里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

ウルイと山ウドを採る

2023年04月30日 | 山菜

山菜の一つにウルイと山ウドがあります。
但し、これは栽培しているものです。
まず、先に採れ始めるのがウルイ。


今年は4月20日頃から採り始めました。例年より1週間ほど早い。
ウルイは2カ所にあります。
ウルイは主に茎、葉柄を食べます。


葉が完全に開いてしまった場合は葉柄を食用にしますが、葉が展開する前の軟らかいうちなら葉も食べられます。


こちらは別の場所。


葉が完全に開いたものは、こんな風に葉は除いてほぼ葉柄だけにします。


ウルイは僅かにぬめりを感じる程度で癖は殆どありません。
お浸し、炒め物、和え物、汁物など用途は様々です。
これは近くの山にあった天然のウルイ。


天然のウルイは栽培ウルイのように育ちは良くないので、今はあまり採りません。
店ではハウスで伏せ込み栽培した軟白ウルイを見ることがあります。
ウルイの正式名はオオバギボウシ。但し鑑賞用ギボウシは食用には向きません。
こちらは山ウド。


ウルイより数日遅れて採り始めました。
やはり例年より1週間ほど早いようです。


山ウドも2カ所にあります。
単に土盛りをして少しだけ茎を伸ばすやり方です。
このくらいになったところで採ります。


天然のウドよりは茎が太いもののより天然のウドに近い。
このウドは、30年以上前に知人から株を分けていただいたもの。
以前に当ブログに記したことがあり、懐かしさが詰まったウドです。
このウドの株を近隣の方に分けてあげています。
こちらは別の場所。少し日陰になるので遅れて出てきます。


山には天然のウドも出ます。但し時期が少し遅く茎は細くて真っ青です。
店に出ている山ウドと称したものはハウスに伏せ込み茎を長く伸ばしたものが殆どです。
我が家の山ウドは天然に近いので香りがずっと強い。
土をよけて、根元から切り取ります。


ウルイが殆ど癖がないのに対し、山ウドは個性が強い。
小生は香り大好き人間なので山ウドは大好物。
葉を天ぷらにしたり、味噌汁に入れたりするのも美味い。
一番好きなのは味噌漬けを肴にしての一盃。


まず表面の皮を薄く剥きスライスし水にさらしてアクを取ります。
その後味噌をまぶすようにします。
短時間でも良し、数日経っても良し、それぞれの味を楽しめます。






水墨画「花海棠」

2023年04月29日 | 水墨画:草花
本画仙 色紙  

我が家の庭にあるハナカイドウは今年沢山の花が咲きました。
昨年は花数がごく少なかったので、その周辺の雰囲気が大分違います。
カイドウと言えばリンゴと同属。類似のマルバカイドウはリンゴの台木として使われることは小生も知っています。
剪定の問題かとも思いますが、果樹によく見られるようにハナカイドウにも隔年変化があるのかもしれません。
ハナカイドウの花は満開時もピンクの色が濃く鮮やかで、沢山咲くと見応えがあります。
桜や梅の花と違い、花びらが雄しべや雌しべを包むように咲きます。
しかも満開でも半開きで垂れ下がるのように花を着けるのが特徴。
ハナカイドウは初めて描きますが、特徴を捉えるのは甚だ難しいと分りました。


今年のサヤエンドウは早い

2023年04月28日 | 畑:豆類

サヤエンドウが穫れ始めました。


例年、我が家でサヤエンドウが穫れ始めるのは5月の連休後半頃。
10日くらい早いようです。4月中に穫れるのは珍しい。
今花盛りと言ったところ。


例年、我が家のサヤエンドウはやや蔓ぼけ気味になる傾向があります。
蔓ぼけとは旺盛に茂り過ぎると花の咲くのが遅れ実の留まりや肥大が悪くなること。
今年はそのような心配はありません。開花も莢の肥大も順調です


しかし、小生の経験則では、ある程度生育旺盛な方が穫り始めは若干遅くても沢山穫れる傾向にあります。
今年は、草丈がまだ150㎝くらいで人の背丈には達していません。
この場所は前作の肥料が残っている可能性が高く、追肥をしませんでした。
しかし、欠株ゼロですべて2本立てにしており分枝も多く、茎葉の緑も濃い。
これは肥料が不足しているのではなく、乾燥によるものでしょう。
今年は4月極端に雨が少なく畑がカラカラ、ようやく僅かばかりお湿りがありました。
それでもサヤエンドウはよく育っています。


支柱は篠竹を利用しており横竹を2段に挟んでいます。その上にはテープを張り支えています。


エンドウには白花と赤花がありますが、我が家は専ら赤花蔓ありえんどう。
白花も良いですが赤花は画になりやすい。


かつて、色んなエンドウを作ってみたことがありました。しかし、何と言ってもトドメはサヤエンドウ、絹さやです。
その繊細な香りと食感は特別。
香り大好き人間の小生は、今どき香り豊かな山菜を色々食していますが、絹さやの香りは別物です。


5月の連休中には最盛期に入りそうです。


早く穫れ出しただけに勢いが衰えるのが心配。異常な乾燥状態が解消されないのは困りものです。


水辺や湿地の山菜を採る

2023年04月27日 | 山菜

里山では水辺や湿地にも自然の恵みがあります。
まずは野ゼリ。今が旬です。
過日記したワサビのある近くには野ゼリの繁殖した所があります。


セリは春の七草で正月料理に使われるので冬が旬と思われがちですが、天然の野ゼリは4月から5月にかけて採ります。
当地では、特に4月下旬が丈も適度に伸びて軟らかく最も美味しい時期です。
野ゼリは水路や湿地など水のあるところにはごく普通に生えています。
しかし、やはり水の澄んだ所に生える野ゼリを採りたい。
ワサビのある小さな沢の下方のなだらかになる所に野ゼリが沢山生えています。


小さな沢からは澄んだ湧き水が流れており、頗る綺麗で最適な条件です。
セリの繁殖する条件はワサビの繁殖する条件よりははるかに幅が広い。
ですからセリは群生しやすいのです。
ただ昨年より生育は良くないようです。昨年は一面に茂っていました。
しかし、採るには十分すぎるほどあります。
天然の野ゼリは栽培セリのようには伸びません。


野ゼリの香りは非常に強いため、香りが苦手な人には向きません。
野ゼリは店に出回る栽培セリとは別物と考えた方が良さそうです。
栽培セリは伸びが良く沢山穫れるよう選抜、育種されたものです。
したがって栽培セリは香りが弱く嫌われることが少ないとも言えます。
小生のような香り大好き人間は栽培セリは物足りなく感じ、やはり野ゼリに限ると思ってしまいます。
ストレートに野ゼリの香りを楽しむならやはりお浸し。


実は小生幼少の頃はこれが苦手でした。
周囲にいくらでもあるのでよく食卓に上りましたが、子供には香りが強すぎました。
そこで母はよくホウレンソウと混ぜてお浸しにしていたことを思い出します。
長じてはストレートの方がずっと良くなりましたが。
汁物に少々散らす程度なら誰でも香りを楽しめるでしょう。
水辺の山菜としてよくあるのがクレソン。


湧き水が流れるワサビや野ゼリのある近くには大概クレソンも生えています。


ワサビの花が咲く頃にクレソンの花も咲きます。


クレソンは通称で、和名はオランダミズガラシ、英名はウォータークレス。
クレソンは料理の付け合わせによく使われますが、残されることが多いようです。
野ゼリと同じようにお浸しにして食べてみました。
辛味や苦味があり独特の風味が味わえます。
こちらはミツバ。


湿地には天然のミツバがよく生えています。


店で売られるミツバは殆ど水耕ミツバ。綺麗で細く長く伸びているものの香りは薄い。
天然のミツバは大柄でゴツいけれど香りは抜群、本物の味が楽しめます。


プール育苗'23~追肥し再度入水

2023年04月26日 | 水稲プール育苗

プール育苗の苗は種播き後16日目。
これは2日前。追肥を行いました。


生育は順調で本葉2枚目がほぼ展開しました。


追肥をする前に苗箱の反転を行いました。
ハウスの南側サイド近くは気温が少し低くなるので、ベットのサイド近くは伸びが若干悪くなりやすい。
この左端の所です。


殆ど気にする必要のない程度なのですが、より生育を揃えるためここで苗箱を反転させることにしました。
これが反転後。


分かりにくいと思いますが、反転したため左側苗箱の右端が僅かに低くなっています。
逆に左端の方が若干高くなっています。
北側サイドのベット1列も同様に反転しました。これで生育はより揃うようになるでしょう。
そして、追肥。
追肥は培土の表面が見えるまで水が減ったところで行います。
苗箱の上まで水があると肥料が定着しにくい可能性があります。
このように完全に土が見えています。本葉も2枚とタイミングも良し。


追肥には液肥が推奨されていますが、我が家で用いるのは硫安。
古い在庫があるので、プール育苗を行うようになってからも硫安を使い続けています。
但し、硫安は濃度障害を起こしやすいので薄くして用います。
一般の育苗では1箱当たり硫安現物で5gですが、その1/3以下の1.5g。
実際には水100ℓに硫安現物300gを溶かします。
これを1箱500ccを目安にジョウロで灌注します。


このジョウロは10ℓなので20箱分になります。
灌注後。


灌注後は軽く散水し、葉に付いた肥料分を洗い落とします。
そのまま2日置きました。追肥の肥料も培土に定着したと思います。
連日風が強く、異常乾燥状態でプールの水もほぼ無くなりました。
ここで再度入水します。


目安は培土の上2㎝くらいまで。


入水時間は蛇口を目一杯開いて約40分でした。
苗も伸び、ベットの均平もとれているので深さをそれほど気にする必要はありません。
もう一方のベットにも入水。こちらの入水時間は35分ほどでした。
これで追肥と再度の入水が完了です。
この後は、常時培土の上まで水を保つように入水します。
培土を水に覆われた状態に保つことで病害発生の予防効果があるとされます。
トラブルがなければ数日に一度の入水で十分なはずです。時間は何時でも構いません。
追肥から2日経っただけながらさらに生長したのが分ります。


苗が徒長しないようハウスは昼夜解放したまま十分に換気します。
通常の育苗では毎日の灌水と昼夜のハウスの開け閉めが必須ですから大きな違いです。