川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

日本型移民国家構想

2009-02-22 10:41:54 | 在日コリアン
 21日(土) 午後、水道橋の在日韓国YMCAで開かれた「日本の移民政策と在日コリアンのスタンス」というシンポジウムに出席しました。
 元東京入国管理局長・坂中英徳さんの『日本型移民国家構想』と題する講演をふまえて在日コリアンはこれにどう向き合うべきか、という討論が行われました。

 坂中さんが主宰する外国人政策研究所のHPから同趣旨の記事を紹介します。
 移民といえば「満州」や「ブラジル」へ送り出すものと思っていた私たちに、移民を積極的に受け入れていく国造りがほんとうに出来るのでしょうか。人口の減少が急激に進むのは間違いありません。どうしたらこの社会を維持できるのか、坂中さんの提言を皆さんはどううけとめますか?


“移民”50年で1000万人の受け入れを 坂中英徳

日本の総人口は2055年に9000万人を下回ると予想されています。生産年齢人口がほぼ半減し、内需も縮小して、経済成長は望めません。財政・年金制度の維持が困難になり、地域社会も崩壊する心配があります。


 私は、この国家的な危機を救うには、大規模な移民受け入れで国の活性化を図る「移民立国」への転換しかないと考えます。外国人と切磋琢磨することで、新しい生き方や価値観が生まれ、日本再生が図られるはずです。


 移民受け入れには、必ず治安悪化を心配する声が出ます。しかし、入国管理局に長年勤めた私の経験や欧州の事情から言えるのは、定住国の言葉の能力が不十分で仕事がない移民は犯罪などに走ることもあるが、社会に適応し安定した仕事のある移民は問題を起こさないことです。


 一方で非正規雇用労働者や女性、障害者雇用の問題は解決を急ぐべきですが、全体として日本の人口は激減しますから、それだけでは根本的解決になりません。
 

 そこで、私は定住化を前提とした人材育成型の移民受け入れ、すなわち「日本型移民政策」を提唱しています。日本語教育を充実し、少子化で定数割れの短大・大学・大学院や、農業・工業・水産高校などを活用して、外国人の人材育成を支援します。


 受け入れ側の意識改革も重要です。他民族と互いの立場を尊重しあい、「多民族(多文化)共生社会」を作る心構えが必要です。移民法や民族差別禁止法を制定し、外国人に同等の待遇を保障するとともに、国内小中学校で多民族共生教育を進めます。


 具体的には今後50年間で総人口の10%、1000万人程度の移民を受け入れてはどうか。対象は留学生を要として、大卒レベルの「高度人材」、日本で職業訓練を受けた熟練労働者、人道的配慮を要する移民(難民、脱北日本人妻など北朝鮮帰国者ら)、その家族が中心となるでしょう。


 ある外資系証券会社幹部は、「もし移民開国を宣言したら、日本の株価は暴騰する」と話しています。オバマ氏のように、日本にも救世主になる移民2世が誕生するかもしれません。私の案は、自民党国家戦略本部「日本型移民国家への道プロジェクトチーム」が取り入れて、今年6月、「人材開国!日本型移民国家への道」という報告書を出し、日本経団連も10月、日本型移民政策を促す提言を出しました。


 世界の若者が移住したいと憧(あこが)れる国は、日本人にも住みよい社会です。有史以来の「移民開国」を行ってこそ、明るい未来が開かれるのです。
 


(『読売ウイークリー』(2008年11月30日号)に掲載されたもの)

出典 外国人政策研究所http://blog.livedoor.jp/jipi/archives/51207722.html

 この日のお話の中で坂中さんが農林業への移民の受け入れについて近く提言すると言われたことにぼくは興味を持ちました。荒廃する農山村の再生は日本の生命線にかかわる課題です。どんな内容になるのか期待したいと思います。
 鈴木さんの故郷のような漁業の分野は一次産業ではあっても困難ですね、と漏らしていました。漁業資源はどこに行っても枯渇状態ですから、移民を受けいれる余地がないと言うことでしょうか。