里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

プール育苗'24~田植え開始

2024年05月05日 | 水稲プール育苗

田植えを開始しました。
予定を一日前倒ししてのスタートとなりました。
僅かばかりなのでトラブルさえなければ2日で余裕で終了できます。
メインは2日目、1日目は機械の試運転を兼ねて行います。一人作業のつもりでしたが、途中から助っ人2人の応援がありました。
好天で暑いくらいの田植え日和でした。
プールは前日に落水しています。根の状態を見ると、例年通り白い根がびっしりと張っていることが確認できます。


運搬や積み込みなどの際に苗箱を落とすようなことあっても、根崩れするようなことがありません。扱いが非常に楽です。
植付け前に、苗箱用の薬剤を散布します。


この薬剤は今年4年目になるでしょうか。十分効果があるようです。
1㎏で20箱分。散布した後に軽く散水して薬剤を床土に定着させます。


通路が広いので、苗床から一輪車に直接積み込みます。


近くの田んぼまで一輪車で運びます。植え付け開始前に畦に苗箱を適当な間隔に並べておきます。


植え付け開始です。


スピードは超が付くほど遅い。エンジン出力が低いので何ともなりません。
しかし、トラブルはなく順調に作業は進みました。


ここで助っ人が応援に来ました。
初日は一人作業のつもりで始めましたが、手伝いがいると作業はぐんとはかどります。何と言っても体が楽。


1枚目の田んぼが終了し、さらに田んぼ2枚に植付けしました。
助っ人の応援があったおかげで1日目の予定をオーバーして植付けました。


プール育苗'24~プールの落水

2024年05月04日 | 水稲プール育苗

間もなく田植えです。天候を考えて一日前倒しすることになりました。
ここでプールの落水をします。


プール育苗は順調です。
かなり茂っているように見えますが、徒長しているわけではありません。
ハウスを昼夜開放し換気していたので、草丈は15㎝程度です。
通常、プールには常時培土の上まで水を入れています。
そのため田植えまでそのままにすると苗箱は重く、水が滴り扱いにくい。
そこでプール育苗では田植えの2日前くらいに落水するのが一般的です。
但し、我が家で落水するのは大概田植え前日です。
それは我が家の田植機の性能が悪いため。床土が乾くと苗がスムーズに落ちなくなるのです。
特に好天の日は田んぼに苗を運んで置いておくと思いのほか早く乾いてしまいます。
落水するのは甚だ容易。プールの奥の方の木枠を1枚外すだけです。


まだ水は床土の表面くらいまで掛かっていますが、この短い板一枚外すだけです。


外しました。


あっという間もなく水は抜けてしまいます。


取りあえずは片側のプールを落水。


もう一方のプールは作業の進み具合を見ながら落水します。
これまでも機械のトラブル以外に予期せぬことで作業が中断せざるを得ないことはありました。
しかし、田植えを延期する場合でも木枠1枚を戻しプールに水を入れ直すだけなので容易に復旧可能です。
プール育苗は、入水も都合の良い時間に数日に一度、ハウスも解放したままと管理が楽です。
苗の生育が綺麗に揃い、これまで生育不良になったことはなく、今年も良好です。

プール育苗'24~追肥し再び入水

2024年04月26日 | 水稲プール育苗

プール育苗の苗は種播き後16日目となります。
2日前に追肥を行いました。これはその時のもの。


生育は順調。本葉2枚目がほぼ展開しました。
入水開始時に1枚でしたから5日でほぼ1枚生長したことになります。
追肥をする前に苗箱を反転しました。ハウスの南側サイド近くの1列です。
この左端のサイド近くの部分。ここは気温が少し低くなるため伸びが若干悪くなります。


殆ど気にする必要のない程度ながらも、僅かばかりなので苗箱を反転させ生育を揃えることにしました。
これが反転後。分りにくいかもしれませんが、反転前とは逆に左側苗箱の左端の方に伸びた苗がきています。


ついでに北側サイドのベット1列も同様に反転しました。これでより生育が揃うようになるでしょう。
そして、追肥。
培土の表面が見えるまで水が減ってきたので追肥するのによいタイミングです。


追肥するには床土が見えるくらいに水が少なくなっている方が肥料が定着しやすいと思われます。
苗も本葉2枚と丁度良いタイミングです。
プール育苗では液肥が推奨されていますが、我が家では在庫がある硫安を使用しています。
但し、硫安は濃度障害を起こしやすいのでごく薄くして用います。
一般の育苗の追肥では1箱当たり硫安現物で5gですが、その1/3以下の1.5g。
タンクの水100ℓに硫安現物300gを溶かし、1箱500ccを目安にジョウロで灌注します。


このジョウロは10ℓなので20箱分が目安です。
灌注後は軽く散水し、葉に付いた肥料分を洗い落とします。
そのままの状態で2日。これで肥料も床土に定着したでしょう。


プールの水もほぼ無くなりました。ここで再び入水します。


水の深さは床土の上2㎝くらいまでが目安です。


入水時間は蛇口を目一杯開いて約35分。その間は別の作業をしていました。


ベットもほぼ均平で苗も伸びてきたため水の深さをそれほど気にする必要はなくなりました。


もう一方のベットにも入水。こちらの入水時間は40分弱でした。


これで追肥と2度目の入水は完了です。
この後は、常時床土の上まで水を保つように入水します。
仮にプールに水が無くなるようなことがあっても床土には十分に水が残っているので2、3日は大丈夫です。
但し、床土を水に覆われた状態に保つと病害発生の予防効果があるとされているのです。
それでも特別なアクシデントが起こらない限り、数日に一度の入水で十分です。
しかも時間は何時でも可。勤め人稼業時代も灌水で苦労したことは一度もありません。
追肥から2日経っただけですが、さらに生長したのが分ります。


プール育苗は水に保温効果があるため伸びやすいのでハウスは昼夜解放したままにします。
通常の育苗で行う毎日の灌水やハウスの開け閉めから開放されるのがプール育苗の大きなメリットです。




プール育苗'24~入水を始める

2024年04月19日 | 水稲プール育苗

プール育苗の種播きをして9日目です。
順調に生育し、プールに入水を始めました。
掛けていたシルバーポリトウを剥ぎます。


その下に掛けていた不織布(ラブシート)を剥ぎます。
シートが少し盛り上がっています。不織布越しからも緑が感じられます。


急に強い直射が当たると葉焼けを起こしやすいので、ラブシートはまず片側のベットだけ外します。
一方のベットはそのままにしておきます。


うまく発芽が揃いました。


本葉1枚目が展開したところです。入水を始めるのにちょうど良いタイミングです。
年によってはここでも覆土の補充をすることもありますが、今年は必要ないようです。
例年、生育が若干遅れ気味になりやすいのが南側ベットのサイド近く。この苗箱の左端辺りです。


東西向きの育苗ハウスのため南側サイドの近くは気温が低くなりやすいのです。
そのため苗の生育を揃えるため苗箱を反転させて調整しています。
今年はあまり差が見られなかったので、もう少し様子を見てから考えることにします。
いよいよ、プールに入水を始めます。


ホースの口のところに付けている金具はホースを動かないよう重しにしているものです。
入水は全ての育苗箱の上に水が上がるまで行います。
通常は最初の入水を培土の表面以下とすることが多いようですが、我が家では培土が完全に隠れるまでです。
培土を水で覆うことで病害の予防に効果があるとされています。
均平はとれているはずですが、高低差がゼロと言うことはありません。
そこで入水の目安は、一番深いところで苗が水没しないこと、同時に一番浅いところで苗箱の上まで水が上がること。
この辺りがベットの一番高いところと見えます。箱の縁まで水が上がっているかを注視します。


全ての箱の上まで水が上がり、且つ水没しているところのないことを確認しました。ここで入水を止めます。


もう一方のベットもラブシートを剥ぎ、同様に入水を始めます。


こちらのベットも目安の高さまで入水しました。


特に大きな問題はなく、最初の入水は完了しました。


入水時間は水道の蛇口全開で両ベットとも30分弱でした。
通常なら2回目の入水は数日後です。但し漏水などに注意する必要はあります。
プール育苗は水の保温効果があるため普通の育苗より苗が伸びやすくなります。
そのため、ハウスのサイドビニールは大雨や暴風などの異常な天候でなければ昼夜解放するのが基本です。


プール育苗では普通の育苗で行う毎日のビニールの開閉や灌水をする必要がありません。
周囲でもプール育苗は年々増えています。



プール育苗'24~薬剤を灌注し覆土を補充

2024年04月16日 | 水稲プール育苗

プール育苗の稲は種播きをして6日目になります。発芽が揃いました。
ここで薬剤を灌注し、覆土を補充します。
好天なので屋根には遮光シートを掛けておきます。


まずシルバーポリトーを剥ぎます。


シルバーポリトーはもう一度掛け直すのでハウスの両サイドに寄せておきます。
不織布(ラブシート)を剥ぎます。


発芽はよく揃いました。


我が家は無加温育苗なので発芽が一番心配になるところです。まずは一安心です。
天候もまずまずでしたが、完全に芽出しをした効果が発揮されています。
ただ無加温育苗の場合、発芽時に覆土が持ち上ることが多い。
そこで土の持ち上がりを抑えるのを兼ねて薬剤の灌注を行います。
普通、薬剤の灌注は種播き時に行います。しかし、灌水量との調整が難しいので発芽を確認してから行っています。
使用するのはタチガレン液剤。


500倍液を1箱当たり500CC。箱数が少ないのでジョウロで灌注します。
10ℓのジョウロなので、1回で20箱分です。


灌注をすると、土が落ち着くので覆土の薄いところはこのように種籾が見えてきます。


種籾が見えなくなるように覆土の補充を行います。
これが覆土補充後。


今回、覆土を補充したのはわずかでした。
日が経ち苗が伸びてくると分らなくなるので気にすることもないのですが、安心料です。
これで薬剤灌注と覆土補充の作業は終了です。
再びラブシートを掛け直します。


シルバーポリトーを掛け直します。


本葉1枚が展開するまでこの状態を保ちます。
天候にもよりますが、3日くらいでしょう。

プール育苗'24~種播き

2024年04月10日 | 水稲プール育苗

プール育苗の種播きをしました。
プール育苗を始めた当初は毎年多少の変更をしましたが、もう10数年基本的なことは変わりありません。
前日までに苗箱はプールに並べてあります。
種播き当日は早朝に準備を始めます。それは種籾の準備に多少の時間が必要だからです。
芽出しをしていた種籾をタンクから引き上げ水を切り、ゴザに広げて水気を取ります。


このために若干の時間を要します。但し、乾かす必要はなく播きやすい程度に水分が取れれば良しです。
種籾は前日夕方には大方芽が出ているのを確認しています。
一晩経って、目安通り完全な100%芽出しの状態になっています。


無加温育苗では発芽が一番の問題ですが、完全に芽出しがされていればまず発芽不良になることはありません。
普通は鳩胸程度が基本とされています。器械播きなら多少心配になるところですが、手播きなので支障はありません。
播種量は1箱当たり乾籾で120~130g。催芽籾で約230CC。
ただこれでは分りにくいので、我が家では1升マスで測り、それで7箱半を目安にしています。


種播き前に苗箱に軽く散水。これは灌水ではなく土の表面を僅か湿らせ播き具合を見やすくするためのものです。


種播きは手作業で行います。
並べてから播く方は少ないと思いますが、我が家ではプール育苗をする以前、30年以上前からこのやり方です。
記憶も曖昧になるくらい昔の話しながら手動の器械を使っていたことがあります。
器械を使うには3人は必要になります。しかし、手播きなら一人でもできます。
1枚ごとに仕上げるのではなく、目安の枚数を少し薄めに播き、その後補正するようにして仕上げます。
この程度で目安の播種量です。


手播きなので当然箱からはみ出る籾が出ますが、あまり気にしなくて大丈夫。問題になったこともありません。
これで半分。ほどなく助っ人が応援に来てくれました。


順調に播き方は終了。


次は灌水です。
これが最も気を遣います。発芽するまではプールに水を張ってはいけません。
発芽が揃いシートを剥ぐまで土が乾かないように、そしてプールに水が溜まらないようにします。


経験上、目安にしているのは育苗箱の土の表面に水がわずかに浮き出る程度。


一度掛けで済まそうとすると灌水ムラが出やすいので何度か往復し土に水を馴染ませながら行います。


次に覆土。
種もみが隠れる程度が目安です。


これも一度で済まそうとするとムラになりやすいので一通りかけ終わったら補正します。
時間が経つと水分が上がって覆土の薄いところは種籾が見えるようになってきます。
次にシートを掛けます。
まず不織布(ラブシート)。


そして、その上にシルバーポリトウ(80#)。


シルバーポリトウはしっかり密着するようにします。周囲を直管パイプで抑えます。


当初はシルバーポリトウ1枚だけでした。そのため一部に葉焼けの出ることがありました。
不織布(ラブシート)との二重掛けをすると葉焼けはかなり抑えられます。
これで一連の種播き作業は終了です。
このままの状態をほぼ1週間保ちます。
このやり方には我が家独自の部分がかなりあるのではないでしょうか。それぞれの条件に応じたプール育苗の方式があると思います。


プール育苗'24~種播き前日の苗箱並べと催芽

2024年04月09日 | 水稲プール育苗

水稲の種播き前日の作業です。
プールに苗箱を並べ、同時に種籾の催芽(芽出し)を行います。
ハウスの屋根には遮光シートを掛け、換気をせずに気温を下げるようにしています。


普通、苗箱を並べるのは種播きから覆土まで種播きの一連の作業を終わらせてから行います。
我が家も昔はそうでしたが、30年以上前両親健在の頃から事前に並べるようになりました。
しかし、前日に並べるようになったのはプール育苗を行うようになってからです。
作業が分散でき、体への負担が少なく高齢者にとっては楽にできるのが良いところ。
すでに育苗箱は土入れを終え、ハウスの両妻の空きスペースに積んであります。


プールには近い方の妻側から苗箱を運ぶようにします。


通路が広く、プールに並べるのも1列ずつなので楽にできます。
プールの両端は1箱分くらい開けて並べるようにしています。入水する時や苗箱を移動する時などに便利です。


プールの枠と苗箱の間隔は数㎝開け、入水する時の流れを良くします。


普通、苗箱を並べるのは種まきして灌水、覆土まで終わらせてからなのでかなり重くなります。
それに比べると乾いた床土厚さ1㎝だけのため重さは半分もなく、楽に作業できます。
但し、乱暴に扱うと床土が動きやすいので注意が必要です。
何分にも老体。無理をして一度に何枚も重ねて運ぶようなことはしません。
片側に積んである苗箱分を並べ終えました。
プールに余裕があったので中央にも空きスペース設けることにしました。


苗箱並べは終了です。


苗箱並べと同時に、種籾の催芽(芽出し)を行います。
芽出しは鳩胸程度が目安とされていますが、我が家は100%の完全な芽出しが目安です。
我が家は発芽器を用いない無加温育苗です。無加温育苗で一番の問題になるのは発芽。
そこで、まず種播きの段階で完全な芽出しをすることで発芽が悪くなるリスクを抑えます。
種播きは器械ではなく手播きしているため完全に芽出しをしても支障がありません。
我が家では催芽器もないので、これまた我流の芽出し法です。
浴室のシャワーに簡単な仕掛けをし、塩ビパイプでお湯をタンクに引き込みます。


引き込み時のお湯の温度は35℃くらいになるよう設定し、種籾をお湯に漬けます。


途中温度を確認し、25℃くらいに下がったところでお湯を入れ替えます。
お湯は数回入れ替えれば十分。大概は3回程度で済みます。


概ね一昼夜で芽出しができますが、完全芽出しが目安なので1昼夜半掛けるようにしています。
これで種播き前日の苗箱並べと催芽(芽出し)は終了です。

プール育苗'24~育苗箱に土入れ

2024年04月06日 | 水稲プール育苗

水稲の育苗箱に土入れをしました。
育苗は今年も例年どおりプール育苗です。今年はプールはすでに出来上がっています。
年によって後先逆になることもありますが、どちらが先になっても作業に支障はありません。
昔からみると箱数は大幅に減り1/3くらいになりました。
生産調整の拡大や道路の拡張で面積が減少、育苗方式が成苗から稚苗へと変化、さらに植付け密度も少なくしました。
育苗ハウスは余裕十分なので、土入れの作業は全てハウスの中で行います。
事前に育苗箱と培土はハウスの両妻側の空きスペースに運び込んでおきます。


プールに運ぶのに好都合なようハウスの両妻側でほぼ半量ずつ行います。
沢山作る方は土詰めから種播きまで一連の作業を器械で行うのが一般的です。
我が家は僅かばかりなので土入れも全て一人の手作業です。
なかなか効率的な方法が見つからず、今年も例年と同じやり方になりました。
シートを2重に敷きます。


それに育苗箱を5枚並べます。


育苗箱の底には紙シートを敷きます。


シートの必要ない育苗箱もありますが、我が家は昔から一度も替えていません。
紙シートを敷くのは必須で、これも何年も使い続けています。
培土は昔は箱数も多かったので、自分で土を取りピートモスと肥料を混合して作っていました。
今は数も少ないため市販の培土を使っています。覆土分も含めて1袋で7箱半くらいの使用量になります。
経費は掛かりますが、高齢の身には取り扱いやすく負担が少ない。
諸資材の価格が高騰している中では、やむを得ない程度で済んでいます。
培土を育苗箱に少し多めに入れます。


ならし板を使って培土を厚さ1㎝に入れます。プール育苗では培土の厚さが1㎝程度まで節約できます。


これがならし板。


市販のならし板では土が多く入るので、少なくなるよう細工しました。
溢れた培土はシートを持ち上げて寄せて置き、次に並べた育苗箱に入れます。


これを繰り返します。もっと効率的な方法がありそうなものですが、思いつきません。
土入れが終わった育苗箱は不安定にならない程度の高さに積んでおきます。


直射が当たらないよう覆いを掛けておきます。


全体を縛っておくと、地震などがあった場合でも容易には崩れません。
反対の妻側にも土入れの終わった育苗箱を積んでおきます。


これで土入れの作業は終了です。

プール育苗'24~プールを作る

2024年04月05日 | 水稲プール育苗

プール育苗をするためのプールを作りました。
プール育苗の基本は同じでもプールの作り方は様々。我が家のプールもオリジナルの部分が結構あります。
すでにベットの整地を終え準備は整えています。

プール作りは一人でも可能ですが、二人の組作業でやればより効率的にできます。
今回も助っ人の応援があったので大いにはかどりました。
昔と違い育苗の枚数が少なくなりハウスは大余裕。通路を広く取り育苗箱2枚が並ぶ幅にプールを作れば十分です。
まずプールの位置に黒ポリマルチを張ります。
これには幅135㎝の黒ポリマルチがピッタリ合います。このマルチ幅に合わせれば計測や目印をする必要がありません。
昨年マルチが張られた跡でほぼ張る位置が分かります。
両端に目印を付け、二人で黒マルチを引き伸ばします。
そして、手前から二人で黒ポリの両側を引っ張りながら適当な間隔に丸皿付きピンで止めていきます。


黒マルチをしないと草が生えだし始末が悪くなるので、これは必須。
中央と両サイドの通路は約60㎝になり、一輪車が通れます。
次にプールの枠になる抜き板を立てます。
まず大まかに抜き板を配置しておきます。


黒マルチに合わせて抜き板を立てるとプール幅ピッタリになります。


丸皿を外したマルチ止め用ピンで抜き板3カ所に刺して枠を立てます。
この方法は10数年になりますが、非常に効率が良い。


次に透明ポリシートを2枚敷きます。ポリシート1枚では傷が付くと水漏れのリスクがあります。
一昨年まで下には使い古しの透明ポリを敷いていましたが、昨年からは2枚とも新品にしています。
まず1枚目。
幅が180㎝のポリシートがぴったり合います。但し、マルチ用ポリではなく厚さ0.03㎜のトンネル用ポリです。


所々を洗濯ばさみで仮止めしておきます。
その上にもう1枚透明ポリを敷きシートを2重にします。


仮止めの洗濯ばさみをはさみ直します。


さらに透明ポリの周囲を直管パイプで押さえます。


これでプール作りは完了です。
昔は幾つかの作り方を試行しましたが、現在の方法にしてから10数年になるでしょう。
プールの作り方には様々な方法が見られます。専用のシートも販売されています。
それぞれの条件に合わせ最も効率の良い方法で行うのが良いと思います。


プール育苗'24~プール作りの準備

2024年04月04日 | 水稲プール育苗

今年も水稲の苗作りの季節がやって来ました。
昔からみると育苗する数も大幅に少なくなりましたが、失敗は許されないのでしっかりやりたいと思います。
例年どおり育苗はプール育苗です。
両親が亡くなりすでに20数年。その後も勤め人稼業との二足のわらじを履き続けました。
それが出来たのは助っ人達の応援が一番ですが、技術的にはこのプール育苗があったからと言っていいでしょう。
通常の育苗なら日中誰もハウスを管理する人間がいないのはリスクが大きすぎます。
その点プール育苗はそのリスクを大きく軽減することができます。
プールを作るのは一人でも可能ですが、二人でやればより効率的です。
そのため助っ人の応援を得る前日までに、準備をすっかり整えておくようにしています。
ハウスは開放せず、晴天なら屋根に日よけ用の遮光シートを掛けます。今回は曇天だったのでそのままです。


雪害対策用の支柱を外し、ハウス内を整地します。
すでに軽く掃除はしているので比較的綺麗です。


雑草防止と均平を保つために張ったままにしている古い黒マルチを外します。

黒マルチの効果で殆ど草は生えませんが、わずかスギナの芽が出てきました。


プール育苗で一番大事なことはプールを設置するところの均平です。
プールに水を張った時に高低差は分るので毎年チェックし調整しています。
このハウスの地盤はプール育苗を始める前は10㎝以上の高低差がありました。
2年ほどは水糸を張って全体の均平をとりましたが、その後は微調整をしているだけです。
黒マルチを張りっぱなしにしているため傷みが少なく、長年微調整を繰り返したことで殆ど高低差がなくなりました。
もっとも実用的には2、3㎝の高低差は許容範囲です。枠で小さく区切る方法もあります。
今年も黒マルチを張っている場所がブールの位置になるので、そこを微調整すればオーケーです。
昨年、竹の根がベットの位置まで張り出したため掘り上げ均しました。そこが少し下がり調整が必要です。
部分的なので水準器だけで確認しながら均平を図りました。


2カ所あります。


あとは多少の凸凹をレーキで軽くならしながら整地する程度で十分です。


最後にほうきで掃除し、ハウス内の整地は終了です。


我が家のプール作りに必要な以下の資材をチェックします。
1、プールの枠を作る抜き板(昔から我が家にあったもの)
2、プールに敷く透明ポリ(厚さ0.03㎜、幅180㎝、長さ100m)
3、マルチ用黒ポリ(厚さ0.02㎜、幅135㎝、長さ200m)
4、マルチ止め用丸皿付きピン(張りぱなしの黒マルチから抜いたもの)
5、木枠を止めるマルチ止め用ピン(丸皿を外したもの)
6、ポリシートの仮止め用洗濯ばさみ
7、ポリシートを抑える直管パイプ(解体したパイプハウスの古材)





一昨年まではプールの下敷きにする透明ポリは使い古しの透明ポリを使っていましたが、昨年からは全て新品にしています。
その分費用は掛かりますが、片付ける時に助っ人達の手を煩わせる必要がありません。
今年は在庫の中から必要な分を補充しただけで、新ためて購入するものはありませんでした。

プール育苗'23~田植え開始

2023年05月05日 | 水稲プール育苗

田植えを始めました。
週末の予定でしたが、雨の予報だったため2日前倒しすることにしました。
トラブルさえなければ2日で済むはずです。
メインは翌日で、1日目は機械の試運転を兼ねた田植えです。
暑いほどの好天で田植え日和でした。
プールの片側のベットは前日に落水しているので、苗箱の扱いは楽になっています。


念のため苗の根の状態をチェックします。


いつも通り白い根が綺麗にマット状に張っています。
運搬途中や積み込みなどで苗箱を落とすようなこともありますが、この苗なら大丈夫。
少々乱暴に扱っても容易に根崩れは起こしません。
植付け前に、苗箱用の薬剤を散布します。


この薬剤は今年3年目。過去2年の結果から効果に問題はないようです。
1㎏で20箱分。散布した後に軽く散水して薬剤を床土に定着させます。


通路に一輪車を引き込み苗床から直接積み込みます。通路を広くとっているので楽です。


そのまま近くの田んぼまで一輪車で運び、必要な苗箱を畦に適当な間隔に並べておきます。


植え付け開始です。


機械の性能が悪いので、スピードが遅いのはしょうがありません。
それでも順調に進みました。
作業途中の機械トラブルが一番困るのでまずは安堵。


初日は一人作業のつもりでしたが、ここで助っ人が応援に来ました。
手伝いがいると作業はぐっとはかどります。1枚目の田んぼが終了です。


この後、さらに田んぼ2枚に植付けしました。
1日目に予定をオーバーして植付けたので2日目は余裕です。


プール育苗'23~落水する

2023年05月04日 | 水稲プール育苗

間もなく田植えです。
週末の予定でしたが、天候が崩れる予報のため前倒しすることにしました。
プールの落水をします。
トラブルもなく順調に生育しました。


見かけは茂った感じがしますが、ハウスを昼夜開放ししっかり換気したので徒長はしていません。
草丈は15㎝弱と言ったところ。
プールは常時培土の上まで水を入れています。
田植え直前まで水を入れておくと箱にはたっぷりと水が含まれた状態になります。
苗箱は重く、水が滴り落ちます。扱いにくく作業に支障を来します。
そこでプール育苗では田植えの2日前位に落水するのが普通です。
しかし、我が家で落水するのは大概田植え前日。と言うのは田植機との関係。
我が家の田植機は性能が悪く、培土が乾くと苗の落ちが悪くなるのです。
好天の日に苗を田んぼに運んで置いておくと乾くのは意外に早いものです。
落水するのは容易。プールの奥の方の木枠を1枚外すだけです。


まだ水は培土の表面まで掛かっています。
この短い板一枚外すだけです。


外しました。


水は瞬間に抜けてしまいます。

まずは片側のプールだけ落水しました。


もう一方のプールは作業の進み具合を見ながら落水します。
機械のトラブルが発生したり、急な不幸があったりとこれまでも何度か作業が中断した経験があります。
ただ、仮に中断することがあっても、木枠1枚を戻しプールに水を入れ直すだけですから復旧は容易です。
プール育苗は、入水も数日に一度都合の良い時間に蛇口を捻るだけでよく、落水も瞬時、楽に管理が出来ます。
しかも苗の生育が綺麗に揃います。これまで生育不良になったことは一度もありません。


プール育苗'23~追肥し再度入水

2023年04月26日 | 水稲プール育苗

プール育苗の苗は種播き後16日目。
これは2日前。追肥を行いました。


生育は順調で本葉2枚目がほぼ展開しました。


追肥をする前に苗箱の反転を行いました。
ハウスの南側サイド近くは気温が少し低くなるので、ベットのサイド近くは伸びが若干悪くなりやすい。
この左端の所です。


殆ど気にする必要のない程度なのですが、より生育を揃えるためここで苗箱を反転させることにしました。
これが反転後。


分かりにくいと思いますが、反転したため左側苗箱の右端が僅かに低くなっています。
逆に左端の方が若干高くなっています。
北側サイドのベット1列も同様に反転しました。これで生育はより揃うようになるでしょう。
そして、追肥。
追肥は培土の表面が見えるまで水が減ったところで行います。
苗箱の上まで水があると肥料が定着しにくい可能性があります。
このように完全に土が見えています。本葉も2枚とタイミングも良し。


追肥には液肥が推奨されていますが、我が家で用いるのは硫安。
古い在庫があるので、プール育苗を行うようになってからも硫安を使い続けています。
但し、硫安は濃度障害を起こしやすいので薄くして用います。
一般の育苗では1箱当たり硫安現物で5gですが、その1/3以下の1.5g。
実際には水100ℓに硫安現物300gを溶かします。
これを1箱500ccを目安にジョウロで灌注します。


このジョウロは10ℓなので20箱分になります。
灌注後。


灌注後は軽く散水し、葉に付いた肥料分を洗い落とします。
そのまま2日置きました。追肥の肥料も培土に定着したと思います。
連日風が強く、異常乾燥状態でプールの水もほぼ無くなりました。
ここで再度入水します。


目安は培土の上2㎝くらいまで。


入水時間は蛇口を目一杯開いて約40分でした。
苗も伸び、ベットの均平もとれているので深さをそれほど気にする必要はありません。
もう一方のベットにも入水。こちらの入水時間は35分ほどでした。
これで追肥と再度の入水が完了です。
この後は、常時培土の上まで水を保つように入水します。
培土を水に覆われた状態に保つことで病害発生の予防効果があるとされます。
トラブルがなければ数日に一度の入水で十分なはずです。時間は何時でも構いません。
追肥から2日経っただけながらさらに生長したのが分ります。


苗が徒長しないようハウスは昼夜解放したまま十分に換気します。
通常の育苗では毎日の灌水と昼夜のハウスの開け閉めが必須ですから大きな違いです。


プール育苗'23~入水を開始

2023年04月19日 | 水稲プール育苗

プール育苗の苗は種播き後9日目になります。
プールに入水を開始しました。
まず、シルバーポリトウを剥ぎます。


次に不織布(ラブシート)を剥ぎます。
シートが盛り上がり、緑がかっているのが分ります。


発芽したばかりの葉は軟らかく、急に強い直射に当てると葉焼けを起こしやすいのでラブシートは片側のベットだけ外し、もう一方のベットは掛けたままにしておきます。


綺麗に発芽が揃いました。


本葉1枚目が展開しました。2枚目が出始めているものも見られます。


最初の入水にはちょうど良いタイミングです。
高温になると葉先焼けが散見されることもありますが、今年は見られません。
過日、覆土の補充をしましたが、例年はここでも若干の補充をするところです。
しかし、今年は殆ど必要なところがありませんでした。
この育苗ハウスは東西向きなので南側サイドの近くは気温が少し低くなりやすい。
そのため南側ベットのサイド近くの生育が若干遅れ気味になります。
この苗箱の左側です。


例年、苗の生育を揃えるため苗箱を反転させて調整しています。
今年はこの段階ではさして差が無かったので、もっと先に差が生じたところで検討します。
ここで、プールに入水を開始します。


ホースの口のところにはホースが動かないよう金具を付け重しにしています。
全ての育苗箱の上に水が上がるまで入水します。
一般には最初の入水は培土の表面以下とされているようですが、我が家では土が完全に隠れるまで入水します。
培土を水で覆うことで病害の予防に効果があるとされているからです。
均平はとれているとはいえ多少の高低差はあります。特に今年は竹の根を掘り上げたのでその部分を注意して見ていきます。
入水の目安は、一番深いところで苗が水没しないこと、そして一番浅いところで苗箱の上まで水が上がること。
この部分が一番高いところのようで、箱の縁までまだ水が上がっていません。


これで全ての箱の上まで水が上がりました。水没しているところもありません。


ここで、もう一方のベットのラブシートを剥ぎ、同様に入水します。


これで初めての入水は完了です。


ベットの均平はよくとれており、竹の根を掘り上げた部分も問題なかったようです。
入水時間は水道の蛇口全開で両ベットとも丁度30分でした。
漏水などに注意は必要ですが、通常なら2回目の入水は数日後です。
プール育苗では水の保温効果があるため苗は伸びやすくなります。
ですから、ハウスのサイドビニールは大雨や暴風などの天候異変がなければ、昼夜解放します。



プール育苗'23~発芽揃い時の薬剤灌注と覆土補充

2023年04月16日 | 水稲プール育苗

プール育苗の稲は種播き後6日目です。発芽が揃いました。
ここで薬剤灌注と覆土の補充を行います。
まずシルバーポリトーを剥ぎます。


シルバーポリトーは後で掛け直すのでハウスの両サイドに寄せておきます。
次に不織布(ラブシート)を剥ぎます。


発芽が綺麗に揃いました。


寒冷地の無加温育苗では発芽が一番の問題です。
完全芽出し100%で播いているので大丈夫と思ってはいてもやはり不安はあります。
まずは一安心といったところ。
但し無加温育苗では発芽時に覆土の持ち上がりが起きやすい。
ここで土の持ち上がりを抑えるのを兼ねて薬剤の灌注を行います。
薬剤の灌注は種播き時に行うのが普通ですが、灌水量との兼ね合いが難かしく、発芽を確認したところで行っています。
タチガレン液剤500倍液を1箱に500CC。


箱数が少ないのでジョウロで灌注します。


10ℓのジョウロなので、1回で20箱分です。
灌注後。


灌注をすると、土が落ち着き覆土の薄いところは種もみが見えてきます。
そこで、種もみが見えなくなるように覆土の補充を行います。
覆土補充後。


やらなくとも日数が経つと次第に気にならなくなるものですが、これで安心感があります。
以上で薬剤灌注と覆土補充の作業は終了です。


再びラブシートとシルバーポリトーを掛け直します。


このままの状態を本葉1枚が展開するまで保ちます。
発芽が揃っているので3日くらいで達するのではないでしょうか。