里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

我が家の春の山菜④~葉ワサビ

2021年04月30日 | 山菜

葉ワサビを採るのにいい時期になりました。
葉ワサビの旬は花が咲いている時期。
ワサビの花は純白で実に小さく可憐な花です。ワサビの繊細さが分ろうというものです。
このワサビは元々あったものではなく、50年くらいも前に知人に数株植えて頂いたもの。


我が家からは離れた少々不便な山にあるため、日常的に行ける所ではありません。
北向きで立木に囲まれており、綺麗な湧き水が流れる細い沢になっています。
ワサビに適した環境だったようです。
除草をするくらいの管理で自然に増殖し、一面に広がりました。
根を太らす管理はしていないので、専ら葉ワサビとして利用します。
春になると、小さな白い花が一面に咲き、清々しい気分にさせられたものです。
葉ワサビが最も美味しいのは花の咲く時期。葉や茎が非常に柔らかい。
花が終わると、次第に葉や茎は硬くなってきます。


葉わさび漬けにして食べることが春の楽しみの一つです。
この辺りでワサビのある所は聞いたことがなく、多くの方に分けてあげるのが年中行事化していました。
それも今は昔。
当地方にまでイノシシが侵入するようになるとは思いもよりませんでした。
数年前にはとうとう壊滅状態に荒らされました。
わずかに残ったワサビが復活の兆しを見せていた矢先、一昨年10月の台風19号の豪雨災害。
それでも昨年よりはほんの僅か増えた気がしないでもありません。


昔のようなワサビの姿が復活することは望めませんが、旬を味わえるくらいのワサビは維持したい。
ほんの少しだけ採ってみました。


こちらは、かなり前に沢のワサビを裏山に植えてみたもの。側には椎茸のホダギがあります。


畑ワサビ化を試したのですが、わずかしか増えていません。
定着したところをみると、環境としては悪くないようです。


葉ワサビとして食することができるようにするにはもっと沢山植付ける必要があります。


沢ワサビは遠くにあるので、ここの花を確認して見に行くようにしています。
今年は4月半ばから花が咲き始めました。


僅かながらわさび漬けを作ってみました。
根から葉、茎、花すべて使えます。
細かく切って揉んだ後、熱湯を瞬時掛けます。手早くすることが大事です。
出汁醤油で瓶詰めした後、一晩置きました。


辛味が少し物足りなかったものの、軟らかく風味豊かで旨い。


トウモロコシ、サヤインゲン、カボチャの我流直播き

2021年04月29日 | 畑:豆類

トウモロコシ、蔓なしサヤインゲン、そしてカボチャの種まきをしました。
2、3日後と考えていましたが、雨予報のため前倒ししました。
良かったかどうか、裏目かもしれません。
我流の直播き法です。
2週間あまり前には、施肥、耕耘、畝立て、黒マルチまで終えています。


寒冷地のこの辺りでは、トウモロコシなどを直播きするのは5月半ば以降です。
それ以前では気温が低く、うまく発芽しません。
昔は、ハウスで苗を仕立て5月中下旬に植付けていました。
今はハウスも解体したため苗が作れません。
そこで、苗を仕立てず早播きしようと始めたのが我流の直播き法です。
これまで透明マルチを利用したり播き穴を深くするホールプラントなども実践しましたが、最終的に一番簡便な現在の方法に至っています。
まずはトウモロコシ。
品種は「ゴールドラッシュ」。
畝間1メートル、株間27センチ。
今年の種子は小粒傾向のため1カ所4粒播き。
通常のマルチ栽培では、播き穴や植え穴を丸形にカットしてから播くか植付けます。
それを我流直播き法では、指で強引にマルチに穴を開け、種をそのまま土に押し込みます。


この時注意するのは、穴を開けるのは小さく、種は少し離れるように、そして適度の覆土になるようにすることの3点。
発芽に必要なのは温度と水分。
播いた後は土がむき出しにならないような気持ちで。


発芽した後にマルチをカットし、葉を外に出してやります。


蔓なしサヤインゲン。
品種は例年の「さつきみどり2号」に加え、初めてカネコ種苗の「スーパーショット」という品種を試します。
畝間150センチ。
これと畝続きで、ネット支柱を立て蔓ありインゲンを播く関係で畝間が広い。
株間20センチ。
1カ所4粒播き。


トウモロコシと同じ要領で指で押し込みます。


種播き後。


昨年は畝間が広いことから2条にしましたが、やりにくいので1条に変えました。
その代わり株間を狭く、さらに2本仕立てにする予定です。


カボチャ。
品種は「九重栗」。
株間45センチ。
1カ所1粒蒔き。
同様の要領で種を押し込みます。


種播き後。


株間は1本仕立てにしても狭いくらいの株間です。


例年は間を間引いての2本仕立てです。
昨年は100%発芽だったため1本仕立てにしてみました。
今年も発芽状態を見てから決めます。

多少リスクのある種播き法です。
少し前倒ししたので不安があります。うまく発芽してくれるか。


我が家の春の山菜③~コシアブラの芽

2021年04月28日 | 山菜

コシアブラの芽は殆どタラの芽と同時期に採れます。
コシアブラはタラノキと同じウコギ科の植物で、新芽の見かけもタラの芽を細身にしたような感じと言えなくもない。


タラの芽と違い、コシアブラの芽にははっきりとした香り、独特の風味があります。
また、タラノキは林の周りや土手などに生えますが、コシアブラは普通の雑木と同様、林の中に生えます。


放置すれば10メートル以上の高木になります。


タラノキと同じように管理すれば毎年採りやすくできるのでしょう。
しかし、わざわざ林の中まで行って管理もできず、近くで容易に採れるものだけを採っています。

枝は軟らかく、引けば容易にしのる。


伐採すると途中から芽が吹いてきます。


どういうわけか、この辺りでは単にコシアブラと言えばコシアブラの芽のことを指します。
木の方がコシアブラの木です。
それも昔からコシアブラの木と言っていたわけではなく、普段は「削り花の木」と言われていました。
生花が少ない春の彼岸ごろ、木質の柔らかいコシアブラの枝を花びら形に削って色付けし、墓参り用の造花を作っていたからです。今も作られ販売もされています。
そもそも、この辺りではコシアブラの芽を食べる習慣はありませんでした。
「メホ」と呼んでごく一部の人は食していたようですが、普通に食べられるようになったのは近年です。


コシアブラの芽は山菜の女王と言われるらしい。
隣県の山形県が、そのように言い出したと聞きますが、真偽の程はどうなのか。
山形県の影響を受けていることは確かです。
ごく普通に林の中に生えている「削り花の木」が「山菜の女王」なのですから。
タラの芽は味にほとんど癖がなく嫌う人もあまり聞きません。
コシアブラの芽には独特の香りがあるので、好まない人もいるかもしれません。


右がタラの芽、左がコシアブラの芽。


小生は香り大好き人間なので、喜んで食します。
定番はやはり天ぷら。素揚げもいい。
山菜らしい独特の風味を味わえます。ただ、ボリューム感となると天然タラの芽にはかないません。


我が家の春の山菜②~タラの芽

2021年04月27日 | 山菜

1週間ほど前からタラの芽を採り始めました。
例年より早く、昨年並みです。
我が家で4月20日前から採り始める時は早い年です。
近隣では4月10日くらいから採った方もいるようです。採り方にもよりますが。
このくらいで採るのがボリューム感があって好みです。


当然のことながらタラの芽はタラノキから出る新芽のこと。
この辺りの野山にはタラノキはごく普通にあります。
これは自然に生えているタラノキ。


しかし、敢えて山歩きをして採ることはしません。
大概は刈り払いや剪定などの管理をして、群生化させたタラノキです。
もともと自生していたタラノキですが、周囲を綺麗にしてやると、地下茎が伸びて増殖し群生化してきます。
この辺りは1週間前から採れた場所。
少し開いてきたタラの芽があります。このくらいまでなら大丈夫。


日当たりの良いところや痩せ気味の木は早くから採れます。
タラノキの枝は1年で1メートルくらい伸びるので、放置しておくとどんどん大きくなり簡単には採れなくなってしまいます。
そこで、収穫後に剪定して下の方のわき芽を伸ばすようにします。そうすると毎年容易に採れる高さにすることができます。
これくらいが採り頃。


小さくても問題はありませんが、ボリュームのあった方が天然タラの芽本来の良さが味わえます。
このくらいでは少し物足りない感じで、もう少し大きくしたほうが良さそう。


スーパーなどに3月から出ているトレイ入りのタラの芽は、ハウスの中に伏せ込み栽培したものです。
枝に着いている全ての芽を吹かせるので非常に小さい。
栽培のタラの芽は別物といった方がいいでしょう。
天然のタラの芽は一番上の頂芽だけしか採りません。
たまに2番目の芽を採ることはありますが、よほど状態が良いものだけです。
ここが一番まとまっているメインのところ。


やや北向きにあり、青味が強い少し遅い系統のタラの芽です。
そろそろ採り始めようか思ったところ、すでに殆ど採られていました。


前日日中は全く手つかずだったので、おそらくは夜明け早朝の仕業。
残っているのは極々小さいものだけです。


数十本のタラの芽をたった数分で採れたのですから面白かったに違いありません。
採り跡が生々しい。


里山では獣害が多発していますが、頭の黒い動物も出没するようです。
しかし、このような管理しているタラの芽を盗られるは初めて。


こういった輩は悪いことをしたなどとは考えません。
してやったりとほくそ笑んだあげく、次のチャンスを狙っているから始末が悪い。
ここは諦め、気を取り直して他で少々。


タラの芽は山菜の王様と言われます。
タラの芽には味や香りといったものが殆どありません。何故好まれるのか。
不思議に思いながらも、やはりこの時期になると食べたくなる。
定番は天ぷら。素揚げも天然タラの芽らしい野趣を味わえます。


それにしても、未だ頭に上った血が収まらない。

プール育苗'21~追肥と入水

2021年04月26日 | 水稲プール育苗

水稲の育苗は種まきをして17日目。
始めは少し遅れ気味でしたが、その後は好天で生育順調。
現在では例年を上回る生育となっています。
これは2日前。


追肥を行いました。もう少し早くやった方が良かったかもしれません。
追肥は床土が見える状態になった時にやっています。
好天続きで、かなり減水しました。


追肥には硫安を使っています。
硫安は濃度障害を起こしやすいので勧められていませんが、我が家には昔購入した硫安が大分残っているため、プール育苗になってからも使い続けています。
ただし、昔の通常育苗の時は1箱当たり硫安現物で5g。
プール育苗になってからはその数分の1、硫安現物で1箱当たり1~1.5gです。
現物200gの硫安を100lの水に溶き、1箱500ccを目安にジョウロで灌注します。


肥料を灌注した後は軽く散水し、葉に付いている肥料を洗い落とします。


そのまま2日置き肥料分を床土に定着させます。


2日経ち、ここで入水します。
2日経っただけでも伸びたのが分ります。
本葉2枚目が完全に展開しました。


最初の入水から途中少しだけ水を補給しましたが、しっかりと入水するのは2回目です。


床土の上2センチくらいまで入水します。
入水の時間は水道の蛇口を目一杯開いて約30分でした。


もう一方のベットにも同様に入水。
こちらも入水時間は約30分。


これで追肥と入水は完了です。


この後は、常時床土の上まで水を保つように水を補給します。
床土が完全に水に覆われた状態を保つことで病気の予防効果が高まります。
それでも大概は数日に一度の入水で済みます。
少し伸びすぎの傾向にあるので、昼夜しっかりと換気するようにしたい。