今年の我が家のイネは約半数の穂が出た出穂期が7月28日、9割の穂が出た穂揃い期が7月30日。
昨年と全く同じで過去最速でした。
間もなく40日が経過します。一段と黄ばんできました。
未だ暑いとは言え、さすがに朝方は気温が下がるので露が上がっています。
通常、イネは出穂後45日、平均気温の積算で1,000℃が成熟の目安と言われています。
出穂後、お盆頃から天候が不安定になり日照時間は多くありません。
しかし、気温だけは高い。これが一番不安なところです。
今年は積算温度で計算すると38日程度で目安の1,000℃に達します。
日照の良くないことを勘案しなければなりませんが、数字上はすでに成熟期に達しています。
勿論、実際には圃場全体の穂を目で確認し成熟期を見極めます。
田んぼの水はすっかり落としていますが、必要がなくなってから雨が多い。
この田んぼは乾きが悪い。
この辺りが一番早く穂が出始まったところ。
殆どの籾が色付きました。
この辺りは青味が濃かったところ。少しなびいてきました。
これでも8割以上の籾は色付いたようです。
ただ、水口付近や日陰になるところはまだ少々青い。
当地の例年の稲刈りは秋分の日頃です。今年は2週間くらい進んでいると思われます。
この田んぼは中干しがきついくらいになりました、
中干しが効いたので少々雨が降っても乾きは早い。
今必要な作業は雑草の刈り払いです。
田んぼ周辺の畦の刈り払いが最優先。大きな土手や道路の法面は後回しです。
日中は出来るだけ避け朝夕。何れ汗だくになるので小雨程度なら良しです。
畦の雑草はかなり伸びてしまいました。
特に伸びているのはチガヤ。
刈り払いました。困っているのは田んぼの中まで蔓延ってきたイボクサです。
側溝の側2、30㎝は除草剤を使っています。これで作業時間はぐんと短縮できます。
刈り払いました。ここは幹線道路の法面まで終わりました。
田んぼ周辺はほぼ一段落。後はぼちぼちとやります。
刈り払いをしていると今目立つのはギボウシの花。正確にはコバギボウシか。
肝腎の作柄はどうなのか。
穂が小振りという印象は変わりません。穂数は確保されているので相殺か。
不安はやはり高温障害。白未熟米など品質低下はあるのかです。
経験上、過去に白未熟米が多発した年は日照不足でした。
昨年は日照が非常に多く回避できました。
今年は昨年よりはかなり少ない。前半良かったものの後半悪く相当微妙。
穫ってみなければ分らないというのが正直なところです。
当地方も今週末から本格的な刈り取りが始まるでしょう。
しかし、刈り取り期を迎える頃になると台風に秋雨前線、天候が悪くなるのは例年のこと。
昔は刈り取り調製も全て自前だったので自由がききました。今の我が家の規模で装備の更新は到底無理というもの。
今は刈り取り調製作業を委託しているので受け身です。
ところで、過日「米不足考」として以下を投稿しました。
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(再掲)
ところで、このところコメ不足が話題になっています。
実際にスーパーの棚などから米が消えている現象が盛んに報じられています。
さすがに当地方のスーパーではそのようなことはないようですが。
小生は、「あるところにはある」という状況だと思っています。
平成5年のような大凶作では需要量に対して供給量が著しく少ないため不足するのは当然です。
しかし、今回は例年に比べ在庫量が相対的に少ないとはいえ需要量に対して供給量は十分確保されています。
しかし、在庫の余裕が少なくなってくると、JAや卸会社などの流通業者は大口のお得意様最優先で供給することになります。
結果的に最も小口の個人消費者への棚への供給は少なくなってきます。
そして、この末端の消費者は噂を聞くと一斉に同じ行動を取るため棚に物がなくなっていくのです。
たまたま今回は南海トラフ地震や気象災害への備えなどが奨められていたのでなおさらでした。
また、どうしても古米を必要とする需要者もいます。寿司には新米ならササニシキなど粘りの少ない米が適しますが、今の品種は粘りの強い品種が殆どです。
そうすると粘りが低下してくる古米の方が使い勝手が良く、早めに手当てしていたことでしょう。
業務で必要な需要者は長い期間の中で契約するなどし確保しているためあまり騒ぎにはなっていないはずです。
つまりトータルの供給量は十分確保されていると考えられます。
但し、農水省が発表している令和5年産の米作況指数100と実際の流通量に乖離があるのではないかと言う疑問は捨てきれません。
作況指数通りの出回りなら今回のような事態は考えられないからです。
国の米作況は実際に流通する玄米の粒径とは異なります。また、品質は加味されません。
したがって、実際に流通する米は国の発表する量より少なく、製品歩留まりも低下する可能性が高いのです。
さて、米の価格はどうなっているのでしょう。
消費者から見れば安いほどよいと考えるのは至極当然ではあります。
しかし、生産者の立場からすると昔に比べすでに十分過ぎるほど安くなっているという感覚です。
昭和の食管法の時代と異なり現在は殆どフリーに近い形で生産され、需要と供給のバランスの上で価格が決定します。
ここ2、3年は比較的ましな価格ですが、数年前にはかつての玄米価格の半値にまで値下がりしました。
ですから心ある生産者は自ら販売まで手がけ利益を確保するような努力をしています。
仮に店頭で売られている白米が従来10㎏3,500円(税抜き)のものが現在4,500円になっているとしたら、精米率90%で玄米に換算すると1俵60㎏当たり約19,000円が24,000円ですからかなり高いものです。
もっともこれは末端価格であって生産者価格はその70%程度でしょう。
では米をどのくらい消費しているでしょうか。現在は一人当たり年間約50㎏と言われています。
小生の場合、朝食はほぼ100%、3食でも米食が90%を超えているはずです。
若かりし頃は1合飯も食べた時代もありましたが、今は1食に白米で5勺(0.5合)、75gです。
これを我が家の玄米価格で換算すると1食20円です。
仮に年間900食食べたとして約67㎏。これは外食も含めたものなので自家では1俵と言ったところでしょう。
小生は米摂取率では最上位クラスと思うので一般家庭ではこの半量~2/3くらいのものではないでしょうか。1合飯を食べる人でも自家では60㎏くらいのものなのです。
1食あたり白米換算でも30~40円くらいのもののはずです。
特別の高価格米を食する方は別とし、おそらく自家で1ヵ月に2,000円分の白米を消費する人はそういないような気がします。
ただ家族単位では数や構成の違いで印象が変わるかもしれません。
小生はほぼ毎日晩酌をしますが、あっさりと白米代の数倍から十倍になってしまいます。
外で飲めば白米1ヵ月分程度で済むなら可愛いものです。
主食に費やす経費はそんなものなのです。
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(追記)
以上のことは何も変わっていません。
状況に少し変化があったことについて少々追記します。
備蓄米についてです。
大阪府知事が備蓄米の放出について要望し、農水省は慎重な対応という結果です。
そもそも備蓄米は不作などによって需給バランスが崩れたときのためのものです。
昨年の全国の作況指数100からすると供給は十分確保されていると考えなければなりません。
今回は客観的に見て理屈上は農水省に分がありそうです。
まず、前記したとおり「あるところにはある」と言う状況だからです。
業務用は当然として、末端の消費者間でも余分なくらい保有している人が相当数いるはずです。
一方、出来秋が近づくと新米がよいと古米の保有はギリギリに絞りカラになって慌てる人も多いかもしれません。
大都市ではそれが非常に偏ってしまうのでしょう。
とりわけ大阪のオバチャンの行動力は広く知られていますから。
大阪府知事も何もしないわけにはいかないのでしょう。人気を挽回するにはパフォーマンスが必要ですから。
しかし、タイミングがあまりに遅すぎます。これが7月中くらいなら評価される場面もあったかもしれません。
仮に備蓄米を放出するとして、手続きを踏み製品になる頃には新米が沢山並んでしまいます。
もっとも実際には備蓄米は別の用途に回り、そのまま店頭に並ぶようなことはないでしょうが。
近々新米が出てくれば余裕があるくらい持っている人は必要ないので必ず落ち着きます。
但し、それには今年度産米が十分供給されることが前提になります。
農水省は8月30日に8月15日現在の作柄概況を発表しました。それによると青森県が作況指数106~109の良、11道府県が102~105の「やや良」、31都府県が99~101の「平年並」、3県が95~98の「やや不良」となっています。
ちなみに当県を含む他の東北5県は「やや良」となっています。
全体の作柄は示していませんが、「平年並」以上と言うことになりそうです。
すでに備蓄米が話題になった時には、農水省ではこの辺の情報がほぼ纏まっていたものと推察されます。
仮に備蓄米を放出した挙げ句、豊作だったりすれば値崩れは確実ですから。
次回の作況指数の発表は9月25日現在で、ほぼ確定に近い数字になるはずです。
前記したとおり、作況指数は品質は加味されず、実際の出荷基準とは異なる粒径を用いて算出されます。
それが生産者の実感と異なったり、流通量との乖離が生じたりして議論になるところなのです。