里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

原木シイタケはほどほどに穫れ続ける

2024年12月19日 | 山菜

11月下旬になりようやく穫れてきた原木シイタケ。
気温がぐっと下がってきたのでどうなることかと思って見ていましたが、ほどほどに穫れ続けています。
全体の原木はこのような配置になっています。


右の列手前が今年植菌1年目の原木、次に植菌4年目の原木、右奥が整理し少し残している植菌6年目の原木。
左の列手前が植菌2年目の原木、左奥が植菌3年目になる原木。
右外れの少し見えるのは番外で6年目の傷んだ原木のまだ穫れそうなものを寄せたもの。
今年の空梅雨から日照りは湿気を好むシイタケ菌にとっては相当なストレスだったはずです。
灌水できる環境にないため駄目になる原木もあるのではないかと思っていました。
それでも遅かりしとはいえ、いわゆる秋子の発生があったのでほっと一息と言ったところです。
これが稙菌1年目の原木。


今年は殆ど期待していませんでした。それが想定外の発生です。
品種は何れも日本農林種菌の「すその360」。


一夏しか経過していないのでこれほど出るとは思っていませんでした。
稙菌を多くしたのと仮伏せ時に水分が確保できたことによると思います。


稙菌1年目の原木のシイタケが出ていなければ寂しいものになっていたでしょう。
これが稙菌2年目の原木。


こちらは想定通り。二夏を越したのでメインになるだろうと思っていました。


穫り始めた頃より比較的揃ったシイタケが出ています。


但し、今見えるものを穫った後、どの程度続くかは分かりません。


相変わらずほんのポツポツと言った出方です。
やはり昨年秋と今年の春に沢山出た反動があるようです。夏の水分不足が拍車をかけました。


これが稙菌4年目の原木。


こちらも未だ僅かしか出ていません。やはり今年の春によく出た反動かも。
まだ弱るには早い思うのですが。


これが植菌6年目の原木。


さすがに傷みが目立ってきました。
春に整理し一部を残したのですが、来年にはすべて整理するつもりです。
それでも僅かながら出ています。


番外にも出ているものがあります。


気温が大分下がってきたので、見るのは週一くらいでよくなっています。
その程度で穫り遅れのものも殆ど出ません。


成長するのに日数が掛かっている分、肉厚のシイタケが穫れます。


今年の秋は一面シイタケのような風景を期待したので残念ではありました。
それでも異常な空梅雨から日照りを乗り越え役に立つ程度穫れたことに満足すべきかもしれません。
この後、厳寒期に向かいどの程度出てくれるものか。
貴重な具材なので郎党の期待もあります。注意して見ていきたいと思っています。







ウドは大木ほど良し

2024年12月06日 | 山菜

ウドは茎葉がほぼ枯れてきたので片付けの作業をしました。
言うまでもなくウドの大木とは図体ばかり大きくて役立たずのことを揶揄した言葉。
しかし、ウドは大木になるほど良しなのです。
もっとも大木とは言っても次第に茎が木化するだけでそもそもは草本です。
ウドを食するのは春に伸び出す新芽。
一般的には根株を掘り上げ、ハウス内に伏せ込み新芽を軟化します。
いわゆる東京ウドのように室に伏せ込んで白い軟化ウドにする栽培法もあります。
我が家では昔ながらの土盛りをします。そのためより天然に近い山ウドの風味が味わえます。
これが今年春の山ウド。


小生は山ウドの香り大好き人間なので春の楽しみの一つです。


何れの栽培法にしてもまずは充実した根株を作ることが大事です。
それには太く青々としたウドの大木に育てる必要があるのです。
大きく育つことで根株に養分を蓄え翌春に立派な新芽が伸び出します。
春に出てきた芽を穫り尽くしたり、せっかくの茎葉を早々と片付けたのでは根株が弱ってきます。
我が家はより自然に近い栽培なので、収穫後は必ず何本かを伸ばし、根株を養成します。
夏には人の背丈をはるかに超え2m以上に達します。
秋も深まると次第に黄葉し、その後は枯れて落葉してきます。
今年は気温が高く例年より黄葉するのも枯れ上がるのも遅くなりました。


太く丈夫なウドは枯れ上がっても立ったままです。


茎の細いものは雨や風で次第に倒れてきます。
ウドは白い小さな花を沢山咲かせ黒い実を着けます。まだそのまま残っているものがあります。


実を着けない白いままのものは雄花、黒い実になっているのが雌花で正確には両性花。
花にはスズメバチが好んで寄ってくることが多いため開花前に切るつもりでした。
タイミングを失してしまったのですが、今年はあまり寄ってこなかったようです
殆ど枯れ上がってきたので来春に向けきれいに片付けます。
大木と言うくらいですから茎は長く硬い、
刈払い機を利用するのが効率的です。


根元から適当な長さに切断します。


そして、運び出します。すっかり片付きました。


春に盛った土は収穫後に崩して元に戻しています。新芽の元が見えるものがありました。


来春芽が伸び出す時期に再び盛り土をします。
さらにもう1カ所。


こちらは前の所から株分けしたもの。


立木により午後に日陰になるせいか少し勢いが弱くなっています。
根株が混んできたので株分けしたいのですが、なかなか出来ません。
これまでに近隣の何人かに分けていますが、近年は植えたままになっています。
刈払い機で適当な長さに切断。


ウドの茎は枯れたように見えても筋が非常に硬く手では絶対折れません。


残骸を運び出し綺麗になりました。近くの立木からは枯葉が沢山落ちてきます。


これで大事なウドの大木は片付きました。来春の新芽の出る時期が楽しみです。


原木シイタケの秋子がようやく穫れる

2024年11月27日 | 山菜

原木シイタケがようやく穫れてきました。
いわゆる秋子と言われるものですが、なかなか出てこなかったためやきもきしていました。
今年の春は順調に発生したので落差が甚だ大きい。
現在の原木の配置はこのようになっています。


右の列手前が今年植菌1年目の原木、次に植菌4年目の原木、右奥が整理し少し残している植菌6年目の原木。
左の列手前が植菌2年目の原木、左奥が植菌3年目になる原木。
見えていませんが右に番外でまだ穫れそうな6年目の傷んだ原木を寄せています。
今月始めに数個出てきたので、続くかと思いきや全く音沙汰なし。もうお仕舞いかと悲観的でした。
今年は著しい空梅雨そして日照り。極端に原木が乾燥してしまったので影響が出るのは覚悟していました。
灌水できる環境にないため湿気を好むシイタケ原木にとっては最悪の条件ではありました。
8月後半からの降雨でどのくらい持ち直してくれるかと思いましたが、ダメージは大きかったようです。
今、穫れるようになっているのが、今年は殆ど期待していなかった植菌1年目の原木


意外にも出てきました。品種は何れも日本農林種菌の「すその360」。


一夏しか経過していないので本格的な発生は来年です。他より1年目の原木が出るのは想定外。
こんなのもありました。


これが2年目の原木。


二夏を越したので本格的な発生に期待していました。


さすがに1年目の原木よりも出ています。
大きくなりすぎたものも若干ありました。


小さなシイタケも少し見えます。続いて出てくれるか。


昨年秋と今年の春に非常に良く出たので消耗が激しいとは思っていました。
ほんの僅かしか確認できません。復活は難しいでしょうか。
これが植菌4年目の原木。


今年の春はよく出ました。こちらもほんの僅かしか確認できません。
これが植菌6年目の原木。


大分傷んだので整理し一部を残したもの。大きくなっているシイタケがありました。
番外の原木。こんなのが出ていました。


穫ったシイタケを広げてみました。


穫り遅れのものもありましたが、傘の裏は汚れていないので大丈夫です。
姿はイマイチながらまずは穫れたことで良しとしましょう。
これからは気温が下がってくるのでどのくらい生長してくれるか。
今年は秋になってそれなりに降雨があったもののトータル的には非常に降水量の少ない年でした。
シイタケ菌の働きは大きく低下したものと思われます。
かなり遅れてしまいましたが、何はともあれ待ちかねた秋子が穫れ出したのでちょっぴり安心。
今、店に出回るのは殆ど菌床シイタケ、原木の生シイタケを見かけることはまずありません。
菌床シイタケは原木シイタケとは別物です。






タラの芽を採った後の管理

2024年07月24日 | 山菜

春の山菜と言えば何と言っても王様の名を冠される「タラの芽」
今年は昨年より僅かに遅いものの例年よりは1週間ほど早く採れました。
我が家では元々自生していたタラノキを手入れし、それなりの年月を掛け自然に増殖させてきました。
良いタラの芽を毎年採るためには採った後の管理が必要になります。
タラの芽はタラノキから芽吹く新芽のことなので、タラノキの管理と言うことになります。
我が家には2カ所に纏まったタラノキがあります。
これが一番群生化したところの4月下旬の収穫時のタラノキ。


タラノキは新しく伸びた枝の先に新芽(頂芽)が出来ます。そのタラの芽を採るわけです。
タラノキの枝は1mくらい伸びるため、放置すれば大きくなり、簡単には採れなくなってしまいます。
そこで、タラの芽を収穫した後は、速やかに2、3芽を残して枝を切り戻します。
ここのタラノキもすべて短く切り戻しました。
そして、これが6月半ばのタラノキ。


切り戻した枝からは残ったわき芽が生長し、新しい枝葉が伸びてきます。
これで枝の伸びは抑えられ、翌年の収穫も容易に出来る訳です。
しかし、その後は辺りに雑草も伸びてきます。タラノキの生育にとってはよくありません。


雑草の刈り払いを行います。
タラノキにはトゲがあり、混んでいるので少々やりにくい。


ちょっと間違うとタラノキまで簡単に切ってしまうため、多少雑草が残るのはやむを得ません。


実はこの場所は普通の下草はあまり生えず、一番が篠竹です。
そしてこれが現在。1ヶ月余り経ち大きく生長しました。


再び雑草の刈り払いを行いました。混んできたのでできる範囲です。


もう一つの纏まってタラの芽が採れるところ。収穫時はこんな感じでした。


やはりタラの芽を採った後、枝を切り戻しました。
こちらもこれが6月半ば。


これで来年は簡単に採れる高さにタラの芽が芽吹いてきます。
雑草が大分繁茂してきました。


刈り払いをします。


タラノキは地下茎で繁殖します。
中に枯れている木が見えます。タラノキは古くなると枯れる場合があるのです。
しかし、代わりに地下茎から新しい芽が伸び出します。いわば世代交代です。


そしてこれが現在。こちらも再び雑草の刈り払いを行いました。


今年も大分新しい芽が伸び出しています。雑草を刈り払いすることで新しい芽が生長し、さらに繁殖するはずです。


これでタラの芽を採った後の大事な管理、枝の切り戻し剪定に続く雑草の刈り払いは終了です。


遅くなった原木シイタケの本伏せ

2024年06月29日 | 山菜

今年1月末に植菌し、仮伏せ していた原木シイタケを本伏せしました。
6月半ばくらいを想定していましたが、大分遅くなりました。
それは、一向に梅雨入りする気配がなかったからです。本伏せするには湿度の確保が必要なのです。
当地はこの時期としてはおそらく過去最少と思われる降水量。まさに日照りでした。
湿気を好むシイタケにとっては災難とも言える天候でしょう。
これが植菌した後、仮伏せしておいたものです。


ようやく梅雨入りしたものの依然空梅雨の様相ですが、何時までもこのままにも出来ないので本伏せすることにしました。
仮伏せする際には散水し、こもとビニールで覆いをしました。さらに途中一度チェックし再び軽く散水。
その後は放置したままだったので少々不安でした。
ビニールを剥ぎました。こもはまだ湿気っています。


今年植菌したのは21本と僅かです。こもを剥ぎました。


太い原木に白い菌糸が見えたのでホッと一安心。


切断面は白くなり、シイタケ菌はそれなりに繁殖しているようです。


一方で、乾いて菌糸があまり出ていない原木もあります。
途中、再度散水しておけばと今さら思っても無駄というもの。
雑菌が出ているものも若干。


ほだ場は古いほだ木を整理し、この植菌した原木を本伏せするため大分前から準備していました。


運搬車に積み込み運びます。


この年代物の運搬車は一昨年中古エンジンに付け替え、昨年再び修理し、現在の調子はまずまず。
無理せずゆっくりとしたスピードでほだ木の置き場まで運搬しました。
この場所は半日陰で雨も適度に当たるためほだ木置き場にしています。
伏せ込みの方法は何時ものように合掌式です。


原木の切り口がこのように菌が吹き出ているものはまずは大丈夫だと思います。


一部、菌の吹き出しがイマイチのものがありますが、何はともあれこれで本伏せは完了です。


今年、来年と二夏を越し、植菌3年目の春から本格的に穫ることが目標です。
全体ではこのような配置になりました。


左の列手前が植菌2年目の原木、左奥が植菌3年目になる原木。右の列手前が今回本伏せした植菌1年目の原木、そして植菌4年目の原木、右奥が整理して残した植菌6年目の原木です。
右の外れに僅か見えるのは整理した原木のうちまだ穫れそうな原木を寄せたもの。
今年の異常乾燥がどれほどの影響があるのか小生には分りません。
灌水できる環境にない半放任なので、ほだ木には何より染み渡る雨が欲しいところです。