里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

良いタラの芽を採るための管理(篠竹刈り)

2025年02月20日 | 山菜

「山菜の王様」と言われるタラの芽。春の山菜と言えばいの一番に挙げられるでしょう。
タラノキから吹き出してくる新芽がタラの芽ですが、タラノキとは聞き慣れない方が多いかもしれません。
我が家では元々自生していたタラノキを年数を掛けて手入れし、増殖させてきました。
今では、自然に増殖しこの場所には数十本のタラノキが群生化するようになりました。
これが昨年春の採り頃のタラの芽。


しかし、この場所はタラノキの周りに篠竹も沢山群生しています。


篠竹は繁殖力が強く、タラノキの中にまで蔓延ってきます。


放置すればたちまちタラノキの方が駆逐されます。
この場所では篠竹を刈ることが一番の管理作業になります。


それでも今年は例年に比べタラノキの近くに侵食している篠竹はずっと少ない。


今年はタラの芽を採った後の刈り払いの回数を増やしたことが奏功しています。
9月にも刈り払いしたのは初めてのような気がします。
お陰で今回の刈り払いはずっと楽に出来ます。やはり手を掛けただけの違いがあります。
ところで、篠竹は里山の有用な資源でもあります。
我が家ではサヤエンドウの支柱にしているのは専ら篠竹。
但し、タラノキの中に生えているような篠竹は質が悪く使えません。
使えるのはタラノキの周囲に生えている良い篠竹だけです。
まずは、タラノキの生えている周囲1mくらいまで刈払い機で切り倒します。


下草や小さい雑木も一緒に刈り倒しました。


タラノキのごく近くは一緒に切り倒してしまうとまずいので手刈りが必要です。
刈り取った中から丈が2m以上あり太く真っ直ぐ伸びた篠竹だけを選別し、他の刈り倒した篠竹は整理します。


スッキリとしました。これで春になれば良いタラの芽が出てくる環境が整いました。


まだ芽は硬いですが春になれば食べ応えのあるタラの芽が採れるでしょう。


また、こうすることでさらにタラノキが増殖してきます。
これが選別して纏めた篠竹。


篠竹は支柱として使えるよう葉を整理し長さを揃え、先を尖らせておきます。
これでは中途半端なのでもう少し採ります。


原木シイタケの仮伏せ

2025年02月01日 | 山菜

原木シイタケの仮伏せをしました。
仮伏せとは温度と湿度を保ちシイタケ菌が繁殖しやすくするための作業のことです。
前日に植菌を終え、原木はコモを掛けて一晩置いています。


今回は種駒1,000個を使い切ったところで打止めにしており、本数は23本でした。


原木は次第に乾き切り口にひび割れが見えてきました。


仮伏せする場所は自宅のすぐ側。少しばかりの原木なので一輪車で何回か運びます。
以前は、家裏の日陰の場所で仮伏せしていましたが、灌水がしにくいので変えました。
この場所はコンクリートたたきになっており、直射が当たるため仮伏せにはあまり適しているとは言えません。
ただ、近くに水道があるので灌水が容易にできます。
仮伏せ中に状況によっては灌水が必要になります。近年はこの場所で仮伏せしており、あまり問題なさそうです。
一番下の2本は栗の木で単なる置き台です。


以前はいつも仮伏せ途中に散水することが多かったため、ここ3年ほどは初めに散水しました。
それで菌の繁殖も悪くないように見えるので、今年も同様にします。
とりわけ今年は降水量が極端に少なく異常乾燥だったことから原木はより乾いていると判断しました。
これまでの経験で、全部原木を積んでから散水すると下までうまく掛からないようです。
1列並べたところでまず軽く散水しました。


昨年やったように今回も1段積むごとに軽く散水することにしました。


そのためとは言いませんが、昨年は稙菌1年目の秋から結構穫れたのです。
これで全て積み上げました。


最後の散水が終わりました。


そう言えば、とここで気付きました。本来、仮伏せは薪積みにするのが普通らしいのです。
昨年と同じことを繰り返してしまいました。完全に縦横に積む癖が付いてしまったようです。
いまさらしょうがありません。昨年もそれで大した支障はなかったと都合良く解釈。
この場所は直射をまともに浴びるためコモで周りに覆いをします。これは絶対。


コモは仮伏せが終わればもう使えなくなってしまうので処分しても惜しくないものを使用します。
最後に古ビニールで覆いをして終了です。


古ビニールも毎年使っている年季の入ったもの。
コモとビニールの組み合わせで温度と湿度が適当に保たれることを期待。これまでの結果はまずまずです。
3、4週間経過したところでシイタケ菌の発生状況を確認します。

原木シイタケの稙菌

2025年01月31日 | 山菜

原木シイタケの植菌をしました。
過日伐採した原木のナラの木は、作業場の下屋に搬入しコモを掛けてあります。


当地は長期間降水量が極端に少なく、原木自体が乾いています。切り口にはひび割れが見え始めました。


シイタケ原木は直径10~15㎝が理想とされています。
この原木で約15㎝。


多くは範囲内にありますが、15㎝を越えるもの、10㎝を下回るものも若干あります。
種駒は日本農林種菌の「すその360」という品種。


馴染みの農業資材店では取り扱っているのはこの品種だけ。現在作っている原木シイタケは全て同じ品種です。
開封すればこのようにシイタケ菌が繁殖した種駒が入っています。


今回は種駒500個入り2袋を使い切ったところで本数に関係なく打止めにします。
昨年稙菌した原木が1年目の秋から結構出たのは標準を上回るように打ち込んだことも要因の一つと思われます。
今年も不足しないように駒打ちをすることを心がけます。
作業前に簡単なマニュアルを確認。最初の1本だけは計測し確認しながら植え込みます。
まず電動ドリルでの穴開け。穴の直径は8.5㎜、深さ20数㎜。


マニュアルによると穴の数の標準は長さ1mの原木の場合、太さの直径の4倍以上となっています。
我が家の原木は長さは約90㎝なので換算すると直径の3.6倍。
平均的な原木の直径12、3㎝のものだと45穴くらいが目安になります。
穴の間隔は15~18㎝。


列の間隔は3~4㎝。千鳥に植え込みます。


切り口近くは数㎝のところに穴を開けます。


穴を開けたところに種駒を入れます。


ハンマーで種駒を打ち込みます。


実際には穴を開けたところに少し纏めて種駒を入れます。


そして、纏めてハンマーで打ち込みます。


節の所や枝切りした周辺は菌が回りにくいので多めに穴を開け種駒を打ち込みます。


原木1本打ち終わったところで50穴ほどになったので標準以上に達していると思われます。


1本打ち込みが終われば大体感覚がつかめます。あとは計測なしの目測だけで大丈夫です。
今回は原木23本で打止めとなりました。


1袋500個丁度だとすると、打った種駒は1本当たり43、4個となります。
ほぼ標準通りに打ち込むことが出来たようです。
コモを掛けて稙菌の作業は終了です。




すき焼き具材シュンギクとシイタケをしぶとく穫る

2025年01月21日 | 山菜

小生、ネギ、シュンギク、シイタケをすき焼き具材3種の神器と称しています。
この3種はすき焼き具材として誰もが欠かすことのない青果物に挙げるからです。
何れも我が家で自給するのを目標にしています。
ネギは冬期間を通して間違いなく自給できますが、シュンギクとシイタケが問題です。
年明け後の出来は気候に左右されやすい。暖冬だった昨年とは今年はかなり違います。
まずはシュンギク。
10月半ば過ぎから抜き取り収穫を開始、その後摘み取り栽培に移行し、主枝、側枝(わき芽)と穫り続けてきました。
今年は少々早めに不織布をトンネル掛けしています。


やはりシュンギクは他の葉物野菜に比べ低温に弱く凍害を起こしやすい。
一目かなり傷んできたことが分かります。


昨年はこの時期でも凍害の症状は僅かでした。大分異なります。
昔はハウスで作っていたので凍害も無縁でしたが、不織布では当然とも言えます。
今は側枝(わき芽)とそれを摘んだ後に伸びた孫茎が混在している状態です。


強い低温に逢うと葉や茎が黒く変色します。比較的大きな葉が被害を受けやすい。


通常は茎を長さ20~25㎝くらいで摘み取るのが理想ながら今は下葉が黒変し難しい。


もちろん販売には供しませんが、自家用にはまだ利用することが可能です。
茎を長くは出来ないものの芯の方を中心に短くても数多く摘むようにします。
穫ってみました。


ピーク時のようなボリュームは望むべくもないですが、我が家のすき焼き具材には十分使えます。
さて、何時まで粘れるか。
こちらが原木シイタケ。


11月下旬になりようやく穫れ始め、ほどほどの穫れ具合となりました。


年が明けたので右の列手前から今年植菌2年目の原木、次に植菌5年目の原木、右奥が間もなく整理する植菌7年目の原木。
左の列手前が植菌3年目の原木、左奥が植菌4年目になる原木。
右外れに少し見えるのは番外で7年目の傷んだ原木で間もなく処分します。
水分不足の傾向は依然続いており、いわゆる秋子では一面がシイタケという景色は見られませんでした。
それでも年明け後もほぼ週一のペースで穫っています。
しかし、厳寒期に入り週一でも小振りのうちに収穫です。なかなか大きくなってくれません。
今主に穫れているのが意外にも今年植菌2年目になる原木。
二夏を越す今年秋からの本格収穫が目安ですからいい意味での想定外です。


こちらが二夏を越した3年目の原木。


4年目、5年目の原木も少しながら穫れています。


いずれにしても1月になってからは生長が停滞し、ポツポツと言った穫れ具合です。
小さいシイタケの芽は大分見えるもののなかなか難しそう。本来ならハウスの中で灌水しながら穫るべきものです


今回穫れたのは小振りのものがこのくらい。小さくても味は凝縮され濃厚。


原木シイタケが穫れ始めてから週一のペースですき焼きをしてきました。
何時までできるかはシュンギク次第。実はシイタケは冷凍しているストックがあります。
もっとも肝心な牛肉は僅か、焼き豆腐にしらたきと金の掛からない高齢者向きのすき焼きではあります。
我が家では3種の神器以外にハクサイも入れます。邪道と指摘されることもありますが、煮込まれたハクサイはネギとともに柔らかく美味しい。







原木シイタケはほどほどに穫れ続ける

2024年12月19日 | 山菜

11月下旬になりようやく穫れてきた原木シイタケ。
気温がぐっと下がってきたのでどうなることかと思って見ていましたが、ほどほどに穫れ続けています。
全体の原木はこのような配置になっています。


右の列手前が今年植菌1年目の原木、次に植菌4年目の原木、右奥が整理し少し残している植菌6年目の原木。
左の列手前が植菌2年目の原木、左奥が植菌3年目になる原木。
右外れの少し見えるのは番外で6年目の傷んだ原木のまだ穫れそうなものを寄せたもの。
今年の空梅雨から日照りは湿気を好むシイタケ菌にとっては相当なストレスだったはずです。
灌水できる環境にないため駄目になる原木もあるのではないかと思っていました。
それでも遅かりしとはいえ、いわゆる秋子の発生があったのでほっと一息と言ったところです。
これが稙菌1年目の原木。


今年は殆ど期待していませんでした。それが想定外の発生です。
品種は何れも日本農林種菌の「すその360」。


一夏しか経過していないのでこれほど出るとは思っていませんでした。
稙菌を多くしたのと仮伏せ時に水分が確保できたことによると思います。


稙菌1年目の原木のシイタケが出ていなければ寂しいものになっていたでしょう。
これが稙菌2年目の原木。


こちらは想定通り。二夏を越したのでメインになるだろうと思っていました。


穫り始めた頃より比較的揃ったシイタケが出ています。


但し、今見えるものを穫った後、どの程度続くかは分かりません。


相変わらずほんのポツポツと言った出方です。
やはり昨年秋と今年の春に沢山出た反動があるようです。夏の水分不足が拍車をかけました。


これが稙菌4年目の原木。


こちらも未だ僅かしか出ていません。やはり今年の春によく出た反動かも。
まだ弱るには早い思うのですが。


これが植菌6年目の原木。


さすがに傷みが目立ってきました。
春に整理し一部を残したのですが、来年にはすべて整理するつもりです。
それでも僅かながら出ています。


番外にも出ているものがあります。


気温が大分下がってきたので、見るのは週一くらいでよくなっています。
その程度で穫り遅れのものも殆ど出ません。


成長するのに日数が掛かっている分、肉厚のシイタケが穫れます。


今年の秋は一面シイタケのような風景を期待したので残念ではありました。
それでも異常な空梅雨から日照りを乗り越え役に立つ程度穫れたことに満足すべきかもしれません。
この後、厳寒期に向かいどの程度出てくれるものか。
貴重な具材なので郎党の期待もあります。注意して見ていきたいと思っています。