里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

ソラマメに追肥土寄せし簡易な誘引

2025年03月16日 | 畑:豆類

ソラマメは越冬対策に不織布をべた掛けしています。
それを外して追肥土寄せし、さらに簡易な誘引も行いました。
品種は「河内一寸」。10月末日の直播き。
前年は暖冬のため異常なほど生育が進み過ぎ、べた掛けも大きく盛り上がりました。
そこで今作は例年より10日ほど遅く種を播きました。
省力の直播きなので発芽が一番の問題。しかも1粒播きのため当然不安があります。
但し、株間35㎝と狭くし、連続で欠株にならなければ枝数の調整で許容範囲と考えました。
発芽率15/19で79%という結果ながら連続欠株はありませんでした。
越冬対策に不織布をべた掛けする時点では生育の悪い株もあり、種を播く時期と方法に課題が残りました。
べた掛けの不織布はだぶだぶと緩く張っています。前年のように異常に盛り上がってはいません。


一見想定した程度のように見えますが、ソラマメはエンドウより低温障害を受けやすいことは分かっています。
今冬は前年と違い例年並みの寒さ、立春後は繰り返し寒波が襲来したので気温が低く不安があります。


べた掛けを外す目安は最低気温0℃、最高気温10℃の頃ながらサヤエンドウよりは心持ち遅め。当地方では3月半ばから春のお彼岸頃です。
前年はあまりに不織布が盛り上がり早めに外さざるを得ませんでした。今年は丁度のタイミングです。


前年は想定を遙かに超えるほどに伸びすぎましたが、今年は想定範囲。


しかし、生育の明らかに悪い株が何株かあります。越冬中に凍害などで枯死した株はありません。
昨年はすでに主枝に花が見えていました。今年はよくよく確認して辛うじて蕾が分かる程度。
当地ではあまり早すぎるとものにならないことが多いので、これで良しです。
連続の欠株はないもののこれではやや寂しい。雑草が少し出てきたのでざっと取りました。


現在は春播きソラマメの産地が北海道まで北上していますが、秋播きは当地方が北限と言われています。
昔は越冬に伴う障害で春になると多数の欠株が出るということがよくありました。
それを大きく改善したのが不織布をべた掛けする技術です。
大分生育にバラつきが出てしまいましたが、すでにわき芽が数本から多いものは10本近く出ています。
元の株間が狭い所と欠株になった所があるので何れ枝の調整をしてバランスをとるつもりです。
まずは追肥。


肥料が高騰しており節約のため在庫の硫安と苦土石灰を混合して畝の両肩に施用しました。
次に土寄せ。


少しばかりなので管理機は持ち出さず鍬だけで土寄せしました
土寄せは倒伏防止のためでもあるので、株元までがっちりと落ち葉もかまわずそのまま寄せてしまいます。


何れ倒伏防止対策をしなくてはいけないので、ここでついでに支柱も立ててしまうことにしました。
倒伏防止には所々に支柱を立て横にテープを張って支えにする簡易な誘引方法を行っています。


まだ丈が低いので地上20㎝くらいに株を囲むように横テープを張りました。


生長するに従いテープを上げながら本数を増やしていきます。



サヤエンドウに篠竹で支柱立て

2025年03月13日 | 畑:豆類

サヤエンドウに篠竹で支柱を立てました。
品種は例年作っている「赤花蔓ありえんどう」に加えかつて作ったことのある「はまかぜ」の2品種。
種播きは例年並の10月末日。12月10日過ぎに越冬対策のため不織布をべた掛けしています。


サヤエンドウは越冬中にも次第に生長するため不織布は緩くだぶだぶの状態に張っています。
べた掛けを剥ぐ時期の目安は最低気温が0℃、最高気温が10℃の頃。当地の平年の気温では3月半ば頃に当たります。
前年は暖冬で不織布が異常なほど盛り上がっておりやむを得ず早めに剥いでしまいました。
今年はそれほどにはなっていないようです。今冬は例年並みの寒さ、立春以降の気温はかなり低くなっています。
不織布をべた掛けする時点ではやや進んでいる感じでしたが、今はそれほどではなさそうです。
時期的にもほぼべた掛けを外すタイミングになっているので不織布を剥ぐことにします。
それほど茂ってはいませんでした。想定範囲内で例年並みと言ったところでしょうか。


こちらがいつも作っている「赤花蔓ありえんどう」。


こちらが大分前に作ったことのある「はまかぜ」。


「はまかぜ」は多少穫れるのが早かったような気がしますが、殆ど忘れています。
あまり違いはありませんが、「はまかぜ」の方が茎が赤みを帯び丈が少し伸びているようです。
少しハコベが伸びてきたのでざっと取りました。


前年は茂りすぎだったので追肥はせず土寄せだけしましたが、今年は通常通り両肩に速効性の化成肥料を施します。


機械は使わず茎葉を中央に寄せながら鍬で丁寧に土寄せしました。


次に篠竹で支柱を立てます。
篠竹は複数年使えます。採ったばかりの篠竹はむしろ使いにくいのであまり使ったことがありません。
前年に支柱にしたものでまだ使えるものと前年に採っておいたものを使います。
沢山作る場合はネット支柱にしますが、少ない場合は篠竹が便利。ほぼ0円で出来ます。
サヤエンドウを中心にして両側から篠竹を15㎝間隔くらいに3本ずつ立てます。計6本で1セット。


篠竹を頭上180㎝くらいで合掌に纏めテープで縛ります。


これで支柱立ては終わりです。


取り敢えずはこれだけで蔓が支柱に絡まりながら自然に伸びていきます。
しかし、このままだと何れ茎がはみ出て倒れるものが出てきます。
サヤエンドウが外に倒れるのを防ぐため立てた支柱に横竹を挟んでいきます。


いますぐやる必要もないのですが、早めにやるのにこしたことはありません。
篠竹はしのるので容易に挟むことができます。これが筋交いの役目も果たし支柱が丈夫になるメリットもあります。
これで一連の作業は完了です。


伸びるにしたがいまた横竹を挟み、少しずつ上げていきます。
但し、中段から上は合掌の幅が狭くなるのでテープを用いることになります。
当地でも今はネットを使用する人が多いと思いますが、里山には篠竹が豊富にあり、小生は昔ながらのこの方法を好んでやっています。


サヤエンドウとソラマメの越冬対策

2024年12月12日 | 畑:豆類

サヤエンドウとソラマメに越冬対策をしました。
昨年は暖かく生育が異常に進みましたが、今年は少々様相が違います。
11月下旬には氷点下2℃まで下がる日もありました。
12月に入ってさらに冬らしい寒さになっています。
こちらがサヤエンドウ。


種播きを遅らせようかと思いましたが、結局は例年並の10月末日に播きました。
品種は例年作っている「赤花蔓ありえんどう」と同じ赤花の「はまかぜ」の2品種。
発芽は非常に良好、発芽率はほぼ100%でした。
10日ほど前に間引きをし、全て2本立てにしています。
生育も順調で想定より若干進んでいますが、さすがに昨年のようにはなっていません。


品種による差は殆どありません。
年内に生育が進みすぎると耐寒性は弱くなるのでギリギリまで我慢です。
ある程度の低温にも当てないと耐寒性が付きません。


今年は11月下旬以降、しばしば降霜があり氷点下にもなっています。
越冬対策には不織布をベタ掛けしますが、被覆する目安は最低気温0℃の時期。
当地方のアメダスの平年値では12月の第2半旬、近年は気温が高い傾向があるので12月10日頃と思われます。
単発で氷点下になっても連続しなければ大丈夫。天気予報を確認しながら行います。
昨年は気温が高かったので遅らせましたが、今年は寒風も吹き頃合いと見ました。


良い天気かと思いきや突然の時雨に見舞われました。やはり冬の気候です。
防寒対策の前にまず害虫対策。
株元に粒状の殺虫剤を施します。


不織布で覆いをすると外から来る害虫予防には有効ながら内に虫がいればかえって増殖します。
豆類では第一にアブラムシ。ウィルスを媒介するので越冬前に付いているのはまずい。
ここで通常なら次は追肥ですが、今年は控えます。
これ以上生育を進みさせたくありません。前作の肥料の残効もありそうです。
次に土寄せ。
管理機は用いず鍬だけで行いました。時雨模様で土が濡れています。


切わらや落ち葉もかまわず寄せてしまいます。
特に根元が風でぐらつかないようしっかり土を寄せることが肝要。


次に防寒対策。
不織布をべた掛けします。


不織布を掛ける時には、ピンと張らずに余裕を持たせて張ります。
エンドウは不織布の中で徐々に生長します。支障ないよう緩く張ることが大事です。


昨年マルチ止めを使ってみたところ問題なかったので、今年もマルチ止めを使用します。
べた掛けはトンネル掛けよりも楽な上、風や雪も気にしなくて良いのが有り難い。
不織布のべた掛けをするようになり、越冬中に欠株や芯止まりになるようなことは殆どなくなりました。
昔は笹やわらなどで防寒対策に苦労しましたが、それでも十分ではありませんでした。
こちらはソラマメ。


品種は「河内一寸」。
当地方の主力品種は3粒莢の多い「打越一寸」や「緑陵西一寸」。
「河内一寸」は2粒莢が多いけれども粒が大きく種子が安価なので自家用向きです。
昨年はサヤエンドウ以上に生育が進み困ったので、今年はサヤエンドウと同日に播きました。
例年より10日ほど遅く、不安はありました。
それは省力の直播きだからで発芽が一番の問題になります。
本来なら発芽だけはさせてから植えるか補植用の予備苗を準備しておくのが王道です。
そこで粒数を数え株間35㎝と狭くし、1粒播きにしました。
連続の欠株にならなければ許容範囲です。発芽が良ければ枝数を制限することにしました。
さすがに10日の遅播きは不安定のようです。エンドウとは大分違います。
ここは1株が欠けています。


結果は発芽率15/19、79%でした。幸い連続欠株はありません。
種播きの課題は残りました。
普通に発芽したものはちょうど良いくらいか。早いものは分枝が始まっています。


葉の一部が黒変したり変形したものがあります。11月下旬に-2℃まで下がった降霜の被害です。


エンドウよりソラマメが低温には弱いことが分かります。この程度なら問題になりません。
株元に粒状殺虫剤を施します。


ソラマメはエンドウよりもさらにアブラムシが付きやすくウイルスにも弱い。
こちらも追肥は控え春の追肥のみにすることにしました。
根元がぐらつかないようしっかりと土寄せ。


沢山の落ち葉もかまわず寄せてしまいます。


不織布をべた掛け。


やり方はサヤエンドウと同様です。


昔から秋播きソラマメは当地方が北限とされてきました。
今年の降霜でも分かるようにソラマメはエンドウよりも寒害に弱い。昔は欠株や芯止まりがよく出ました。
雪腐れと言われ春になると半分しか残っていないといったこともままありました。
実際には強い北西風で傷がつきそこから雑菌が入り腐ったと言われています。
不織布のべた掛けをするようになり見違えるほど改善されました。


サヤエンドウとソラマメの種を播く

2024年11月01日 | 畑:豆類

サヤエンドウとソラマメの種を播きました。
サヤエンドウは例年並、ソラマメは10日ほど遅い。寒冷地では種播きの時期は重要です。
遅れると発芽が揃わず生育も悪くなり、早すぎると生育が進みすぎ凍害を受けやすくなります。
まずはサヤエンドウ。
当地の適期は10月末から11月早々。
昨年伸びすぎたので遅らせようかと思いましたが、やはり発芽が心配で例年どおりに。
トマトを強制終了させ、急いで施肥耕耘したので数日しか経っていません。
苦土石灰を全面、緩効性肥料を数十㎝幅に帯状散布しています。
僅かしか間を置いていないので多少の不安があります。
種播き前に再びロータリー耕耘。
肥料を帯状散布した中央位置に目印線を付けます。


管理機で畝立て。


粘土質土壌なので逆転ロータで土が出来るだけ細かくなることを期待。


鍬でならします。後に土寄せや支柱立てをするため低めの畝に仕上げます。


品種は例年作っている「赤花蔓ありえんどう」に加え「はまかぜ」の2品種。
「はまかぜ」はたまたま馴染みの農業資材店で見かけ作ってみることに。
昔作ったことがあり、赤花で早生だったと記憶しています。
これが「赤花蔓ありえんどう」の種。青いのは種子消毒済みだからです。


小さなドリンク瓶で播き穴を付けます。株間25㎝とやや狭め。
1カ所3粒播き。


後に2本立てにします。1本の発芽でも可なので2粒播きも可能ながら3粒播きが安心。
種を少し土に押し込むようにし安定させます。
クワで小生流の覆土をし、軽く鎮圧。


これが「はまかぜ」の種。


小さくあまりに頼りないので4粒播きにしました。
薄く切りわらを掛けました。乾燥防止と土の固まるのを抑えます。


こちらはソラマメ。


近年、冬越しまでに伸びすぎて困るため、例年になく種播きを遅らせました。
直播きなのでリスクがあり不安ではあります。
品種は「河内一寸」。
当地方の主力品種は「打越一寸」で、最近は「緑陵西一寸」が増えています。
出荷用には3粒莢の多い品種が優先されます。
「河内一寸」は3粒莢は少なく2粒莢が多いため出荷用には不利。
但し、粒が大きく種子が安価なので自家用向きです。


粒数の関係で株間35㎝と狭くし、1粒播きです。
仮に欠株が出ても連続でなければ許容範囲。発芽が良ければ枝数を調整します。
サヤエンドウと同じように畝立てし、播き穴を付けお歯黒を斜め下にし差し込みます。


ポット播きなら種の一部が出たままで可ですが、直播きでは薄く覆土。


切りわらを掛けて終了です。


上手く発芽してくれることを祈るのみ。


蔓ありサヤインゲンは「ケンタッキー101」が優勢

2024年09月16日 | 畑:豆類

蔓ありサヤインゲンは7月末から穫り始め、8月早々に収穫盛りに。
一旦はピークを過ぎたものの樹勢は旺盛で、わき芽も伸びています。
ネット栽培しており、品種は2品種。右が「ケンタッキー101」、左が「ケンタッキーカンサス」。


何れもほぼ2本立てにしています。
ここ4年ほど作った品種「いちず」が長期収穫は困難と見定め、従来作っていたケンタッキーワンダー系の品種に戻したもの。
「いちず」が芯止めする必要がなかったため、何となく芯止めのタイミングを逃してしまいました。
しかし、そのまま伸ばし放任してしまったのはよくありませんでした。
樹勢が旺盛なので、やはり支柱頂点付近で摘芯すべきでした。
これがタキイ種苗「ケンタッキー101」。


明らかに伸びが早く旺盛です。
高温乾燥にも強く、葉焼けの症状もほとんど見られません。


わき芽も伸びてきました。


しかし、これでは混みすぎで1本立てにするか株間を広げるかする必要があるようです。
大きなピークの後、穫れ具合が落ちましたが、再び盛り返してきました。


長期収穫が目標なので、ばか穫れするよりだらだらと長く成り続けてくれた方が良い。
考えてみると暫く典型的なケンタッキーワンダーを作っていませんでした。
この品種は結構古い品種なのですが、実際作るのは初めてです。


小生はこの品種を丸莢としか思っていませんでしたが、タキイ種苗では丸平莢と分類しています。
我が家で昔から蔓ありインゲンと言えばこのタイプでした。
当地では年配者なら一様に「オヤコササギ」若しくは「オヤコウコウ」です。
これがタカヤマシードの「ケンタッキーカンサス」。


数年前まで暫くこの品種を作っていました。
「いちず」よりは遙かに樹勢は強いものの「ケンタッキー101」ほどではありません。
日照りの気候で葉焼けも出ています。


それでもわき芽は伸び成っています。


こちらはいわゆる丸莢で、よく比べて見れば「ケンタッキー101」とは違います。


助っ人は「ケンタッキー101」が明らかに多く穫れ、形も良いと言っています。
我が家の分と主に「ケンタッキー101」を置いていきました。


右が「ケンタッキー101」、左が「ケンタッキーカンサス」。


「ケンタッキー101」が丸平莢と分類される意味が理解できます。
軟らかさでも「ケンタッキー101」の方が優勢のようです。
もっとも、依然助っ人以外に違いに気付く人間はいません。