しろつめ・楚々・くちかずこ姫のお部屋 goo

安易に清水の舞台から飛び降りるが、意外に用心深い。極めて自己中心的だが、意識がない部分で情が深かったりもする。

くちこの周りを通り過ぎた医師たち・・・

2017年03月10日 08時30分52秒 | 健康・病気

昨日、シャドーボックス教室を自宅でしていたら、

玄関のチャイムが。

「はあい」と、

玄関を開けると、

くちこ病院の院長夫妻が立っていました。

退職のご挨拶に。

三月で院長職を退かれることは聞いていましたが、

だからと言って、こんなしがないくちこに、わざわざご挨拶など、

恐縮を通り越して、驚愕。

 

しばし、玄関先で談笑。

定年退職だとしたら65歳?

次は、大学で教えることになった、と。

「若い人の側にいると若さを貰えるからね。」と笑顔。

「もうしばらくは、こちらにいるんだよ。

看護学校の授業が残っているから。」

ほう・・・

看護学校の授業まで。

 

思い返せば、30年近いご縁。

母の胃がんの手術もして貰ったし。

4か月の入院期間、毎日訪室して貰ったんだった。

 

くちこは自分が膵神経内分泌腫瘍が発覚して、

膵頭十二指腸切除術を計画された時に、

こんなダメージの大きい手術をして生きながらえるよりも、

とっとと転移したとしても今を元気に過ごしたいと思い、

核出術に術式を変更するよう院長に電話して頼んだのですが、

カンファレンスでも、やはり、予定の手術が妥当との結論だったと、

院長が病室まで説得に来てくれて、

手術を受けた次第だったのでした。

 

昨日の談笑で、

くちこが、前より余程元気そうだと、

お二人とも喜んでくれました。

くちこは、受けた恩はすぐに忘れるタイプなので

うっかりしていましたが、

やっと、お礼を言うことができました。

春の暖かい日差しの中で、

三人の笑顔も本物だったことが嬉しかったな。

 

だいたい・・・

先日、医療物の韓国ドラマの視聴を終えたのですが・・・

或る老医師のことが思い出されて、数日ずっと頭から離れなかったんです。

 

大物医師の見本みたいな人でした。

半世紀、現役の医師で、

亡くなる日まで現役でした。

手術の手技は神業的に綺麗で、

床に血液が付くことなんて無く、

器材の汚れも最小限で、

目をつぶってもできるとは、

こういう人のことを言うんだなと思っていました。

冷静沈着で慌てない態度、

誰に対しても見下した態度はとらないけれど、

譲れないことについては、曖昧なことは最後まで言わない。

ただね、

最後の5年?

相当辛かったと思うんです。

医師も、当然、人間。

聖人君子では無いわけで、

派閥もあれば、いじめもある。

最後の5年。

彼の愚痴と本音をぽつりぽつりと聞く役でした。

くちこはね、

派閥を嫌う、

自分の物差しで正誤の判断をする生き方なのでね。

自分を神の如く崇め奉り、

何を言ってもしても、彼がしたと言う理由だけで正しいと判断する、

自分の派閥?には言わなかったようでした。

くちこの退職を心底羨んで、

自分も一緒に辞めたいと言っていました。

で、突然の訃報。

その数か月前に受け取った年賀状の一筆は・・・

「未だやめれません」

苦しんでいるな、

そう思ったのが最後でした。

 

当たり前なのだけれど、

医師も人。

患者も人。

いろんな、感情やしがらみがあって然り。

それでもさ、

信じたいよね。

助け合いたいし。

あれこれ不完全でも、

それを承知で、

心から笑いあえたら良いなあ、と。

コタツムリしながら、

徒然もの想うくちこなのでした。

 

昔の作品を出してみました。

こんな春の日を過ごしたいな、と。