里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

我が家の古木④~ツゲ(柘植)

2023年03月03日 | 大樹と古木

我が家の古木、第4はツゲです。
このツゲがどのくらいの古木なのか明確な裏付けはありません。
ザクロと紅梅・白梅の樹齢は100数十年、少なくとも130年以上とする根拠は明確、オッコウについても高い確率でほぼ同様と推測できることから比較すると、根拠は希薄です。
位置的に見ると、このツゲは庭の一番奥、庭の正面から見てすぐ左にオッコウそしてザクロ、右に白梅紅梅と同列に植えられています。
この位置からだと、手前にオッコウの根元が見え、すぐ左手にツゲの下部が見えます。


仮に、この一列がほぼ同時期に植えられたとするとツゲも他の古木と同様となるのですが、小生では分りません。
と言うのも、ザクロや梅はもちろんオッコウも幼少の頃の記憶が明確にあるのですが、ツゲの記憶は全くないのです。
子供の頃には庭木など関心がなかったわけですから、よほど印象が強くなければ憶えていないのも道理です。
逆に言うと他の3者は子供にもインパクトがあったということでしょうか。
ただ、客観的に今のツゲを観察すると相当に古いことは察しがつきます。
太い幹に苔むした肌。


根元回りの重厚感。


空洞化した根元。


実は、以前この根元周辺がよく見えなかったため、それほど古いと言う印象がなかったのです。
枝を整理し観察できるようになって、改めて見直すと他の古木と同様と考えるのが相当と思えます。
これまで長い間放置し、近年は助っ人に適当に刈り込みだけをしてもらっていました。
ところが、その刈り込みも難しくなり、2年ほど前思い切ってバッサリと切り詰めました。
かなり乱暴なやり方ですが、ツゲは丈夫だからと楽観的に考えたのでした
切り詰めれば弱りやすいので、本体が枯れる可能性もあります。しかし、ツゲには悪いけれど失敗しても他の古木くらいの価値はなさそうと勝手に判断した次第。
その時、切り詰める前のツゲはこんな姿。


これが切り詰めた後。


幹がむき出しになりました。


剪定量も相当なものでした。

見栄えも考えながら枯れないように毎年大枝を少しずつ整理し、最終的には全体を胸の高さくらいで楽に刈り込めるようにしたいと考えています。
これが現在。


2年の間に新しい芽が大分吹き出しました。


今年はこの枝を整理します。


腐れもあったので根元から切断。


今後、さらに新しい芽が多くなれば、高くなったこの太枝を切り詰めます。


2年前と比べると大きく変わりました。


ツゲは成長が遅くて材質が硬く、将棋の駒や算盤の珠にも用いられています。
ザクロや梅など他の古木と比べると、かなり強いと感じます。
これから形を作り替えても十分いけるのではないでしょうか。


我が家の古木③~オッコウ

2023年03月02日 | 大樹と古木

我が家の古木、第3はオッコウです。
正面から見るとこのようになっています。両側は枠から外れるほど広がっています。


昨年、若手の助っ人が刈り込みをしてくれたのですが、少々キツすぎました。
老木なので弱りやすい。当分は刈り込みは控える必要がありそうです。


ザクロと紅梅・白梅の樹齢は100数十年、少なくとも130年以上とする根拠がはっきりしていますが、このオッコウについては樹齢の裏付けになるものはありません。
ザクロや梅の根拠と言うのは40年前に亡くなった祖母の証言です。残念ながらオッコウについては話題になりませんでした。
ザクロや梅のような圧倒的存在感はないので、やむを得ないかもしれません。
ただし、小生が物心ついた頃にはすでに相当に大きくなっていました。幼少時の記憶ながら今とあまり変わらない印象です。
このオッコウは庭の一番奥にザクロと白梅の間に植えられています。
これらのことからザクロや梅と一緒に植えられた可能性が高いと推測しています。
庭を眺めてそのように言われる方も多い。
正面左横から見るとこのようになっています。

少し下から。

さらに下から覗いてみます。


右横から見てみます。


正面から奥を覗くと幹がこのように伸びています。


正面から数m先に根元が見えてきます。


根元はこのようになっています。幹は何本にも枝分かれし、這うように伸びています。


根元側から正面を見ると、このように幹が長く伸びています。

正面中心部を後から覗いたところ。

全体を撮るのは困難。
根元から幹が右にも伸び、ザクロのすぐ側まで来ています。


これは別の場所にあるオッコウ。姿もずっと小さく、位置的に見ても後年に植えたものと分ります。


ところで、オッコウと言うのは当地方の呼び方です。
オッコの木などと言う場合もあります。東北北部ではオンコと言われると聞きます。
植物音痴の小生、オッコウの正式名称はイチイ、園芸種にキャラボクがある程度に思っていました。
今回、改めて少し調べてみました。
イチイは常緑針葉樹で高さ15mほどの高木になり、樹形は円錐形になる。
葉は羽状に互生し、濃緑色で線形をし、先端は尖っているが柔らかく触ってもそれほど痛くない。枝に2列に並び、先端では螺旋状につく。とあります。
一方、キャラボク(伽羅木)はイチイの変種、常緑低木で高さは0.5~2m、幹は直立せずに斜に立つ。根元から多くの枝が分かれて横に大きく広がる。
葉はイチイのように2列に並ばず、不規則に螺旋状に並ぶ。とあります。
これらのことを考慮すると、我が家のオッコウは正式にはイチイではなくキャラボクが正しいようです。


しかし、これまでもオッコウ、周囲も皆オッコウで通っているので、オッコウで良しとします。
小生が勝手に我が家の古木としているのは、ザクロ、紅梅・白梅とオッコウ。そして、その維持はなかなかの難問です。


我が家の古木②~紅梅・白梅

2023年03月01日 | 大樹と古木

我が家の古木について改めて記録すべく第一番にザクロを記して以来、しばらく遠ざかっていました。
過日、梅の剪定をしたので、ここに紅梅、白梅について記録します。
紅梅、白梅はザクロと双璧をなす我が家の主と言える存在です。
樹齢はザクロと同様100数十年と推測しています。少なくとも130年以上。
根拠は、やはり40年前に亡くなった祖母の証言で、祖母が生まれた時には、ザクロとともに紅梅・白梅もあったと言います。
祖母が生まれたのは明治25年で、仮に存命ならば130歳。
おそらくは庭を作った時、最初に植えられた庭木の一つと思われます。
こちらが紅梅。


八重で色が濃く、綺麗な紅梅です。
しかし、老化して苔むし、かなり弱っており、花数も少なくなっています。


幹の腐れも目立っています。

空洞も年々大きくなっています。


剪定はできるだけ抑えて、新しい枝は伸ばすようにしています。
しかし、強い枝はなかなか出てくれません。ようやく数年掛けて1本伸びたので一度切詰めました。


根元に近いところの枝も伸ばしていたので、多少は勢いづいてくれた気がします。
さすがに歩くにも邪魔になってきたため、枝の整理をしました。


これが剪定後。


上部の方は伸びる枝は少なく、枯れた枝を整理する程度で、ほとんど手を掛けていません。


こちらが白梅。


もともと花数は多く満開になれば見応えがあります。
そもそもが花梅だと思いますが、小生が幼少の頃は実もそれなりに成っていた気がします。
幹は重厚感があり貫禄十分です。


紅梅に比べると、腐れや空洞は少なくまだ勢いが感じられます。


昔は、結構強い枝が伸びたので、剪定は専ら太枝を切詰めることでした。
しかし、10年くらい前からはめっきり枝が伸びなくなり、弱ってきたようです。


この白梅に4年ほど前、カイガラムシの一種でタマカタカイガラムシと言う害虫が寄生し危機的状況に陥りました。
これがそのタマカタカイガラムシ。


初めてのことで対策に苦慮しました。
消毒とそぎ落としだけでは難しく、思い切って寄生した枝を切り落としました。
荒療治でしたが、奏功したようで今は全く見られなくなりました。
徒長枝はかなり出ています。


今の剪定は樹勢を保つためこの徒長枝を切る程度にしています。


昨年春は以前と遜色ない程度まで花が咲くようになりました。


最近、蕾が膨らんできましたが、咲くのは大分先です。
これは昨年4月の満開時の紅梅。


白梅。

紅梅、白梅とも更新できるような新しい太枝は出ないので、老木の樹勢をどのように維持していくべきか答えを見つけかねています。


我が家の古木①~石榴(ザクロ)

2022年11月14日 | 大樹と古木

我が家には相当昔に植えられた古い庭木がいくつかあります。
ザクロもその一つで、今年3年ぶりに実を着けました。
この機に、改めて我が家の古木について、記録しておくことにしました。
古木の正式な定義は知りません。小生の勝手なものです。
何と言っても、筆頭に挙げるべきはこのザクロ。


我が家の庭ではダントツの存在感を示しており、我が家のぬし的存在です。


樹齢はざっと100数十年と推測しています。少なくとも130年以上。
根拠としては、40年前に亡くなった祖母の証言です。
祖母が生まれたのは明治25年で、仮に存命ならば今年ちょうど130歳と言うことになります。
祖母が生まれた時には、すでに現在の家があり、物心ついた頃にはザクロの木もあったと言います。
おそらく このザクロの木は庭を作った時、最初に植えられた庭木の一つと思われます。
長い年月に耐えてきた風格は他の庭木を圧します。


しかし、それだけに勢いが弱ってきたことは明らかです。
昔は新しい太い枝が生長するため、伸びないように切り詰めることが主な剪定でした。
今はそのような枝はなくなり、新たな枝は殆どが徒長枝です。


幹の一部は腐り空洞も目立ってきました。


また植物も生えています。それらもこの木の風格を形作っているとも言えるのですが。


昔は、沢山の花が咲き、秋になれば実も沢山着けました。
幼少の頃は木によじ登って熟した実を採り、よくしゃぶったものです。
今は花も実もぐんと少なくなりました。そういう樹齢ではなくなったと言うことなのでしょう。


少々記憶が曖昧になってしまいましたが、今年の花は少なく写真にも留めていません。
これは、一昨年のもの。


近年では比較的多かった方です。


しかし、一昨年、昨年と2年連続で果実は1個も成りませんでした。
多分今年も成らないだろうと全く期待していませんでした。
それが何と1カ所に固まって成ったのです。


そもそもザクロは花数に比べて実留まりが悪いので、このような着き方をするのは珍しい。
まして、老木なのでこんな風に成るとは思いもしませんでした。


葉は黄葉し、落葉してきました。
実がパックリと割れるのを待っていましたが、無理のようです。
ある程度皮に張りがないと割れません。ここで、採ることにしました。


小さい実1個だけ割れていました。他は皮は老化し割れるまでの余力はなくなっているようです。異常乾燥が続いたこともあるかもしれません。

1個だけでも、パックリ割れたのをしばらくぶりに見ることができたのは嬉しい。


仏壇に1個供えました。
切ってみました。鮮やかな赤色の種子。


昔は庭木であると同時に果実としても利用していました。
久しぶりにしゃぶってみました。酸っぱいながらも甘味があります。懐かしい味が蘇ります。
少し調べてみると、ザクロは古典的園芸植物の一つで、縁起のよい木として昔から庭に植えられたらしい。
熟した果実に多数の赤い種子が入っていることから、子孫繁栄の意味をもち、子宝のシンボルにされたと言います。
庭に最初に植えられたのももっともと理解できます。
ただし、我が家の庭を象徴するこの古木を維持していくのは容易でないことなのです。
この後、機会を見て他の古木についても記録したい。


我が家の大樹③~榧(かや)

2022年04月03日 | 大樹と古木

我が家の大樹3回目は榧。
前記の通り、大樹については正式な定義とは関係ありません。
我が家の大きな木を明らかにしておくため、あくまで小生が勝手に決めたものです。
計測については、一人では困難なので、根元の大まかな計測です。一部は胸付近の幹周りも計りました。
榧はこの辺りでは普通に見られるものの、多くはありません。
榧はイチイ科の常緑針葉樹で、碁盤や将棋盤に使われる材として知られ、特に柾目の材は最高級とされます。
榧の大樹は我が家のすぐ裏手にあり、周辺にも数本あります。
庭から作業場の屋根越しに榧の木の上部が見えます。


これが最も大きい榧。


根元付近。


上部。


根元周りを計測。

約280㎝でした。


胸付近で約2mありました。
榧の木には沢山の実が着きます。この木が元になって周囲に殖えていったのでしょう。
これが2番目に大きい榧。

根元周りを計測。

約230㎝。

この榧は姿が綺麗です。真っ直ぐに伸びており、枝までの長さはこちらの方が長そう。


これがすぐ側にある3番目の榧。

計測はしませんでしたが、根元周りで2mくらいでしょう。


これに近い榧が2、3本あります。


榧は太るのに時間がかかります。
そのため年輪は緻密、材は黄色で光沢があり大変綺麗です。
これは40年ほど前のリフォーム時に玄関上がりに用いた榧材。


少々傷んではきましたが、緻密で光沢があり、味わい深い。


新建材のフローリングとは違い、趣があります。
榧といえば、碁盤や将棋盤に用いられることで知られます。
最高級の柾目で作るには巨大な太さが必要で、我が家の榧では板目でしか取れないでしょう。
へぼ碁を嗜む小生は、いつの日か我が家の榧の木で碁盤をなどと夢想していましたが、やはり夢で終わりそうです。