里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

プール育苗'24~田植え開始

2024年05月05日 | 水稲プール育苗

田植えを開始しました。
予定を一日前倒ししてのスタートとなりました。
僅かばかりなのでトラブルさえなければ2日で余裕で終了できます。
メインは2日目、1日目は機械の試運転を兼ねて行います。一人作業のつもりでしたが、途中から助っ人2人の応援がありました。
好天で暑いくらいの田植え日和でした。
プールは前日に落水しています。根の状態を見ると、例年通り白い根がびっしりと張っていることが確認できます。


運搬や積み込みなどの際に苗箱を落とすようなことあっても、根崩れするようなことがありません。扱いが非常に楽です。
植付け前に、苗箱用の薬剤を散布します。


この薬剤は今年4年目になるでしょうか。十分効果があるようです。
1㎏で20箱分。散布した後に軽く散水して薬剤を床土に定着させます。


通路が広いので、苗床から一輪車に直接積み込みます。


近くの田んぼまで一輪車で運びます。植え付け開始前に畦に苗箱を適当な間隔に並べておきます。


植え付け開始です。


スピードは超が付くほど遅い。エンジン出力が低いので何ともなりません。
しかし、トラブルはなく順調に作業は進みました。


ここで助っ人が応援に来ました。
初日は一人作業のつもりで始めましたが、手伝いがいると作業はぐんとはかどります。何と言っても体が楽。


1枚目の田んぼが終了し、さらに田んぼ2枚に植付けしました。
助っ人の応援があったおかげで1日目の予定をオーバーして植付けました。


プール育苗'24~プールの落水

2024年05月04日 | 水稲プール育苗

間もなく田植えです。天候を考えて一日前倒しすることになりました。
ここでプールの落水をします。


プール育苗は順調です。
かなり茂っているように見えますが、徒長しているわけではありません。
ハウスを昼夜開放し換気していたので、草丈は15㎝程度です。
通常、プールには常時培土の上まで水を入れています。
そのため田植えまでそのままにすると苗箱は重く、水が滴り扱いにくい。
そこでプール育苗では田植えの2日前くらいに落水するのが一般的です。
但し、我が家で落水するのは大概田植え前日です。
それは我が家の田植機の性能が悪いため。床土が乾くと苗がスムーズに落ちなくなるのです。
特に好天の日は田んぼに苗を運んで置いておくと思いのほか早く乾いてしまいます。
落水するのは甚だ容易。プールの奥の方の木枠を1枚外すだけです。


まだ水は床土の表面くらいまで掛かっていますが、この短い板一枚外すだけです。


外しました。


あっという間もなく水は抜けてしまいます。


取りあえずは片側のプールを落水。


もう一方のプールは作業の進み具合を見ながら落水します。
これまでも機械のトラブル以外に予期せぬことで作業が中断せざるを得ないことはありました。
しかし、田植えを延期する場合でも木枠1枚を戻しプールに水を入れ直すだけなので容易に復旧可能です。
プール育苗は、入水も都合の良い時間に数日に一度、ハウスも解放したままと管理が楽です。
苗の生育が綺麗に揃い、これまで生育不良になったことはなく、今年も良好です。

プール育苗'24~追肥し再び入水

2024年04月26日 | 水稲プール育苗

プール育苗の苗は種播き後16日目となります。
2日前に追肥を行いました。これはその時のもの。


生育は順調。本葉2枚目がほぼ展開しました。
入水開始時に1枚でしたから5日でほぼ1枚生長したことになります。
追肥をする前に苗箱を反転しました。ハウスの南側サイド近くの1列です。
この左端のサイド近くの部分。ここは気温が少し低くなるため伸びが若干悪くなります。


殆ど気にする必要のない程度ながらも、僅かばかりなので苗箱を反転させ生育を揃えることにしました。
これが反転後。分りにくいかもしれませんが、反転前とは逆に左側苗箱の左端の方に伸びた苗がきています。


ついでに北側サイドのベット1列も同様に反転しました。これでより生育が揃うようになるでしょう。
そして、追肥。
培土の表面が見えるまで水が減ってきたので追肥するのによいタイミングです。


追肥するには床土が見えるくらいに水が少なくなっている方が肥料が定着しやすいと思われます。
苗も本葉2枚と丁度良いタイミングです。
プール育苗では液肥が推奨されていますが、我が家では在庫がある硫安を使用しています。
但し、硫安は濃度障害を起こしやすいのでごく薄くして用います。
一般の育苗の追肥では1箱当たり硫安現物で5gですが、その1/3以下の1.5g。
タンクの水100ℓに硫安現物300gを溶かし、1箱500ccを目安にジョウロで灌注します。


このジョウロは10ℓなので20箱分が目安です。
灌注後は軽く散水し、葉に付いた肥料分を洗い落とします。
そのままの状態で2日。これで肥料も床土に定着したでしょう。


プールの水もほぼ無くなりました。ここで再び入水します。


水の深さは床土の上2㎝くらいまでが目安です。


入水時間は蛇口を目一杯開いて約35分。その間は別の作業をしていました。


ベットもほぼ均平で苗も伸びてきたため水の深さをそれほど気にする必要はなくなりました。


もう一方のベットにも入水。こちらの入水時間は40分弱でした。


これで追肥と2度目の入水は完了です。
この後は、常時床土の上まで水を保つように入水します。
仮にプールに水が無くなるようなことがあっても床土には十分に水が残っているので2、3日は大丈夫です。
但し、床土を水に覆われた状態に保つと病害発生の予防効果があるとされているのです。
それでも特別なアクシデントが起こらない限り、数日に一度の入水で十分です。
しかも時間は何時でも可。勤め人稼業時代も灌水で苦労したことは一度もありません。
追肥から2日経っただけですが、さらに生長したのが分ります。


プール育苗は水に保温効果があるため伸びやすいのでハウスは昼夜解放したままにします。
通常の育苗で行う毎日の灌水やハウスの開け閉めから開放されるのがプール育苗の大きなメリットです。




プール育苗'24~入水を始める

2024年04月19日 | 水稲プール育苗

プール育苗の種播きをして9日目です。
順調に生育し、プールに入水を始めました。
掛けていたシルバーポリトウを剥ぎます。


その下に掛けていた不織布(ラブシート)を剥ぎます。
シートが少し盛り上がっています。不織布越しからも緑が感じられます。


急に強い直射が当たると葉焼けを起こしやすいので、ラブシートはまず片側のベットだけ外します。
一方のベットはそのままにしておきます。


うまく発芽が揃いました。


本葉1枚目が展開したところです。入水を始めるのにちょうど良いタイミングです。
年によってはここでも覆土の補充をすることもありますが、今年は必要ないようです。
例年、生育が若干遅れ気味になりやすいのが南側ベットのサイド近く。この苗箱の左端辺りです。


東西向きの育苗ハウスのため南側サイドの近くは気温が低くなりやすいのです。
そのため苗の生育を揃えるため苗箱を反転させて調整しています。
今年はあまり差が見られなかったので、もう少し様子を見てから考えることにします。
いよいよ、プールに入水を始めます。


ホースの口のところに付けている金具はホースを動かないよう重しにしているものです。
入水は全ての育苗箱の上に水が上がるまで行います。
通常は最初の入水を培土の表面以下とすることが多いようですが、我が家では培土が完全に隠れるまでです。
培土を水で覆うことで病害の予防に効果があるとされています。
均平はとれているはずですが、高低差がゼロと言うことはありません。
そこで入水の目安は、一番深いところで苗が水没しないこと、同時に一番浅いところで苗箱の上まで水が上がること。
この辺りがベットの一番高いところと見えます。箱の縁まで水が上がっているかを注視します。


全ての箱の上まで水が上がり、且つ水没しているところのないことを確認しました。ここで入水を止めます。


もう一方のベットもラブシートを剥ぎ、同様に入水を始めます。


こちらのベットも目安の高さまで入水しました。


特に大きな問題はなく、最初の入水は完了しました。


入水時間は水道の蛇口全開で両ベットとも30分弱でした。
通常なら2回目の入水は数日後です。但し漏水などに注意する必要はあります。
プール育苗は水の保温効果があるため普通の育苗より苗が伸びやすくなります。
そのため、ハウスのサイドビニールは大雨や暴風などの異常な天候でなければ昼夜解放するのが基本です。


プール育苗では普通の育苗で行う毎日のビニールの開閉や灌水をする必要がありません。
周囲でもプール育苗は年々増えています。



プール育苗'24~薬剤を灌注し覆土を補充

2024年04月16日 | 水稲プール育苗

プール育苗の稲は種播きをして6日目になります。発芽が揃いました。
ここで薬剤を灌注し、覆土を補充します。
好天なので屋根には遮光シートを掛けておきます。


まずシルバーポリトーを剥ぎます。


シルバーポリトーはもう一度掛け直すのでハウスの両サイドに寄せておきます。
不織布(ラブシート)を剥ぎます。


発芽はよく揃いました。


我が家は無加温育苗なので発芽が一番心配になるところです。まずは一安心です。
天候もまずまずでしたが、完全に芽出しをした効果が発揮されています。
ただ無加温育苗の場合、発芽時に覆土が持ち上ることが多い。
そこで土の持ち上がりを抑えるのを兼ねて薬剤の灌注を行います。
普通、薬剤の灌注は種播き時に行います。しかし、灌水量との調整が難しいので発芽を確認してから行っています。
使用するのはタチガレン液剤。


500倍液を1箱当たり500CC。箱数が少ないのでジョウロで灌注します。
10ℓのジョウロなので、1回で20箱分です。


灌注をすると、土が落ち着くので覆土の薄いところはこのように種籾が見えてきます。


種籾が見えなくなるように覆土の補充を行います。
これが覆土補充後。


今回、覆土を補充したのはわずかでした。
日が経ち苗が伸びてくると分らなくなるので気にすることもないのですが、安心料です。
これで薬剤灌注と覆土補充の作業は終了です。
再びラブシートを掛け直します。


シルバーポリトーを掛け直します。


本葉1枚が展開するまでこの状態を保ちます。
天候にもよりますが、3日くらいでしょう。