怪しい中年だったテニスクラブ

いつも半分酔っ払っていながらテニスをするという不健康なテニスクラブの活動日誌

神様のカルテ

2011-09-02 21:52:52 | 映画
このところ土日出勤が多いので、平日の午後の暇なときに振り替えを取りました。
といっても特にやることもなく、映画を見に行くことに。
一人で見に行くので、こういう時は暗い映画館で思い切り泣けるような映画にしようと「神様のカルテ」を見に行くことにしました。

長野県の地方都市の中核病院(365日24時間救急対応しています)に勤める医師「栗原一止」の姿を通して、日本の医療、ターミナルケアのあり方などを考えさせられます。
どことなくヌーボーとした桜井翔が結構いいですね。でもこういうヌーボーとした医師は病院では問題児という場合が多いのですけどね。映画だから病院の医師も看護婦も美人美男そろいなんですけど、現場ではありえません。柄本明の診療科部長はありですけど。まあ病気で弱っているときにはそういう風に見えるかもしれません。
全体にほのぼのとした暖かい気持ちになる映画ですが、折角一人で映画館に来たのでもっと大泣き出来たほうがよかったのですが....それでも末期医療の姿は父が入院したとき病状によって酸素量を上げていくのですが、それも限度があり人工呼吸器も考えないといけないけどどうしますかと聞かれ、毎日面会に行くと真っ先に酸素量のメモリを確認して、徐々に上がっていくのを祈るように見ていた(結果しばらくして酸素量は落ち着き徐々に下がっていったのですが)ことを思い出し密かに涙するのでした。
それにしても結構救急医療の現場はリアルで、医師もスタッフもみんな疲弊していて、それでも使命感で支えられているという状況がよく分かります。医師とか看護師に対して厳しい意見もたくさんあります。ある部分では間違っていないのでしょうが、総体として見れば、みんな使命感に燃えて真摯に医療に従事していると思います。高いといわれていますが医療費も国際比較すれば国民所得に対する比率は低く、日本人の平均寿命、健康寿命が世界一です。問題はいろいろあるのですが、国際比較すれば日本の医療のパーフォーマンスは世界有数で、スタッフも優秀でなければ、世界一の健康寿命などありえないのではないでしょうか。ある国のいいところだけ取り出だして総体として破綻無くシステムを作るなど出来ないでしょう。
映画の中で古い旅館を下宿にして一人づつ青春を卒業していく姿は、なだいなだの「しおれし花飾りのごとく」を髣髴とさせて(といっても誰も読んだことないでしょうが)切なさがあふれています。
主人公は医大の教授からの医局への誘いを断って地域医療に取り組む決断をするのですが、教授に見込まれるだけが医師の生きがいでもないし、出世でもないはずです。それに大学に残る医師だけが必要ではなく地域医療に取り組む医師も家庭医も施設の医師もみんな必要です。それぞれやりがいがあり喜びがあります。これは別に医師だけの話ではなく、よく考えれば事務屋でもそうですし、技術屋でもそうですよね。
信州の山の映像は美しく辻井伸之のピアノにも心癒され、今度は原作を読んでみようと思いました。
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