昔の乗り屋だけでなく、今でも
女の子であっても850kmとかを
その日のうちに走破してケロッ
としている二輪乗り人も結構いる。
私も学生時代とかは50ccでさえ
1日で800km乗って走ったりして
いた。
還暦過ぎた今でも1日750kmとか
フツーに走ったりしている。
誇張ではなく、1日400kmあたり
は長距離ではなく適正中距離に
感じる。
長距離を苦も無く走れる人たち
には老若男女を問わず共通点が
ある。
それは、下半身でマシンをきちん
とホールドし、上半身は極限脱力
させている点だ。
力は込めない。下半身さえも。
キュッと要所を軽く締めるだけ
だ。
上半身は、肩や肘や手首は脱力
させて、たんたんたぬきのブーラ
ブラだ。
そして一番重要な点。
それは、背中をまっすぐに立て
ない。
尾骶骨をシートに押すようにし
て、背骨の骨と骨をごく自然に
軽く弓なりに曲げて(わざと曲
げるのではない)、路面からの
ショックを下半身と尻と背骨で
すべて吸収するのだ。
加速の時も背中は軽く丸くさせ
てGを天頂部から尻に抜けさせ
るようにする。伏せても背骨は
伸ばさない。丸く丸くする。
巡行の時に上体を起こす時も、
背筋を伸ばして直立させる事は
しない。正座の時の姿勢のよう
にはしない。脱力させて自然に
背中は曲げる。腹筋はへこまして
締める。
そうでないと路面からのショック
がもろに腰や背骨や首に来るから
だ。
よくモトブロガーとかで長距離
を乗れないばかりか、ほんの
ちょっと乗っただけで「きつい」
とか「腰が痛い」とか言う人たち
は、根本的に二輪の乗車方法を
間違っているからだ。
腕伸ばしの突っ張り支えで、上
半身ガチガチの背骨伸ばし顎出し
などでいるとそうなる。
せいぜい、走行距離は100kmも
やっとで、それ以上は「超長距
離」とか感じるのではなかろう
か。
大切なのはくるぶし下の内カカト。
フット部はマシンとの隙間ができ
ないようにステップの最内側に
置いて内カカトでマシンをキュッ
と挟む。軽く締めるだけで車体は
格段に安定する。ややつま先乗り
で。つま先はまっすぐに前を向け
る。
これで800km走破楽勝だ。
上体を固くして体重をハンドルに
載せたりする変な乗り方をするか
らロングライドができない。
また、ロングでなくとも短距離
だろうとステアを押さえてしまう
ので走行がおぼつかない。
「乗れてる人」は見ると2秒で
判る。
それはつまり「オートバイに乗
れる人かそうでないか」が即判
る事だ。
免許の有無など関係ない。
二輪走行は、それ自体がスポーツ
と同じであるので、できる人か
そうでない人かは一目瞭然だ。
竹刀や木刀を持たせて構えさせ
たらその者の技量が即断できる
ように。
上半身の力は抜く。
ではどうすればそれができるか?
答えは上に記述したが、そういう
事は本当は二輪乗りだったら自分
で考えて研鑽しないと前に進まな
い。
どのスポーツでも同じだが、俺は
これでいいのだ、とするとそこで
止まる。すべての進化が。
特に二輪車は危険な乗り物である
ので、安全を現実的に引き寄せる
乗り方については、常に万全を
期して思考発想方法から変革発展
進化して行かないとならない。
人的性格はどうであれ、物事の
技術習得にどん欲な人ほど二輪
の技量が短期間で飛躍的に成長
するのは、それは技量習得に対
しての心根が素直な人だからだ。
スポーツなども、そうした人たち
が秀でた選手となっている。
そして、努力する人。
「これでいいのだ」は人間的な
成長をすべてそこでストップさ
せる思考停止の固着発想なのだ。
それ、無限の可能性を持つ人間
として、とても勿体ない。