今日は、懸念されていた雪もどうにか我慢してくれてはおりましたね。
そんな中、T京音大での、今年一年の授業の集大成的な、僕の受け持っている学生さんたちによる、初めてのレコーディング実習がありました。
僕の出したテーマにでそれぞれが曲を書き、その自作の曲のオケを作り、そこに、プロの仮歌師の方にいらして頂いての、本格的なボーカルレコーディング。
「仮歌師(かりうたし)」とは、プロの歌手の方に歌ってもらう前の、デモの段階で歌を歌ってもらうお仕事をされている方々のことなのですが、
その多くの方がこれからプロの歌手を目指している方や、すでにステージやレコーディングなどでおコーラスのお仕事をされておられる方々で、
エキスパートの仮歌師の方になりますと、譜面のオタマジャクシを見て、即座にそれを歌え、さらには声質なども、楽曲や作曲者のオファーに合わせて、調整(!)してくれたりもするんです。
仮歌としての仕事ですと、そのまま表にその声が出ることはなかなかないのですが、その歌い方や表現が、本番での歌手の歌に少なからず影響することもありますし、時には、手本にされることもあるほど。
もちろん、全員が仮歌師を使うことはありませんが、自分で歌を歌うことを得意としない作曲家などの多くは、こういった仮歌師の方にデモ制作のお手伝いを頼んでいるケースも、今ではとても多いのです。
やはり、同じ曲でも、上手な方に歌ってもらっている音源のほうが、プレゼンの時には、伝わることが多いですからね。
そんな状況を踏まえて、学生の曲を仮歌師に歌ってもらうのはどうでしょう、と提案をしたのが昨年の夏の終わりころでした。大学の許可がおり、学生たちにテーマを提示して、それぞれに曲作りに入ってもらっての、地道な作業が続いた、この三か月。
ようやく、歌録りの初日を迎えたのです。
学生たちにとっては、初めてのボーカルレコーディング。
せっかくですので、ディレクションも学生にやってごらん、と。
ディレクションとは、レコーディングをしているミュージシャンやボーカリストに指示を出すことで、これには、とても素早い判断が要求されます。
それに、気持ちよく歌って頂くための、ムード作りが何よりも大切。
相手も人間ですからね。言葉ひとつで、出てくる歌も、全然違ってくるわけです。
おぼつかない手つきでトークバック(ヘッドフォンをしたブースの中の仮歌師の方に指示を出すための特別なマイク)のスイッチを押す学生を、生暖かい目で見守り・・・時には、我慢できずに、つい口を出してしまったりもしました(笑)(途中、谷村新司先生も陣中見舞いに見えられましたから、学生もより緊張したことでしょう。でも、素晴らしい励みにもなりました。ありがたいことです。)
でもこのプログラムは、一番実践的でありますので、これからも是非とも続けていきたいと思っているのですが、こうしてやっていけば、きっと、来年、再来年と、頼もしくなった学生を見ることができると信じております。
今日はまだまだ、「ああっ、そ、そうではなくて・・・」と、ほとんどの時間をドキドキしながら見守っておりましたが、
サクサクと的確なディレクションをして、良い歌を引き出して録ってくれるようになったら、
そして、いい作品ができるようになったら、
・・・お〇さん、嬉しいだろうなあ(笑)。
今日は、お一人の仮歌師の方に来ていただいての作業でした。やく半日弱で終わりました(その後、まだほかの学生のデータ作りの作業監督がありましたが)
そして、明後日は、なんと三名の仮歌師の方々にいらして頂いていの、学生も入れ替わり立ち代わり、丸一日ぶっ通し(僕たちは)のレコーディング・デイ。
なんとか、頑張って、良いものを作って、
・・・おいしい、ぷ、が飲みたいです。
あ、学生とはまだ飲めませんよ(笑)。
皆、10代だったりですからね。
でも、そんな10代の若者と、一緒になって、
「もっとああしよう、こうしよう、いや、ああだこうだ」と言い合って、顔を見合わせて「キタね!いいね!」と、喜び合える時間。
これも、音楽のなせる、奇跡の一つだと思います。
とても楽しいですし、何よりも、本当に幸せなことだと改めて思いました。
ありがとう、音楽。
ありがとう、ぷ(ん?)
ではー。