の繁殖も悪くなく問題なさそうでした。
今年の原木は例年にも増して明らかに乾きすぎのように見えます。
1列並べたところで軽く散水しました。


これまで全部積み上げてから散水していましたが、下までうまく水が入らなかったような気がします。
今回は1段積むごとに軽く散水してみることにしました。


全て積み上げました。


散水しました。


ここではたと気付きました。昨年は一方向に薪積みにしたことを。
本来、薪積みするのが普通らしい。縦横に積む癖が付いているため失念していました。
いまさらしょうがないのでそのままにします。
このままだと直射をまともに浴びることになるため、対策が不可欠です。
コモを使って周りに覆いをします。


コモは仮伏せが終わればもう使えないため処分しても惜しくない古いものです。
古ビニールで覆いをして終了です。


コモとビニールで温度と湿度が適当に保たれることを期待しています
3、4週間くらい経ったところでシイタケ菌の出具合をチェックします。
さて、上手くいきますか。


原木シイタケの植菌をする

2024年01月31日 | 山菜

原木シイタケの植菌をしました。
先日切り出した原木のナラの木は、作業場の下屋に搬入しコモを掛けてあります。


非常に乾いている状態で伐採したので切り口にはひび割れが見え始めています。


シイタケ原木は直径10~15㎝が理想と言います。
これで約15㎝。


これで約10㎝。


大部分はその範囲ですが、太いものはこのくらいあります。10㎝未満も数本。


種駒はなじみの農業資材店から購入しました。
品種は日本農林種菌の「すその360」という品種。


取り扱っているのがこの品種だけで、現在作っている原木シイタケは全て同じです。
このようにシイタケ菌が繁殖した種駒が入っています。


今回は種駒500個入り2袋を使い切ったところで打止めにします。
昨年は後半打ち方を調整して標準より少なくなった原木がありました。
今年は最後まで標準を下回る原木がないように打ちます。
作業前に簡単なマニュアルを確認。最初の1本は計測しながら植え込みます。
まず電動ドリルで穴を開けます。穴の直径は8.5㎜、深さ20数㎜。


穴の数の標準は、長さ1mの原木の場合で太さの直径の4倍以上となっています。
我が家の原木は長さは約90㎝にしています。したがって換算すると直径の3.6倍。
直径12、3㎝の原木だと45穴くらいが目安になります。
穴の間隔は15~18㎝、列の間隔は3~4㎝で千鳥に植え込みます。


切り口近くは数㎝のところに穴を開けます。


節の所や枝切りした周辺はこのように多めに穴を明けます。


少し纏めて穴を開けたところに種駒を入れます。

ハンマーで打ち込みます。


原木1本打ち終わるとこんな風になります。


50穴ほどになったので標準には十分達していると思います。
概ね感覚がつかめれば、あとは目測と感覚で打ち込みします。
今年は最初の種駒を打ち込んだ感覚で最後まで行いました。
結局原木21本で打止めとなりました。


1袋500個丁度だとすると、打った種駒は1本当たり47、8個となります。
ほぼ標準通りに打ち込むことが出来たと思われます。
ここで薄暮となったので、コモを掛けて終了です。



原木シイタケが厳寒期にしぶとく穫れる

2024年01月04日 | 山菜
原木シイタケがしぶとく穫れています。
11月初めから穫れ始めたいわゆる秋子。
一面シイタケと言った状態にはならなかったもののだらだらと長い間穫れ続けています。
厳寒期に入りつつあり週1回のペースで見に来ています。
これが現在の原木の配置。


左手前が昨年植菌した原木、左奥が年が明けたので植菌3年目になる原木。
右手前が植菌4年目の原木、右奥が植菌6年目の原木。
そして、右外れに僅か見えるのが一部だけ残している植菌9年目になる原木。
品種はいずれも日本農林種菌の「すその360」。
これが昨年植菌した原木。


今はまだ養成期間です。
それでも幾つか穫れており、今年は期待できそうな気配。


これが今年で植菌3年目になる原木。


穫れているのは大部分がこの原木です。
二夏を越し本格的に発生する時期になったようです。


さすがに気温が低いので1週間に1回でもズングリのシイタケです。


それでも見逃して遅くなったものもありました。


小さい出始めのものがかなり見られますが、どうなるものか。


夏以降全般に乾燥して出遅れていたのかもしれません。
ハウスの中に入れれば綺麗に出てくるのでしょうが、残念。
これが植菌4年目の原木。


昨年の春はこの原木がメインで穫れたのですが、昨年秋は殆ど穫れませんでした。
遅くなって出てきました。小さいものも見えます。


これが植菌6年目になる原木。


こちらも殆ど穫れていませんが、遅くなって幾つか出てきました。


少々傷みの目立つ原木があります。復活してくれる可能性はあるのか。
これが番外の植菌9年目になる原木。


それでも出ていました。感心します。
それなりに穫れました。並べてみます。


手の平くらい大きなシイタケが穫れた時から見ると可愛いものです。
しかし、自家用にはズングリのシイタケでも結構役に立ちます。