里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

「曲がりネギ」風に作ってみる

2022年11月30日 | 畑:葉菜類

10月早々から本格的に穫り始めた長ネギは、近年では一番出来がいいようです。
しかし、土寄せは限界に達し、これ以上の軟白は難しく、後は成り行きに任せます。
ただ、1ヵ月ほど遅れて植付けた手前の1畝を曲がりネギ風にしてみることにしました。


当初からの曲がりネギ栽培ではないので、あくまで曲がりネギ風です。
「曲がりネギ」とはネギを直立に伸ばさず、あえて湾曲させるものです。
当県には伝統的な曲がりネギの栽培法があり、発祥の地は仙台市の余目地区です。
地下水が高い悪条件下で軟白部を長く伸ばすため、ヤトイという作業を行うのが特徴。
ネギを寝かせて植え替え、そこに土を盛り長い軟白部を確保すると言うものです。
ネギが生長し伸びるに従い曲がりが生じます。
曲がる時にネギにストレスが掛かることで軟らかく甘味も増すとされます。
当地方では「曲がりネギ」は旨いネギとして高い人気を得ています。
当地のような粘土質で湿害を受けやすい所でも行われてきましたが、植え替えの手間が掛かるので、今では機械作業がやりやすい長ネギ栽培が一般的となりました。
1畝の収穫が終わりスペースのできた部分を利用し、「曲がりネギ」風にするためのヤトイを行ってみます。


まず、畝を崩してネギを全て掘り上げます。

本来は軟白を始める時点からヤトイの作業をします。
このように長ネギの土寄せ中途からヤトイの作業をするということはありません。ですから、あくまで「曲がりネギ」風と言うわけです。


植え替えするための溝を作ります。


見にくいですが、ごく緩い傾斜になるような植え溝です。


ここにネギを寝かせた状態で並べます。


ごく軽い斜め植えになります。


正面から見ればこうなります。


分岐部まで土を被せます。

覆土の厚さは数センチ程度。


この後、生長するに従い葉は垂直に伸びてくるので、次第に曲がりができてくるのです。


伸びてきたら、またそこに土を盛っていきます。
そうすると、ネギは湾曲しながら軟白されるというわけです。
時期としてはかなり遅いので、どの程度「曲がりネギ」風になるでしょうか。


水墨画「松島」 松尾芭蕉と松島

2022年11月29日 | 水墨画:風景他
画仙紙 半切1/3  

松島には何度も足を運んでいますが、正直なところ水墨画では描きにくく、避けて通りたいと言うのが本音。
とは言っても、松島は当県では最も知名度の高い観光地に違いありません。
松島のシンボルと言えば、やはり五大堂なので、それをモチーフに描いてみました。
松島の名は景勝地の代名詞として、おそらく大概の人が知っていることでしょう。
かの松尾芭蕉も心躍らせて当地を訪ねています。
古典音痴の小生にも奥の細道の序文は少し分ります。
「月日は百代の過客にして行かふ年も又旅人也・・・松島の月まづ心にかゝりて・・・」と、みちのく旅で目指した第一が松島だったことが窺えます。
松島の地では、中国の景勝地洞庭湖や西湖に勝るとも劣らない扶桑第一の絶景と称賛しています。
しかし、芭蕉は松島では句を残していません。詠んだのは同行した弟子の曾良だけです。
隣県の名所では代表的名句をいくつか残しているので、甚だ残念なことでした。
あまりの絶景に句では表現できぬほど感動したというのですが、真実はどうなのでしょう。
小生が勝手に思うには、ひねり出そうと相当頑張ったが満足できる句が出なかったと言うことではないか。
目指した松島で詠むなら名句でなければならず、万が一駄作と評されるようなら芭蕉のプライドが許さないでしょう。
後年、「松島やああ松島や松島や」の句があたかも芭蕉作のように流布されましたが、そんなことがあろうはずもありません。


今年の長ネギの出来は良し

2022年11月28日 | 畑:葉菜類

10月早々から本格的に穫り始めた長ネギ。
2ヵ月ほど経ちますが、近年では一番出来が良さそうです。


品種はホワイトスター。
植付けてから間もなく6ヵ月。穫り始めてからの天候は気温が高く異常乾燥。
我が家の畑は強粘土質土壌のため、湿害を受けやすい長ネギにとってはプラスだったようです。


昔は白根(軟白部分)40㎝の長ネギを穫ることを目標に深い溝に植付けしっかり土寄せする作り方でした。
しかし、しばしば大雨で湿害を受けたことから目標を封印、湿害防止を最優先に植え溝は浅くすることにしました。
今年は着実に成長し、太りも良い。


問題は軟白。土寄せが難しく限界に達しています。


最後にあえて水分が多めの土をクワで盛ってみました。どの程度の効果があったかは判然としません。
さらに大分伸びていますから。


これ以上は難しいので、後は成り行きに任せることにします。
全部で4畝。手前の1畝は1ヵ月近く遅く追加で植付けたもので、欠株も出ました。


それでもかなり挽回しています。この1畝を後日曲がりネギ風にしてみようと思います。
早くから穫り始めた1畝は、あとこれだけで穫り終えます。


少し纏めて穫りました。直ぐ使えるよう土付きのまま自宅そばに囲っておきます。


手頃で使いやすいと評判は良い。


数本、調製してみました。


分岐までの丈は30数㎝。
太りは十分、軟白も少しずつ進んではきましたが、もう一歩というところ。
根元の曲がりがあり軟白が足らず出荷用ならB級品です。
秋冬期、東日本では葉ネギや分けつネギは使われることがなく、軟白の一本太ネギオンリーなので規格は厳しい。
でも自家用ならこの程度で良し。欲を出すと元の木阿弥になりかねず、これで満足します。
これからさらに冷え込んでくれば一層美味しくなるでしょう。


小カブが穫り頃

2022年11月27日 | 畑:根菜類

小カブが穫り頃になってきました。
品種は「耐病ひかり」。
古い品種ながらよく揃い大カブになっても美味しい。
種播きが9月20日。バラ播きで発芽、生育とも順調。
10~15㎝間隔に間引きしています。


11月10日頃から間引きを兼ね育ちの良いものから穫り始めました。
本格収穫の目安は種播き後約2ヵ月。今年は気温が高く生長が早まり、穫り頃の小カブが増えてきました。
すでに大分収穫していますが、葉で覆われ蕪の状態はちょっと見では分りません。


中まで見えるようになるのはもっと収穫が進んでからです。これがバラ播きの特徴。
近づくと僅か見えるようになります。


収穫するときは葉を少しかき分け蕪の間隔と育ち具合を確認します。


蕪は大部分が土の表面に出ているため、容易に確認できます。


実は蕪本体は根ではありません。根は下に尻尾のように付いている細い部分です。
蕪は茎なのです。そのため殆どが地上に出ています。


抜くのも殆ど力を入れる必要がありません。抜こうとして隣の蕪が一緒に付いてくることもよくあります。
このように間隔が狭いところもありますが、長期間穫るので、生育差が多少あっても問題ありません。


数株穫ってみました。


洗ってみると純白の蕪と青々とした緑の葉が実に清々しい。


やはり小カブは浅漬けが一番。大変軟らかく茎や葉も美味しい。食卓に欠かせません。
でも、本当に美味しくなるのはもっと先。冷え込みが強まってからです。
そうすると小カブの甘味、旨味がさらにアップします。


ナバナ「寒咲花菜」を穫り始める

2022年11月26日 | 畑:花菜類
数日前からナバナ類の一種「寒咲花菜」を穫り始めました。
9月7日に直播きしたもの。


種子はトーホク種苗のものです。
初めのうちは天候が悪く発芽や生育が揃いませんでしたが、その後の好天で回復、今はバラツキが目立たなくなってきました。


畝間もいっぱいに埋まっています。
気温が高く、当初の見込みより早く穫れるようになりました。


いくつか作っているナバナ類のうち、これは花菜(はなな)と言われるもの。
花菜は店では菜の花として売られることが多い。
普通の花菜は春になって花が咲くナタネですが、これは寒咲きのナタネなので「寒咲花菜」と呼ばれます。
そもそもは京都伏見で栽培されてきた寒咲きナタネの一種を品種改良したものです。
当地のような寒冷地でも冬場に穫れ、美味しいので我が家では人気の野菜です。
外葉が大きいため主枝の蕾は見えにくい。
収穫の適期は芯からトウが伸びて花が咲く直前くらい。


多少花が咲いても問題ありませんが、主枝のトウは早めに摘むようにしないと花茎が長く伸びてしまいます。
このトウは黄色い花弁がチラッと見えてきました。

このトウを収穫してみます。

トウ(親茎)に付いているわき芽を数芽残して切りとります。
しかし、地際の葉は詰まっているため、実際には10芽くらい残ってしまうことが多い。
切りました。


収穫後。すでにわき芽が伸びているのが分ります。


わき芽を沢山残せば、収穫の本数は増えますが、細くなります。
これは数日前に収穫した株。わき芽が大きくなり、すでに花芽がはっきりと見えています。


主枝のトウは植えた本数だけしか穫れませんが、わき芽は多いので、これが穫れるようになれば最盛期です。
数株収穫してみました。蕾が隠れて見えません。


蕾側から。トウは花芽だけでなく茎や新葉と余すところなく食べられます。


花菜は柔らかくほのかな苦みがあります。独特の風味と食感が皆に好まれます。
癖がないので、お浸しはじめ和え物、炒め物、てんぷら、一夜漬けなど何にでも合います。ちなみに小生の好物は玉子とじ。
こちらは同じナバナ類の先陣を切ったアスパラ菜


気温が高いため、わき芽(子茎)の収穫は大部分進み、孫茎が伸びてきました。