里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

水墨画「人参とほうれん草」

2025年02月02日 | 水墨画:菜果
本画仙紙 色紙

ニンジンとホウレンソウの組み合わせで水墨画を描いてみました。
健康を保つ上で欠かせないとされる野菜の中でも取り分け重要とされる緑黄色野菜。
その中でもニンジンとホウレンソウは連想される品目の最上位にランクされるかもしれません。
この2品目には様々な栄養素が含まれますが、最も大きいものがβ-カロテン。
このβ-カロテンも品種や収穫する時期によって違うことが知られています。
一般論ですが、やはり色の濃い品種は含量が多い傾向にあるようです。
そして、収穫時期では冬場の方が高まるのはほぼ一致します。これは生育期間とも関連します。
夏ホウレンソウは1ヶ月も掛からず収穫されますが、厳寒期の冬ホウレンソウは100日以上を要することも珍しくありません。
β-カロテンの含量が生育日数の違うほどに差があることがデータ上にも表れています。
ところで、ニンジンとホウレンソウと言うと、小生が幼少の頃、子供の嫌う野菜の双璧だったように記憶しています。
かつては何れも味や香りが濃く個性が強かった気がします。それが品種改良が進みF1が多くなり、万人に好まれる癖のない品種に変遷してきました。
果たして現代の子供たちはどのように感じているでしょう。


水墨画「凍み豆腐」

2025年01月20日 | 水墨画:菜果
画仙紙 半切1/3
    

今日は二十四節気の第24大寒。
正に一年で最も寒さの厳しくなる時期で、今年はその通りになっているようです。
異常な暖冬だった昨年は大寒とは思えないような陽気だったと記憶しています。
それと比べてしまうので今季はいかにも厳冬の感覚になりがちですが、当地はこれがほぼ平年並と思われます。
酷寒の年なら最低気温ー5℃以下を連日記録することが多く、真冬日も出現します。
今冬はまだ一度もその様になっていません。とはいえ一番寒い時期であることは確かです。
しかし、昔は明らかに今より寒かった。そして、厳寒期には凍(し)み豆腐を作っていたことが思い出されます。
過日、その凍み豆腐を頂いたので描いてみました。
関東では凍(こお)り豆腐、西日本では高野(こうや)豆腐が一般的でしょうか。
凍み豆腐は厳寒期に豆腐を寒風に晒し、凍結と解凍を繰り返すことでできる保存食です。
幼少の頃で記憶も曖昧ですが、我が家で作った凍み豆腐はわらで編んで吊したわけではなかった気がします。
「わらだ」と呼ばれる竹で編んだ大きな道具に豆腐を並べ寒風に晒していたように思います。
凍み大根や凍み餅も同様にして作ったような。半世紀以上も前のことです。


水墨画「林檎」

2024年12月15日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙

  

リンゴの贈答品を頂いたので水墨で描いてみました。
我が家ではリンゴを作っていませんが、当地域にもりんご園はあり、見る機会はあります。
近年は様々な品種が出回っているもののこの時期の贈答となるとやはり「ふじ」。
したがって、モチーフは無袋の「ふじ」ですが、どうでしょう。
「ふじ」も世に出て半世紀以上経っています。しかし、依然その地位は揺るぎないように見えます。
当時は「スターキング」や「ゴールデンデリシャス」、「陸奥」などもありましたが、殆ど姿を消しました。
その後も幾多の品種が出ていますが、「ふじ」に取って代わる品種はないようです。
これほど長期間首位の座を保つことは至難で、希有な存在といえます。
それ以前に遡ると、リンゴの品種はごく限られたものでした。
小生が幼少の頃、小学校の近くにはりんご園がありました。
早生の青リンゴ「祝」、真っ赤な「紅玉」そして「旭」などが作られていました。
特に印象深いのが「旭」。と言うのも学校から帰る途中でりんご園の方から1個頂いたからです。
紅玉ほど赤くはなくやや扁平の丸いリンゴです。しかし、その後に「旭」を食べた記憶が殆どありません。
それにしてもあの時に丸かじりしたリンゴの美味しかったこと。感激しました。
残念ながらそのりんご園は後に廃園となりました。



水墨画「聖護院蕪」(ダイコンとカブの違い)

2024年12月08日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙
 

カブの美味しい季節になりました。
カブの一種に京野菜として知られる聖護院蕪があります。
この大カブの聖護院蕪を水墨で描いてみました。
この聖護院蕪を原料として京都の代表的な漬物千枚漬けが作られます。
大分昔のことになりますが、小生は大きな誤解をしていました。
聖護院蕪の存在を知らず、原料となるのは聖護院大根とばかり思っていたのです。
千枚漬けを何度も食したわけではありませんが、あの滑らかさはカブなればこそと納得です。
桜島大根はじめ大型の丸ダイコンはかなりあるものの大型のカブは少ないようです。
そもそもダイコンとカブでは大きな違いがあります。
ダイコンは根そのものを食しますが、カブは生態的には茎の部分に相当します。
根は尻尾のように付いている部分。ですから大部分が地上に出ています。
青首大根も地上にかなり出ます。いわゆる抽根部は次第に緑がかってきます。
聖護院大根も地上部に顔を出した部分は薄らと緑がかるようです。カブはあくまで純白。
大きな違いは葉の形にあります。
ダイコンは葉柄にギザギザに切れ込みのある葉が何枚も付きます。
カブは葉柄に連なった1枚の葉が付いておりギザギザほどの切れ込みはありません。

水墨画「椎茸」

2024年12月01日 | 水墨画:菜果

椎茸を水墨で描きました。モチーフは我が家の原木椎茸。
今年はなかなか出てこず晩秋も冬間近になって穫れるようになりました。
湿気を好むシイタケにとって今年の日照りは厳しかったようです。
消費者の方はシイタケがどのようにして作られるのかどの程度分かっているものでしょう。
今、店に出回っている生椎茸は、ほぼ100%菌床椎茸です。
コントロールできる環境で均一のシイタケが短期間に生産されます。
おそらく消費者の目には菌床椎茸の整った姿がインプットされていることでしょう。
原木椎茸は自然栽培なので菌床椎茸のように均一にはならず形は様々。そこが良いところです。
一般の消費者の方が原木椎茸を求めやすいのは乾燥椎茸。味や香りが濃縮され、原木椎茸の特徴が引き立ちます。