角度の表し方には、1回転を360度で表し、度、分、秒という単位で刻んで表示する方式と、1回転を400グラードという単位で表示する方式と、半径と同じ長さの円弧を挟む角度を1ラジアンという単位で表示する方式がある。
度、分、秒で表示する方式は60進法で、1度は60分、1分は60秒という事になっている。
1回転を400グラードという単位で表す方式は、航空写真測量の分野などで用いられている。
1ラジアンという単位は、円周率をパイとすれば、直径のパイ倍が全円周長だから、半径に2倍のパイを掛けた長さが全円周長になるから、360度の単位の表し方の方式に換算する場合には以下の式で計算できる。
1ラジアンの角度:半径=360度:全円周長
全円周長は、2×パイ×半径 だから
1ラジアンの角度:半径=360度:(2×パイ×半径)
上の式で、内項の積と外項の積は等しいから
1ラジアンの角度×2×パイ×半径=半径×360度
左辺と右辺を半径で割ると
1ラジアンの角度×2×パイ=360度 になる。
ゆえに、1ラジアンの角度=360度÷(2×パイ) という事になる。
計算すると57.29・・・・度になる。
秒に直すと、206265秒になる。
1ラジアンは、206265秒になるということ。
この1ラジアンが206265秒ということを利用すれば、1秒という角度がどのようなものかを計算する事が出来る。
例えば、1秒という角度で挟む距離が、ある地点から50メートル先ではどの程度になるかという計算をしてみる。
1秒という角度で挟む50メートル先での距離をS(メートル)とすれば、半径が50メートルの円弧に関して以下の比例式が成り立つ。
S(メートル):50(メートル)=1秒:206265秒
上の式から
S(メートル)=50(メートル)÷206265
計算すると 0.24ミリメートルになる。
1秒という角度は、50メートル先で0.24ミリメートルの円弧長を挟む角度であるから、500メートル先では2.4ミリメートルの円弧を挟む角度ということになる。
さらに、1キロメートル(1000メートル)先では、4.8ミリメートルの円弧を挟む角度ということになる。
微小角の場合には、その角度で構成される円弧長と弦長とは近似的に等しいと見做せる。
1秒といえば、時間を表す単位としての認識の方が一般的には多いようで、世界的な短距離走者であれば1秒間におよそ10メートルの距離を走っている計算になるが、測量作業においては角度の単位として用いられ、座標値の計算では1秒という角度の単位の認識が必要になる。
1度の360分の1の大きさの角度である1秒という角度は、1キロメートル先においても、およそ5ミリメートルの長さを挟むぐらいの微小な角度である。
別の表現をすれば、測角の誤差が1秒あったとしても、1キロメートル先でおよそ5ミリメートルの平面位置の誤差にしかならないということ。
以上、普段はほとんど意識することの無い、1秒という角度に関する話だが、大村市竹松遺跡の測量作業においても、トータルステーションという測量器械の中では、そのような1秒という単位の角度を器械が認識しながら計測が行なわれている。
豊田一喜
度、分、秒で表示する方式は60進法で、1度は60分、1分は60秒という事になっている。
1回転を400グラードという単位で表す方式は、航空写真測量の分野などで用いられている。
1ラジアンという単位は、円周率をパイとすれば、直径のパイ倍が全円周長だから、半径に2倍のパイを掛けた長さが全円周長になるから、360度の単位の表し方の方式に換算する場合には以下の式で計算できる。
1ラジアンの角度:半径=360度:全円周長
全円周長は、2×パイ×半径 だから
1ラジアンの角度:半径=360度:(2×パイ×半径)
上の式で、内項の積と外項の積は等しいから
1ラジアンの角度×2×パイ×半径=半径×360度
左辺と右辺を半径で割ると
1ラジアンの角度×2×パイ=360度 になる。
ゆえに、1ラジアンの角度=360度÷(2×パイ) という事になる。
計算すると57.29・・・・度になる。
秒に直すと、206265秒になる。
1ラジアンは、206265秒になるということ。
この1ラジアンが206265秒ということを利用すれば、1秒という角度がどのようなものかを計算する事が出来る。
例えば、1秒という角度で挟む距離が、ある地点から50メートル先ではどの程度になるかという計算をしてみる。
1秒という角度で挟む50メートル先での距離をS(メートル)とすれば、半径が50メートルの円弧に関して以下の比例式が成り立つ。
S(メートル):50(メートル)=1秒:206265秒
上の式から
S(メートル)=50(メートル)÷206265
計算すると 0.24ミリメートルになる。
1秒という角度は、50メートル先で0.24ミリメートルの円弧長を挟む角度であるから、500メートル先では2.4ミリメートルの円弧を挟む角度ということになる。
さらに、1キロメートル(1000メートル)先では、4.8ミリメートルの円弧を挟む角度ということになる。
微小角の場合には、その角度で構成される円弧長と弦長とは近似的に等しいと見做せる。
1秒といえば、時間を表す単位としての認識の方が一般的には多いようで、世界的な短距離走者であれば1秒間におよそ10メートルの距離を走っている計算になるが、測量作業においては角度の単位として用いられ、座標値の計算では1秒という角度の単位の認識が必要になる。
1度の360分の1の大きさの角度である1秒という角度は、1キロメートル先においても、およそ5ミリメートルの長さを挟むぐらいの微小な角度である。
別の表現をすれば、測角の誤差が1秒あったとしても、1キロメートル先でおよそ5ミリメートルの平面位置の誤差にしかならないということ。
以上、普段はほとんど意識することの無い、1秒という角度に関する話だが、大村市竹松遺跡の測量作業においても、トータルステーションという測量器械の中では、そのような1秒という単位の角度を器械が認識しながら計測が行なわれている。
豊田一喜