里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

サヤエンドウとソラマメの越冬対策

2024年12月12日 | 畑:豆類

サヤエンドウとソラマメに越冬対策をしました。
昨年は暖かく生育が異常に進みましたが、今年は少々様相が違います。
11月下旬には氷点下2℃まで下がる日もありました。
12月に入ってさらに冬らしい寒さになっています。
こちらがサヤエンドウ。


種播きを遅らせようかと思いましたが、結局は例年並の10月末日に播きました。
品種は例年作っている「赤花蔓ありえんどう」と同じ赤花の「はまかぜ」の2品種。
発芽は非常に良好、発芽率はほぼ100%でした。
10日ほど前に間引きをし、全て2本立てにしています。
生育も順調で想定より若干進んでいますが、さすがに昨年のようにはなっていません。


品種による差は殆どありません。
年内に生育が進みすぎると耐寒性は弱くなるのでギリギリまで我慢です。
ある程度の低温にも当てないと耐寒性が付きません。


今年は11月下旬以降、しばしば降霜があり氷点下にもなっています。
越冬対策には不織布をベタ掛けしますが、被覆する目安は最低気温0℃の時期。
当地方のアメダスの平年値では12月の第2半旬、近年は気温が高い傾向があるので12月10日頃と思われます。
単発で氷点下になっても連続しなければ大丈夫。天気予報を確認しながら行います。
昨年は気温が高かったので遅らせましたが、今年は寒風も吹き頃合いと見ました。


良い天気かと思いきや突然の時雨に見舞われました。やはり冬の気候です。
防寒対策の前にまず害虫対策。
株元に粒状の殺虫剤を施します。


不織布で覆いをすると外から来る害虫予防には有効ながら内に虫がいればかえって増殖します。
豆類では第一にアブラムシ。ウィルスを媒介するので越冬前に付いているのはまずい。
ここで通常なら次は追肥ですが、今年は控えます。
これ以上生育を進みさせたくありません。前作の肥料の残効もありそうです。
次に土寄せ。
管理機は用いず鍬だけで行いました。時雨模様で土が濡れています。


切わらや落ち葉もかまわず寄せてしまいます。
特に根元が風でぐらつかないようしっかり土を寄せることが肝要。


次に防寒対策。
不織布をべた掛けします。


不織布を掛ける時には、ピンと張らずに余裕を持たせて張ります。
エンドウは不織布の中で徐々に生長します。支障ないよう緩く張ることが大事です。


昨年マルチ止めを使ってみたところ問題なかったので、今年もマルチ止めを使用します。
べた掛けはトンネル掛けよりも楽な上、風や雪も気にしなくて良いのが有り難い。
不織布のべた掛けをするようになり、越冬中に欠株や芯止まりになるようなことは殆どなくなりました。
昔は笹やわらなどで防寒対策に苦労しましたが、それでも十分ではありませんでした。
こちらはソラマメ。


品種は「河内一寸」。
当地方の主力品種は3粒莢の多い「打越一寸」や「緑陵西一寸」。
「河内一寸」は2粒莢が多いけれども粒が大きく種子が安価なので自家用向きです。
昨年はサヤエンドウ以上に生育が進み困ったので、今年はサヤエンドウと同日に播きました。
例年より10日ほど遅く、不安はありました。
それは省力の直播きだからで発芽が一番の問題になります。
本来なら発芽だけはさせてから植えるか補植用の予備苗を準備しておくのが王道です。
そこで粒数を数え株間35㎝と狭くし、1粒播きにしました。
連続の欠株にならなければ許容範囲です。発芽が良ければ枝数を制限することにしました。
さすがに10日の遅播きは不安定のようです。エンドウとは大分違います。
ここは1株が欠けています。


結果は発芽率15/19、79%でした。幸い連続欠株はありません。
種播きの課題は残りました。
普通に発芽したものはちょうど良いくらいか。早いものは分枝が始まっています。


葉の一部が黒変したり変形したものがあります。11月下旬に-2℃まで下がった降霜の被害です。


エンドウよりソラマメが低温には弱いことが分かります。この程度なら問題になりません。
株元に粒状殺虫剤を施します。


ソラマメはエンドウよりもさらにアブラムシが付きやすくウイルスにも弱い。
こちらも追肥は控え春の追肥のみにすることにしました。
根元がぐらつかないようしっかりと土寄せ。


沢山の落ち葉もかまわず寄せてしまいます。


不織布をべた掛け。


やり方はサヤエンドウと同様です。


昔から秋播きソラマメは当地方が北限とされてきました。
今年の降霜でも分かるようにソラマメはエンドウよりも寒害に弱い。昔は欠株や芯止まりがよく出ました。
雪腐れと言われ春になると半分しか残っていないといったこともままありました。
実際には強い北西風で傷がつきそこから雑菌が入り腐ったと言われています。
不織布のべた掛けをするようになり見違えるほど改善されました。


サヤエンドウとソラマメの種を播く

2024年11月01日 | 畑:豆類

サヤエンドウとソラマメの種を播きました。
サヤエンドウは例年並、ソラマメは10日ほど遅い。寒冷地では種播きの時期は重要です。
遅れると発芽が揃わず生育も悪くなり、早すぎると生育が進みすぎ凍害を受けやすくなります。
まずはサヤエンドウ。
当地の適期は10月末から11月早々。
昨年伸びすぎたので遅らせようかと思いましたが、やはり発芽が心配で例年どおりに。
トマトを強制終了させ、急いで施肥耕耘したので数日しか経っていません。
苦土石灰を全面、緩効性肥料を数十㎝幅に帯状散布しています。
僅かしか間を置いていないので多少の不安があります。
種播き前に再びロータリー耕耘。
肥料を帯状散布した中央位置に目印線を付けます。


管理機で畝立て。


粘土質土壌なので逆転ロータで土が出来るだけ細かくなることを期待。


鍬でならします。後に土寄せや支柱立てをするため低めの畝に仕上げます。


品種は例年作っている「赤花蔓ありえんどう」に加え「はまかぜ」の2品種。
「はまかぜ」はたまたま馴染みの農業資材店で見かけ作ってみることに。
昔作ったことがあり、赤花で早生だったと記憶しています。
これが「赤花蔓ありえんどう」の種。青いのは種子消毒済みだからです。


小さなドリンク瓶で播き穴を付けます。株間25㎝とやや狭め。
1カ所3粒播き。


後に2本立てにします。1本の発芽でも可なので2粒播きも可能ながら3粒播きが安心。
種を少し土に押し込むようにし安定させます。
クワで小生流の覆土をし、軽く鎮圧。


これが「はまかぜ」の種。


小さくあまりに頼りないので4粒播きにしました。
薄く切りわらを掛けました。乾燥防止と土の固まるのを抑えます。


こちらはソラマメ。


近年、冬越しまでに伸びすぎて困るため、例年になく種播きを遅らせました。
直播きなのでリスクがあり不安ではあります。
品種は「河内一寸」。
当地方の主力品種は「打越一寸」で、最近は「緑陵西一寸」が増えています。
出荷用には3粒莢の多い品種が優先されます。
「河内一寸」は3粒莢は少なく2粒莢が多いため出荷用には不利。
但し、粒が大きく種子が安価なので自家用向きです。


粒数の関係で株間35㎝と狭くし、1粒播きです。
仮に欠株が出ても連続でなければ許容範囲。発芽が良ければ枝数を調整します。
サヤエンドウと同じように畝立てし、播き穴を付けお歯黒を斜め下にし差し込みます。


ポット播きなら種の一部が出たままで可ですが、直播きでは薄く覆土。


切りわらを掛けて終了です。


上手く発芽してくれることを祈るのみ。


蔓ありサヤインゲンは「ケンタッキー101」が優勢

2024年09月16日 | 畑:豆類

蔓ありサヤインゲンは7月末から穫り始め、8月早々に収穫盛りに。
一旦はピークを過ぎたものの樹勢は旺盛で、わき芽も伸びています。
ネット栽培しており、品種は2品種。右が「ケンタッキー101」、左が「ケンタッキーカンサス」。


何れもほぼ2本立てにしています。
ここ4年ほど作った品種「いちず」が長期収穫は困難と見定め、従来作っていたケンタッキーワンダー系の品種に戻したもの。
「いちず」が芯止めする必要がなかったため、何となく芯止めのタイミングを逃してしまいました。
しかし、そのまま伸ばし放任してしまったのはよくありませんでした。
樹勢が旺盛なので、やはり支柱頂点付近で摘芯すべきでした。
これがタキイ種苗「ケンタッキー101」。


明らかに伸びが早く旺盛です。
高温乾燥にも強く、葉焼けの症状もほとんど見られません。


わき芽も伸びてきました。


しかし、これでは混みすぎで1本立てにするか株間を広げるかする必要があるようです。
大きなピークの後、穫れ具合が落ちましたが、再び盛り返してきました。


長期収穫が目標なので、ばか穫れするよりだらだらと長く成り続けてくれた方が良い。
考えてみると暫く典型的なケンタッキーワンダーを作っていませんでした。
この品種は結構古い品種なのですが、実際作るのは初めてです。


小生はこの品種を丸莢としか思っていませんでしたが、タキイ種苗では丸平莢と分類しています。
我が家で昔から蔓ありインゲンと言えばこのタイプでした。
当地では年配者なら一様に「オヤコササギ」若しくは「オヤコウコウ」です。
これがタカヤマシードの「ケンタッキーカンサス」。


数年前まで暫くこの品種を作っていました。
「いちず」よりは遙かに樹勢は強いものの「ケンタッキー101」ほどではありません。
日照りの気候で葉焼けも出ています。


それでもわき芽は伸び成っています。


こちらはいわゆる丸莢で、よく比べて見れば「ケンタッキー101」とは違います。


助っ人は「ケンタッキー101」が明らかに多く穫れ、形も良いと言っています。
我が家の分と主に「ケンタッキー101」を置いていきました。


右が「ケンタッキー101」、左が「ケンタッキーカンサス」。


「ケンタッキー101」が丸平莢と分類される意味が理解できます。
軟らかさでも「ケンタッキー101」の方が優勢のようです。
もっとも、依然助っ人以外に違いに気付く人間はいません。


蔓ありサヤインゲン「ケンタッキー101」と「ケンタッキーカンサス」

2024年08月18日 | 畑:豆類

当地、台風7号は大きな爪跡を残さず通り過ぎてくれたので幸いでした。
しかし、盆中から度々強い雨が続きトータルでは100ミリを超え、それまでカラカラだった畑は一転ズボズボです。
蔓ありサヤインゲンは7月末から穫り始めました。
ゆっくり長く穫りたいと思っていたところですが、気温が高く一気に盛りとなりました。
一旦はピークを過ぎたようです。
品種は2品種。右が「ケンタッキー101」、左が「ケンタッキーカンサス」。


種播きは6月10日と今年はやや遅め。
「いちず」と言う品種を4年ほど作ってきましたが、一気に成り込むものの短命。
半蔓性に分類されることからも分るように樹勢が弱く、長期収穫は無理と結論づけました。
今年は従来作っていたケンタッキーワンダー系の品種に戻したところです。
何れもほぼ2本立てになっています。
「いちず」が芯止めする必要がなかったことからこちらも芯止めのタイミングを逃しました。
そのまま伸ばし放任したため完全にトンネル状態になっています。


これがタキイ種苗「ケンタッキー101」。


こちらの方が伸びが早く、旺盛に茂ります。
当地は一言で言うと空梅雨日照りの環境でしたが、葉焼けは僅か耐暑性もあるようです。
但し、2本立てで少々混みすぎ、ピンチもしなかったためかわき芽の伸びは遅い感じです。


一旦盛りが過ぎた後どのくらい続くかが問題です。
タキイ種苗ではこの品種を丸平莢と分類しています。
生育の仕方や莢の形は典型的なケンタッキーワンダー型と言えるでしょう。


考えてみれば、この典型的なケンタッキーワンダー型のサヤインゲンを暫く作っていませんでした。
感覚的に馴染みが薄くなっていたのかもしれません。
これがタカヤマシードの「ケンタッキーカンサス」。


「いちず」の前は主にこの品種を作っていました。
「ケンタッキー101」より生長はやや遅く、穫れ始めも数日遅い。
一見「ケンタッキー101」ほど樹勢は強くありません。


しかし、バランスは取れており、「ケンタッキー101」の樹勢が強すぎるのかもしれません。
莢は丸莢で整っています。近年はこの形に馴染んでいたようです。


評価はこの先の持ち方次第です。
収穫したもの。右が「ケンタッキー101」、左が「ケンタッキーカンサス」。


莢の違いを見るため数本で比べてみます。
右が「ケンタッキー101」、左が「ケンタッキーカンサス」。


小生は何れも丸莢としてきました。インゲンの莢を平莢と丸莢としか区別してこなかったのです。
一緒にしても気付く人は少ないでしょう。
しかし、タキイで丸平莢と分類しているのも確かに頷けます。比べれば明らかに違いがあります。
我が家でかつて作っていた蔓ありサヤインゲンは丸平莢と言うのが正確なのかもしれません。
近年は専ら丸莢なので次第に食感はそちらに馴染んできました。
今のところ助っ人以外に違いに気付く人間はいません。


トウモロコシはお盆では穫り遅れ、エダマメはピッタリ

2024年08月16日 | 畑:豆類

我が家ではトウモロコシを2回に播いています。
1回目に播いたトウモロコシは気温が高かったため想定よりも成熟が進み7月いっぱい掛からず穫り終えました。
メインは2回目のお盆用に播いているトウモロコシ。獣害対策に不織布で囲っています。


品種は1回目と同様「ゴールドラッシュ」。
昨年も気温が高く生育が進み、お盆の時には大半終わってしまったので、今年は少し遅らせました。
例年は当地の気候を考慮し、若干早めに播くのですが、今年は標準通りに逆算して播きました。
それでも気温が平年を大きく上回り、7月半ば過ぎには絹糸が出始めました。
但し、南北の畝で手前と奥で数日のずれがありました。
トウモロコシは中型の扱いやすい穂を多く穫ることを目標にしています。
そのため畝間、株間を広めにし、2本立てにしています。
1回目のトウモロコシは2本立てが7割くらいでしたが、今回は2本立てが100%です。


サカタのタネによると「ゴールドラッシュ」の収穫適期の標準は、播種後84日、絹糸が出て20~24日、積算温度で450℃となっています。



このとおりなら8月20日頃に絹糸が出たものは概ね当たりそうです。
しかし、今年も昨年と同様気温が高い。
当地の7月半ばからの平均気温は昨年ほどではないものの平年より3℃余り高いようです。
つまり絹糸が出てから標準の日数より3、4日早まる計算になります。


残念ながら今年もまたお盆では適期が過ぎてしまいました。
絹糸の出方に数日のズレがあるので、お盆の10日前くらいから穂をチェックしながら穫ることにしました。


まずは絹糸が黒く変色し、穂にしっかりした手応えがあること。


穂の頭のところの皮を少しだけ剥いてみれば確実。


先まで実が詰まり黄ばんでいれば大丈夫。
助っ人にはお盆の数日前を中心に穫るよう図りました。
これはお盆の直前に穫ったもの。まずまずのように見えますが、やはり若干遅れ気味です。虫食いは殆どありません。


大きさは目標にしている高齢者や子供にも手頃な中型が主でした。
朝穫りには拘っていませんが、穫ったら直ちに茹でます。少し穫り遅れ気味ながらも甘味は十分。
若干お盆まで残ったものがありますが、やはり穫り遅れで過熟気味。食感がよくありません。
こちらは、小生が準備しておいたマルチ畝に若手助っ人が播いたエダマメ。


自ら作ってみることは大いに良いことなので応援しています。
中早生種の「湯あがり娘」で5月末の種播き。
こちらはお盆にピッタリでした。なかなか美味しいエダマメです。


こちらは晩生種の「秘伝」。


花が咲き始まったところながら茂りすぎで前途多難か。