日々雑感「点ノ記」

備忘録(心の軌跡)

満杯

2012年09月03日 | インポート
私たちが使ってもらっている大村市竹松遺跡の発掘作業員の、大成エンジニアリング株式会社からの追加募集20名の受付は、9月3日の午前中ぐらいで、21名をもって満杯となり、受付が終了されたとの事。

8月31日(金)の終礼の際に、発掘作業員の追加募集がある事を友人知人等に紹介してくださいという会社側からのお願いがあっていたが、その事による作業員からの口コミ効果があったのかもしれない。

先週の8月29日から募集を開始した、扇精光株式会社の竹松遺跡発掘作業員の90名の新規募集の方も、本日の午前中の時点で、正しいのかどうかは分からないが、既に65名に達しているとの情報も耳に入っている。

わずか半日程度で、21名の求職希望者が集まるという現実や、数日足らずで65名もの人たちが応募するという現実は、私たちが生活している地域において、いかに失業者や求職希望者が多いのかという事を物語っているのではなかろうか。

昼間の仕事で時間給が900円で、年齢制限も無くて、土日祝祭日が休みだという就労条件は、私たちが生活している地域においては、なかなか見つける事が出来ないような好就労条件ではある。

都市部の人たちが聞いたら「えっ」と驚かれるかもしれないが、長崎県内ではそのような現実である。

隣接する作業区域となる扇精光株式会社の90名の発掘作業員の方々は、9月12日からの就労だということだが、大成エンジニアリング株式会社の既存の作業員数との合計で、およそ300人近い人数が通勤する事になる。

通勤時間帯における発掘現場周辺の交通の混雑が予測される。

発掘現場の周辺に居住されている一般の方々の通勤の足に、悪影響を与えることになりはしないだろうかなどと思ったりもしている。

公共事業費の削減という事が謳われて久しいが、少なくとも長崎県に新幹線が通るという公共事業により、現時点において、およそ300名の地域住民とその家族の胃袋を満たすぐらいの効果は創出されている。

本当に削減すべきは、地域住民の生活の一助となるような公共事業費ではなく、税金によって優雅な生活をしている人々の貰いすぎている報酬を削減すべきなのだが、そのような既得権益を手中にしている組織は狡猾にその権益を維持し続けている。

そして、その既得権益を維持し続けるために、もらいすぎている一人当たりの報酬単価を引き下げるのではなくて、総枠の人数を減らすという単純な算数で切り抜けようとしている。

一人当たりの報酬単価を引き下げれば、人数の総枠は減らさずとも組織は維持できるのに、そのような選択はしようとはしない。

既成政党のほとんどは、それぞれの政党に所属する議員の報酬も含めて、そのような報酬アップのための容認機関でしかなかった。

要するに長年にわたり、議会というフィルターを通すことによって、その権利を増長させ続けてきた。

その結果が、そのような組織の財政を逼迫させる事に繋がり、しなくても良いような組織の再編へと舵を切ったという流れになってしまった。

その原因を、自分たちのそれではなく、他の何かのせいにすりかえなければならない。

そこで登場するのが自分たちの既得権益は維持したままで、公共事業費の削減という、何となく納得させられてしまう流れへと持っていってしまう。

地場産業の少ない地域においては、公共事業は地域住民の胃袋を満たすための命綱のような存在であるのに、自分たち以外の民間人の生活など知った事では無い。

自分たちは特別の選ばれた人種でありますと言わんばかりの振舞い方である。

私たち一般庶民の、そのような組織に対する鬱積した不信と不満は満杯に達しているように思う。

しかし、私たち庶民の満杯に達している不信と不満は、選挙におけるささやかな一票でしか表現できない。



豊田一喜














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