里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

蔓なしサヤインゲンから蔓ありサヤインゲンへ

2024年07月31日 | 畑:豆類

サヤインゲンは蔓なしと蔓ありを時期を変え作っています。
蔓なしサヤインゲンは6月25日頃から穫り始め、一挙に盛りとなりました。
4月25日に我流の省力直播きしたもの。
集中的に成り込むのが蔓なしサヤインゲンの特徴で、7月半ばくらいまでが最盛でした。
以降は完全に終盤ですが、2番成りと言うべきか未だ穫れています。


品種は2品種。これがタキイ種苗の「さつきみどり2号」。


こちらが少し早く穫れ始め、急激に成り込みます。まだそれなりの莢が成っています。
ケンタッキーワンダーを小型にしたような莢で柔らかいのが特徴。


こちらがカネコ種苗の「スーパーショット」。


曲がりが少なく姿が良いのが大きな特徴。莢は短くなっていますが、まだ穫れています。
同様に調理すれば「さつきみどり2号」よりやや硬いようです。


想定より少し遅れていましたが、こちらがメインの蔓ありサヤインゲン。


若干遅れたのは種播きが6月10日と昨年より少し遅かったこともありますが、品種を変えたことが大きい。
ここ4年ほど「いちず」と言う品種を作ってきました。穫れるのが早く急激に成り込みますが短命です。
半蔓性に分類されることもあるようであまり茂らず、工夫してもなかなか長期収穫は難しい。
そこで、今年は従来作っていたケンタッキーワンダー系の品種に戻しました。
品種は「ケンタッキー101」と「ケンタッキーカンサス」の2品種。
これがタキイ種苗「ケンタッキー101」。


「ケンタッキーカンサス」より明らかに草丈の伸びが早く、旺盛に茂ります。
莢の着きもこちらが多いように見えます。


昨年作った「いちず」は穫れるのも早かったですが、この半分も茂りませんでした。
「いちず」と言う品種を半蔓性に分類することもあるのが、実感としてよく分りました。
「いちず」は親蔓の摘芯もすることなく終わっていたため「ケンタッキー101」も摘芯するタイミングを逃し、そのまま伸ばしてしまいました。
猛暑で若干葉焼けが出ています。この程度ならさして気になりません。
むしろ空梅雨の日照りの中でよく耐えていると評価できます。
生育の姿も莢の形も典型的なケンタッキーワンダー型。タキイ種苗では丸平莢と分類しています。
数日前から穫れ始めました。長期収穫には悪くない感触です。
こちらが以前にも作っていたタカヤマシードの「ケンタッキーカンサス」。


「いちず」に比べると草丈が伸び生育もはるかに旺盛ですが、「ケンタッキー101」よりは劣ります。
やはり葉焼けが少し出ています。耐暑性でも少し劣るのかもしれません。
収穫も若干こちらが遅い。まだほんの僅か穫れだしたばかり。莢は丸莢らしい形で整っています。


助っ人が穫り、遠慮してか我が家の分と「ケンタッキー101」を置いていきました。


4品種が同時に穫れることもあまりないので、数本ずつ並べ比べてみます。
右から蔓なしの「さつきみどり2号」、「スーパーショット」、そして蔓ありの「ケンタッキー101」、「ケンタッキーカンサス」。


小生は何れも丸莢と思ってきましたが、タキイでは種部がややゴツゴツした典型的なケンタッキーワンダータイプの莢をするっとした丸莢と区別して丸平莢と分類しているようです。
我が家郎党は平莢を好みませんが、丸莢と丸平莢を別種と感じる人間はいません。
いずれにしろ今年の猛暑下では品種を変えたのは正解だったようです。



夏秋キュウリ最盛期の整枝、摘葉、摘果と追肥

2024年07月30日 | 畑:果菜類

夏秋キュウリは植付けてからほぼ2ヵ月半、収穫開始から40日余り。
品種は「OS交配ニーナ」。
2本仕立てにしており、主枝は32、3節で摘芯しました。
この品種は節間が短く節数が多い。なおかつ主枝、側枝ともほぼ100%の節成りです。
したがって着果数が頗る多く、間違いなく多収品種と言えます。
今月早々には側枝からも穫れるようになり最盛期入り
主枝からの収穫はほぼ終わり、一旦はピークは過ぎたかと思われました。
しかし、さにあらず、このように中上段の側枝が次々と肥大。


加えて下段の孫蔓からも穫れ出しました。


気温も高いことから1株1日数本の収穫が休まず続いています。


空梅雨とは言え2、3度の降雨で再びべと病、褐斑病がぶり返しました。
そもそもは雨除け向きの品種なので露地ではべと病、褐斑病に弱いようです。
それでも成り続けるので、やるべき管理はやらないといけません。
整枝は子蔓まで大方終わっていますが、主枝の芯止め直下の子蔓が今盛んに伸びています。
この部分の側枝は強いので摘芯します。


側枝(子蔓)は通常は長さ15㎝、1、2節くらいで摘芯します。
但し中段の側枝は伸びにくい。樹勢が弱らないよう中段の側枝は1、2本摘芯せず伸ばしています。
これは隙間があるので下の方に垂らしました。


孫蔓はできるだけ伸ばします。


退化気味の蔓が伸びてくればよいのですが、どうでしょう。
下段の孫蔓でベットに這いそうなものはこのようにネットに掛けて伸ばしてやります。


この後は伸び具合を見て混みすぎになるようなところは摘芯します。ケースバイケースです。
次は摘葉。
枯れ葉になったものは摘み取ります。


葉には寿命があり、健全な場合でも葉が展開して45日から50日とされます。
この時期にはすでに中段の上くらいまで親葉の寿命は尽きています。
しかし、寿命とは言え一度に何枚も摘むと樹勢にはマイナスなので今回はこの程度。


これからは子蔓や孫蔓を最大限に活かすよう、摘葉主体に行います。


そして摘果。
形の悪いものは小さいうちに見つけ次第摘み取ります。


着果数が頗る多いので果数が不足することはありません。
気温があまりに高いので敷き藁を追加しました。


追肥は黒マルチの裾を少しまくり上げ、敷きわらの上から速効性肥料をバラまきます。
しかし、雨に溶け吸収されなければ期待薄。深層施肥した畝作りの効果に期待です。


連日このくらい穫れ続けています。


株間を広くし植付け本数を減らしましたが、穫れる量は変わりません。
助っ人は今年も大量に塩漬けにしています。
小生にとっては、いずれ味噌漬けや粕漬けになって戻ってくるので有り難い。
夏秋キュウリの目標収穫日数は100日以上。まだ折り返しにもなっていません。
異常な高温が続く中、このハイペースの収穫で樹勢を維持するのは難しい。
長持ちさせるだけなら細々と穫れた方がむしろ良い。長期と多収は矛盾する側面もあるようです。
しかし、それを達成できた時は格別。自己満足ですが。


イネは猛暑で出穂が早まり高温障害を懸念

2024年07月29日 | 田んぼ

この度の豪雨で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
当地はことごとく雨雲がすり抜け大した雨は降っていません。
異常な高温が続く中、イネは早くも出穂期を迎えました。
10日ほど前にイネの出穂は昨年に近いと予想しましたが、我が家の出穂期はこれまで最速だった昨年と同日となりました。

遠目には分りにくいですが、少し近づくと過半の穂が出ています。


今、花が咲き受粉の盛りです。


沢山の花粉が水面に浮いているのが分ります。


この時期はいわゆる花水と言って最も水を必要とします。
出穂開花期は吸水力が高まり、加えて今年は酷暑、蒸散量も多いので放置するとたちまち水が無くなります。
水を切らさないようにするのはこの1週間ほど。花収まりすれば何時も水を溜めておく必要はありません。
それにしても当地今年は全くの空梅雨、先週後半になりようやく雨らしい雨が降りました。
6月の降水量は平年の1/3、7月も半分ほどしか降っていません。
当地では梅雨期と言えば一度や二度はヤマセの心配をするのが常です。
田植えをして以降、昨年、今年と2年続けて一度もそのようなことなく真夏に突入しました。
低温障害だけは全く心配する必要がありませんでした。1年でも珍しいのに2年連続とは驚きです。
先週前半には滅多にない猛暑日を連続して記録し、出穂が一層早まりました。
ただその後は天候がやや悪く一挙に穂が出揃うとまではなりませんでした。
この田んぼが早く出始めました。


この辺りが最も早く穂が出始まった所。かなり穂が出揃ってきました。


いわゆる走り穂が7月24日頃から出始め、それらは少し屈んできました。


例年なら梅雨時は雨で自然に水が溜まるのですが、今年は季節外れの日照りでこまめに水を引き込まなければなりませんでした。
先週の雨でしばらくぶりで自然に水が入りました。
この田んぼは若干遅いように見えますが、それでもせいぜい1日程度。


やはり半数の穂は出ています。


この田んぼは中干しが少々きつくなり、未だ亀裂が確認できます。


例外的に水の引き入れ口や日陰になる部分など穂の出方が若干遅れているところはあります。
出穂期の定義は半数の穂が出た時となっているので、我が家の今年の出穂期は7月28日。昨年と同日です。
穂揃い期は9割の穂が出た時なので、我が家の穂揃い期は明日か明後日となりそうです。
昨年が7月30日でしたから過去最速だった昨年とほぼ同じと言っていいでしょう。
今年は昨年に引き続き全国的に猛暑に見舞われていますが、当地方も同様。
当地方が猛暑日を記録するのは稀なこと、あっても一夏1日か2日程度。
しかし、それが常態化してきたと言うことでしょうか。
イネにとって、早く穂が出ることも気温が高いことも決して良いという訳ではないのです。
人間が苦しいような気候はイネにとっても消耗が激しい。
これから稲穂が稔る時期に入ります。高温障害による品質の低下が心配です。
イネが消耗すると充実した米粒になりません。米粒が白く濁ってしまう白未熟米も発生しやすい。
昨年も同様な条件でしたが、我が家では結果オーライ。
日照に恵まれたことや過剰な分けつを抑えられたことが大きかったと思います。
そして、里山は平場より夜温が1、2℃低く、それが消耗を抑える上では大きなメリットです。
しかし、今年はこれからの天気予報が芳しくなく不安がより大きい。
さらに、この先穫り入れまでには台風に秋雨前線とハードルはまだまだあります。


水墨画「鬼百合」

2024年07月28日 | 水墨画:草花
本画仙 色紙
 

ユリには様々な種類があります。豪華なユリ、鮮やかなユリ、清々しいユリ、可憐なユリ等々。
そんな中ひときわ異彩を放っているのがオニユリです。
反り返った大きな花びら、ケバケバしくも見える鮮やかな朱色に多数の斑点、飛び出した長い蕊。
赤鬼を連想させる野性的な風貌が名付けられた所以なのでしょう。
オニユリ自身にとっては有り難かったのか有り難くなかったのか。
一方、花とは似つかわしくないほど葉は小さく多い。葉腋には結構大きなムカゴが多数付いています。
墨彩の方がオニユリらしさは出しやすいのですが、今回は敢えて水墨で描いてみました。


復活を実感ヤマユリとオニユリ

2024年07月27日 | 

数日前、当集落の幹線道路近くにヤマユリが咲いていました。
立木を伐採した山裾にありました。


ヤマユリの周りの雑草を刈り払いしたようです。


ヤマユリは北向きのやや日陰に咲くことが多い。
例年よりもかなり早く、やはり気温が高かったからと思われます。


株数は多くありませんが、この時期に見ることが出来るのは嬉しい。


それほど輪数が多いヤマユリはないようです。これが最も多そう。


1輪の若いヤマユリ。


かつて、我が家の向かいの山裾には群生と言ってよいほどヤマユリが自生していました。
大株のヤマユリが沢山の花を付け、夏の風物詩とも言える見事なものでした。
下草の刈り払いはなかなか大変でしたが、やり甲斐がありました。
それが、10数年前から当地にもイノシシが出没するようになり、球根を食い荒らしました。
僅かに残った球根から復活したかにみえたのも束の間、ついに食い尽くし壊滅しました。
以後、復活の兆しは見えません。
ヤマユリの球根、いわゆる百合根は地中深くにあり、地上部が枯れれば何処にあるのかは分からなくなります。
ところがイノシシは百発百中、2、3年で惨憺たる状態になったのです。
それでも、昨年に引き続き集落内でヤマユリの花を見ることが出来たのは嬉しい。
ここ2、3年イノシシの数が少なくなったのが要因と思われます。
数年で大繁殖し、大きな被害を与えたイノシシでしたが、豚熱いわゆる豚コレラで大幅に減ったと言われています。
こちらは我が家の庭のオニユリ。


やはり今年は大分早まっているようです。


もともとこの場所にはオニユリが密生していました。


数年前、イノシシが方々を荒らし回り被害を与えた際、何と庭にまで侵入。
ヤマユリの球根ばかりかオニユリまで食い尽くし壊滅状態になりました。
しかし、僅かに球根かムカゴが残っていたと思われ、少しずつ復活してきました。


オニユリは葉腋にムカゴが沢山付くので繁殖しやすいと思われます。


オニユリの少々派手な花色や独特な風貌を好まない方もいるでしょう。
しかし、庭とは言ってもメインの場所ではないのでそれほど気にはなりません。
この時期、なくなって改めて存在感のある花と感じさせられたことでした。


ヤマユリもオニユリも少しずつ復活してきたことが実感できます。
しかし、最近、再びイノシシが増加している気配が見えます。困ったことです。