里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

未だ元気な縮み雪菜とチンゲンサイが美味い

2025年03月08日 | 畑:葉菜類

縮み雪菜とチンゲンサイを穫り続けています。これが美味い。
こちらが縮み雪菜。


抜き取り収穫から数えるとほぼ4ヶ月経ったことになります。
今冬は2月10日過ぎくらいが最大の大株だったと思います。例年よりは若干後ろにずれ込んだようです。
依然一方向から穫るのではなく間引き的な収穫を続けているため穫ればすぐ葉が広がり隙間は殆どできません。


防寒は全くしないので外気に晒され外葉は次第に変色、老化し枯れてきます。
縮み雪菜はターサイの変異株から育成されたと言われていますが、ターサイはこの時期になるとぐんと小さくなります。
縮み雪菜はそれほどには小さくなりません。大きな外葉がなくなる分扱いやすい大きさとも言えます。


今冬の気候の特徴は大寒時には相対的に気温が高く立春後に再三の寒波襲来で気温が下がったことです。
しかし、どの野菜もすでに十分耐寒性が付いていたため凍害は軽微に済んだと推測しています。
縮み雪菜の成長点にはすでに花芽が出来ているはずですが、肉眼ではちょっと見には分かりません。


例年なら肉眼でも容易に分かるくらいになる時期です。早い年ならトウが伸びてもおかしくありません。今年は遅れています。
それでも早春の柔らかい姿になってきているのが分かります。花芽が出来る頃は柔らかい新葉が展開してきます。


丹念に見れば中心には花芽が確認できます。


小生はターサイが好みで長く作ってきました。しかし、昨年から縮み雪菜だけになりました。
ターサイは次第に光沢がなくなってきますが、縮み雪菜は光沢が落ちず見栄えが良い。
扱いやすさもあってトータル的に縮み雪菜に軍配を上げざるを得ず、ターサイに戻ることはなさそうです。
縮み雪菜は周年出荷が定着し、当地方では単に雪菜と言えば縮み雪菜を指すようになっています。
穫ってみます。


ピーク時にはかごに入りきれないほどの大株でしたが、外葉が枯れほどほどの大きさになっています。
それでも肉厚でボリュームは十分、新葉の割合が多くなっているため柔らかさを感じます。
こちらはチンゲンサイ。


これも縮み雪菜同様長期間穫ってきました。
さすがに残りは少なくなりましたが、例年に比べると元気。


例年なら外葉が黄化し枯れてくるので、かなり小さくなって来る時期です。
今年はそれほどでもありません。やはり耐寒性がより付いたのと花芽の生長が遅れているためと思われます。


特に大株になったチンゲンサイはすでに穫り終わっているので、ほどほどの株が残っています。


外からは分かりませんが確実に花芽は出来ているので気温が上がればトウが伸びてきます。
株の最大のピーク時は同様に2月10日過ぎ。やはり少し後ろにずれています。
しかし、枯れた外葉を除いても十分な大きさを保っており、例年より姿が良い。


穫ってみます。


最大時のボリュームから見ると一回りも二回りも小さくなっているものの手頃な大きさ。
小生はチンゲンサイはあまり積極的には食さない方ですが、美味しい。




春ホウレンソウの省力早播き法

2025年03月03日 | 畑:葉菜類

春ホウレンソウの1回目の種播きをしました。
昔は3月中の種播きはパイプハウスで行っていました。しかし、老朽化したため全て解体。
その後はしばしトンネルで行いましたが、手間が掛かるのと時に降る重い雪で潰されます。
但し、当地では露地栽培は4月に入ってからの種播きになるため冬ホウレンソウとの間が長く空くことになります。
そこで我流の省力早播き法を試行錯誤しています。
すでに畑は半月余り前に元肥を施し、ロータリー耕耘しています。
畝の中心位置に目印線を付けます。


種播き前の耕耘は省略、管理機の逆転ローターで耕耘を兼ね畝立てします。


管理機を往復し土を跳ね上げ畝を盛ります。


鍬で手直しをして幅6、70㎝のかまぼこ型の畝に仕上げます。


品種はトーホク種苗の「スプリングほうれん草」と「晩抽グレイスほうれん草」。


「晩抽グレイスほうれん草」は初めて作ります。
前年まで何度か「キングほうれん草ボーカル」を作りましたが、濃緑ながら艶がイマイチなので変えてみました。
春ホウレンソウの品種はまずトウ立ちしにくいことが第一条件です。秋冬ホウレンソウの品種は使えません。
春ホウレンソウ用の品種は多々あるもののこれに限るというような品種にはなかなか出会えていません。
種播きは何時ものようにバラ播き。基本間引きはしないので薄播きにします。小さく赤いのが種です。


両品種とも同じようなものですが、「晩抽グレイスほうれん草」の方が種が小さく感じました。
種播き後に薄く鍬で覆土。強粘土質の土壌のためごろ土が目立ちます。


さらにくん炭を掛けました。


地温を上げるのと土が固まるのを抑えようとやっていますが、効果のほどは不明。多少は酸性改良も期待しています。
このままでは水分不足なので灌水してから透明ポリでマルチしました。


トンネルを掛ける代わりにこれで地温と水分の保持を図るのが我流の省力早播き法です。
この時期なら水分が確保されていれば焼けることはないと思います。
これまではマルチの下に不織布をべた掛けしていましたが、発芽後にマルチを剥がし不織布に変えてみようかと思います。
透明ポリが切れていたため雨よけの使い古しを代用。あくまで省力省コストですがどうなりますか。
これは収穫中の冬ホウレンソウ。


この冬ホウレンソウからあまり間を置くことなく春ホウレンソウに繋げたいところですが、どうでしょう。

「寒玉キャベツ」1ヶ月後の変化は

2025年02月28日 | 畑:葉菜類

冬キャベツを穫り始めて1ヶ月ほど経ちます。
それ以前に殆どが完全結球しており、いつでも穫れる状態でしたが、秋キャベツがまだ残っていました。
品種はトーホク種苗の分かりやすい名称の「寒玉キャベツ」。
種播きは8月13日、9月3日に植付け、10月7日に追肥土寄せ。
収穫開始後は、大寒時よりむしろ立春後のほうが再三の寒波襲来で寒さが厳しくなりました。
また、積雪もあり形だけとは言え雪中甘藍の状態でも穫ってみました。
さすが通称「寒玉」だけあって気象変化にも特段変わりなく穫れています。


多少寒波の影響でアントシアニンの発色が多くなった程度でしょうか。
若干あった8、9分結球だったものもすでに殆どが完全結球になっています。


穫り始めたときの投稿で、例年と姿が違うと記しました。1ヶ月経過後の姿を記しておきたいと思います。
基本的には大きく変わっていません。


多くはこの姿です。


そして、一部にこの姿の寒玉キャベツが混じっています。この辺りに少し纏まってあります。


これがこれまで作ってきた寒玉キャベツです。


冬キャベツはこれまで何品種か作っていますが、この品種は非常に特徴的です。
外葉が大きくやや垂れ生育旺盛で大玉、低温に晒されるとアントシアニンの色素が強く出てきます。
過去に真冬日が連続するような酷寒の年には紫キャベツと見間違うくらいになったことがあります。
しかし、今年の多くの株はそうなっていません。アントシアニンの色素がそれほど強く出ず、葉の縁が僅かに紫っぽくなる程度。
隣同士になっている株を比べると1ヶ月前と同様明らかに違うことが分かります。説明は不要でしょう。


これは間の1株は収獲済みです。アントシアニンの発色だけでなく葉の形や葉脈などもはっきり違います。


一体どうしたことなのか。
そこで、前投稿時に種苗会社に照会してみたところ「昨年までの品種と変わらない」との回答を記しました。
もしかして育種技術者の回答が聞けるかもと期待したのですが所詮無理としたものでした。
失念してしまったので断定できないのは残念ですが、多分従来通りの寒玉キャベツは前年の残り種だった可能性が高い。
それにしてもこれほど見事に外観が違うのは初めての経験かもしれません。


種苗会社で品種名を変えずに改良を加えることは結構あることと聞いています。
アントシアニンの発色が強すぎると消費者から敬遠される可能性もあるので改良を加えるのは十分理解できます。
通常の品種は種苗法に基づく品種登録をしていないため特段の問題はないはずです。
2月の気温は酷寒とまでは言わないまでもかなり厳しいので品種特性に変化があったことは間違いないと思われます。
品種そのものが改変されたか採種の過程で何かが生じた可能性が考えられそうです。
アントシアニンの発色が少ないということは耐寒性が増している可能性もあります。
何れ次回作ればはっきりするでしょう。今季の寒玉キャベツで特に悪いと感じることはありません。
少し小ぶりのものを穫って比べてみます。右が従来からの寒玉キャベツ、左が今季の主たる寒玉キャベツ。


全体の形にも違いがあります。右がやや扁平、左がやや腰高。
食味ではあまり違いがなさそうですが、助っ人は左の方が少し柔らかいと言っています。
こちらは春キャベツ。


品種は「金系201」。1ヶ月前はやや進んでいる印象でした。
しかし、その後の寒波襲来で生育は停滞、例年並みか多少遅れ気味の可能性もあります。
キャベツは10月から6月に入るまでの長期収穫を目指していますが、どうなるでしょう。

ところで、過日たまたまテレビを見ていたらキャベツが依然高いというので生産者にインタビューしていました。
インタビュアーが寒さが厳しいので生育が悪く葉も変色していると盛んに回答を誘導していました。
しかし、畑のキャベツはしっかりしていて少しアントシアニンが発色している程度。生産者の方は戸惑いながら同調していました。
確かに今冬の葉物は高値になっています。キャベツの小売り価格は昨年の3倍になっていると報じていました。
しかし、前年は安かった。安いときは話題になりません。安値と高値の比較ですから差はより大きくなります。
もっとも生産者価格が下がったとしても流通過程の人件費、資材、運賃、手数料は変わらないかむしろ上がっているので末端価格はそれほど下がらないのが現実です。
それにしても最近はありとあらゆる場面でデマが横行、騙すより騙される方が悪い、目立った方が勝ち、勝ったものが正義といった風潮がまかりと通っているように見えます。


畑に冬囲いしたハクサイを取り込む

2025年02月27日 | 畑:葉菜類

畑に置いたままで冬囲いしたハクサイを取り込みました。
冬囲いしたのは12月19日。2ヵ月余り経ちました。
品種は、トーホク種苗の中晩生種「郷秋80日」。
冬囲いは畑に置いたままの方法と室内に取り込む方法の二つの方法で行っています。
これが作業場の中に取り込んで冬囲いしたハクサイ。


外葉を数枚残して新聞紙で包み、逆さまにして寄せています。
天候の影響を受けないので確実な方法ですが、手間がかかりスペースが必要です。
今冬はこちらを少なく囲ったこともあって、大分少なくなりました。順調に消費しています。
こちらが畑に置いたまま冬囲いしたハクサイ。


当地でも一般的に行われている外葉を縛っただけの簡易な方法で、不織布で覆いをしています。
今冬はこの方法で多めに囲っており、残っているのもこちらが多い。それでもすでに過半は穫っています。
この辺りは3㎏超級の大玉ばかりですが、外葉でしっかり守られているようです。


この方法は酷寒になるとやはり凍害を受けるリスクが高まります。
暖冬だった前年と違い今冬は平年並の寒さ。立春後はむしろ気温の低い日が多い。
但し、最低気温-5℃以下が連続するような酷寒になっていないのは幸い。外葉の傷みの程度は例年並みです。
この品種は外葉が大きくしっかりしているので、結球を十分覆うことが出来ます。


しかし、結球内では次第に花芽が生長し、放置すれば何れ割れてきます。
過去には3月まで置いてみたこともありますが、多くが割れてきました。
先週は寒波襲来で気温がかなり下がったものの今週は上がってきました。やはり2月中には取り込む必要があります。
これまで穫ったものは結球に目立った傷みはありません。


これは4㎏越えと思われる超大玉。


ハクサイのトウは美味しいので、構わず放置しとう立ち菜として利用することも可能ですが、後の作業に支障があるので全て取り込みます。
傷んだ外葉は畑で剥いてしまいます。それでも余分な外葉が2、3枚残っています。


傷みのある株も若干あり、それらは改めて囲わずそのまますぐ消費することにします。
取り込み再度囲い直すのは10個余り。


年内に取り込んだ時と同様新聞紙に包んで囲い直します。


本来は外葉をもっと付けて囲うべきですが、この時期になればやむを得ないでしょう。


2月末になりましたが、気温も低く割れた株は一つもありませんでした。
巨大玉は包むのには新聞紙3枚必要でした。


このくらい大きいのは滅多にないので目方を量ってみました。
5㎏ありました。通常の2個分です。市場出荷では規格外として取り扱われないかもしれません。


助っ人が当初から中に取り込んだハクサイと区別し、囲い直してくれました。
右が初めから取り込んだもの。左が今回取り込んだもの。


覆いをしておきました。


今冬は結構他にも配ったようでほぼ想定した残量になっています。
気温が上がってくれば結球中で何れ花芽が生長してくるので助っ人にできるだけ無駄にならないよう処理してもらいます。



「曲がりネギ」を穫ってみる

2025年02月24日 | 畑:葉菜類

曲がりネギを穫ってみました。
当地方伝統の曲がりネギ風に仕上げてみようと12月に植え替えをしたもの。
当地方で言うところのいわゆる「ヤトイ」の作業を行ってから2ヵ月余り経過しました。


今作の長ネギは出だしは若干遅れたものの概ね想定通りに仕上がりほぼ満足していました。
但し、土寄せは限界に達しており、さらに軟白を完全にするのは難しくなっていました。
そこでより軟白を完全にするため、一部を昨年に引き続き曲がりネギ風にしてみようとした訳です。
本来の曲がりネギは軟白を始める時に「ヤトイ」の作業をするので、時期が遅くあくまでも曲がりネギ風です。
「ヤトイ」とは一度掘り上げてから斜めに寝かせて植え替える作業のことです。
2ヶ月余りの経過を見るために「ヤトイ」の作業時と現在の姿を比較してみました。
これが「ヤトイ」時のもの。手前が寝かせた側になります。


多少の角度のずれがありますが、これが現在。


寝かして植え替えたネギは生長するにつれて葉が垂直に立ち伸びてきます。
角度を変えて、これが「ヤトイ」時のもの。


これが現在。


さらに見る位置を変えてこれが「ヤトイ」時のもの。


これが現在。


ほぼ真横から見ると、これが「ヤトイ」時のもの。


これが現在。但し、見る位置が全く逆で寝かせたのが左側です。


このように生長するにしたがい次第に曲がりが付いてきます。
斜めに植えられているため土寄せは分岐部まで容易にでき軟白がやりやすい。
もっとも時期が遅く冬期間のためあまり伸びず、「ヤトイ」後の土寄せは一度で少ししただけです。
穫ってみました。


抜き取りは非常に簡単。長ネギよりも楽にできます。
本来の曲がりネギより曲がりの程度が少ない。やはり曲がりネギ風です。
「ヤトイ」によって根が切られ、しかも時期が遅いため生長は停滞してしまうようです。
太さも「ヤトイ」時と殆ど変わらず、場合によっては痩せたものもあるかもしれません。
しかし、土は分岐部までしっかり掛かっているため軟白だけは確実に進んでいるはずです。
こちらは長ネギ。


厳寒期でも成り行きに任せ特段の管理はしていません。
さすがに枯れ葉も目立っていますが、こちらは僅かずつながら茎は太っています。軟白は多少進むものの限界があります。
穫った曲がりネギの泥皮を剥いて調製してみます。


本来の曲がりネギから見ると曲がりが少なく綺麗とは言えませんが、それなりの仕上がりです。
軟白は確実で、長さも十分に確保されています。
但し、「ヤトイ」で生長が停止するためボリュームでは長ネギには劣ります。


当地方では曲がりネギは旨いネギとして評価されており、価格も長ネギよりやや高値で取引されることが多い。
「ヤトイ」で植え替えられた後、生長しながら曲がるときにストレスが掛かり、軟らかく甘味も増すと言われています。