一昔前、外食というのはハレの日に行くことのできる特別のものだった。私は正直に言って家族で外食などというのは成人するまで記憶はない。
ところが今や回転すしやファミレスができ月に何回は外食というのが普通になってしまった。私だけでなく世間もそうなんだろう(と思います)。
そのため、外食も安くて量があればいいとなってしまいがち。100円均一とか激安が大きな売りになっている。
でも当然ながら安いのには訳がある。
この本はそんな外食の裏側をレポートしたものです。読んでいると店の名前が類推できるところもあって、ここはやっぱりやめとこうかとなってしまう激辛評価が満載です。
著者の河岸宏和は大手のハムメーカー、卵メーカなど数々の食品工場を経験した食品業界を知り尽くした男とか。
ちなみにこの本は「東洋経済オンライン」に連載されていた記事(「東洋経済オンライン」→「カルチャー」→「外食の裏側を見抜くプロのスキル教えます」)とかなりかぶっています。本を買うまでもないと思うなら、そちらを見ればほぼ内容は把握できます。
激安のステーキとか焼肉、とんかつによく使われているのが成形肉。この本ではちゃんと出てきた肉の見分け方も書いてあります。
ハンバーグについては増量のために植物性たんぱくが入っていて、そうすると肉の味がしないのでソースの味を思い切り濃くしています。リン酸塩とか、グルタミン酸ソーダの出番です。よく食べられる鶏の空揚げも同様に植物性たんぱくなどで増量しています。チーズも小麦粉で増量したり、メイプルソースというのはメイプルシロップではなくてメイプルシロップに安いガムシロップを混ぜて増量して香料や着色料でごまかしている。
100円均一の回転すしで何故鉄火とカッパが同じ値段で出せるのだろう。考えてみれば何かあるのが当たり前。植物油を混ぜたりよくわからない深海魚を使ったり。ちなみに回転すしの醤油差しってそぎ口が広いとか。醤油を多めに出して味をごまかすからって、ほんとかな。今度よく見てみます。
大量仕入れだから安くなるというのは、工場で大量生産できないだけにこと食品に関してはあてはまらない。何故セントラルキッチンで大量に作ってお店では温めて出すだけにするかというと熟練した職人の人件費を省けてアルバイトでできるから。今では調理も中国とかベトナムでして冷凍したものを運んできています。そうするとどうしても味付けは濃くなり砂糖と油を多用しがちです。
揚げ物も衣まで工場でつけて、それも何度も衣付けして大きく見せています。焼き鳥に至っては炭火で焼いてレンジでチンして出すようになっています。ちなみにねぎは冷凍にしにくいので焼き鳥に「ネギま」があればその店は冷凍品を使っていないそうです。
野菜といえども外食で出てくる野菜は輸入野菜のそれも向こうでカットされたものです。これは形状とか切り口を見れば大体わかるとか。
コンビニのおにぎりは冷めてもというか冷たくして売っているのですが、ご飯はそれなりにおいしい。ところが持ち帰り弁当では古米もしくは古古米を使っているの冷めるとご飯がまずい。
お店の見極め方も書いてあります。
まずは外観。玄関周り、入り口ののれんが汚い、入り口にビールケースやおしぼりの袋が投げ出されている、こんな店はアウトですね。その店にお客さんを迎える気持ちがあると思えません。
店内が汚い店も同様です。店の掃除に配慮できない店が食材に配慮できるわけがありません。テーブルの上もきれいでしょうか。厨房の中が見えるのなら覗いてみれば素材とか段ボールに書いてある表示で何が使ってあるかわかります。厨房が油で黒光りしているのは当然アウトですね。
臭いも大事なチェックポイント。油の臭い、どぶの臭い、掃除の程度を感知できます。
あとは従業員の服装、対応となりますが、ここは多少好みが表れるかもしれません。
この本では匿名ですが、ここで酷評されているのはファミレスではココス、イタリアンのサイゼリア、回転すしではかっぱ寿司でしょうか。某居酒屋チェーンは該当のお店がありすぎてどこかよくわかりません。いつも酔っ払えばいいかという路線なのであまり文句も言えないのです。
ちなみに美味しいチェーン店も理由をつけて書いてあります。
ちゃんと寸胴鍋でスープをとっているラーメン店はいいみたいですが、逆に寸胴鍋がない店はダメ。
カレーでは「カレーハウスcoco壱番屋」小鍋で一人前づつ温めている
ファミレスでは「ロイヤルホスト」店内調理にこだわっている
定食では「大戸屋」店の厨房で一つ一つ手作り
イタリヤ料理では「サルバトーレ・クオモ」
餃子・中華では「王将」「バーミヤン」
回転すしでは「がってん寿司」「スシロー」店内でネタを切り、オープンキッチンで握っている。でも「がってん寿司」はここらでは見かけないし、どこにあるのか知りません。
うどんでは「丸亀製麺」
とんかつでは「和幸」厨房で肉をスライスし、パン粉をつけている
コーヒーでは「スターバックス」飲み物の温度管理がきちんとできている
居酒屋部門と蕎麦屋では全国チェーン展開している店ではおすすめなし。個人のやっている店で地の物、旬のものを出すところには勝るところなしです。
個人がやっている店では活気のあるカウンターキッチンの店でははずれなしとか。生ビールと刺身がおいしい店は総じてほかの料理もよくて、流行っている店はネットにクーポンなど出さないとか。なるほど。
読んでみてそれほど目からうろこというほどでもなかったのですが、改めてこうやって列挙されるとチェーン店では何を食べていたのかと慄然としてしまいます。どうしてもチェーン店では全国均一なだけに当たりはずれがないような気がして、かつ家族一緒だとメニューの写真の通りのものが出てきて多少騒がしくても許されるので、選んでいたのですけど…
安いのには訳がある。訳を考えながら食べなくてはいけないのでしょうね。
ところが今や回転すしやファミレスができ月に何回は外食というのが普通になってしまった。私だけでなく世間もそうなんだろう(と思います)。
そのため、外食も安くて量があればいいとなってしまいがち。100円均一とか激安が大きな売りになっている。
でも当然ながら安いのには訳がある。
この本はそんな外食の裏側をレポートしたものです。読んでいると店の名前が類推できるところもあって、ここはやっぱりやめとこうかとなってしまう激辛評価が満載です。
著者の河岸宏和は大手のハムメーカー、卵メーカなど数々の食品工場を経験した食品業界を知り尽くした男とか。
ちなみにこの本は「東洋経済オンライン」に連載されていた記事(「東洋経済オンライン」→「カルチャー」→「外食の裏側を見抜くプロのスキル教えます」)とかなりかぶっています。本を買うまでもないと思うなら、そちらを見ればほぼ内容は把握できます。
激安のステーキとか焼肉、とんかつによく使われているのが成形肉。この本ではちゃんと出てきた肉の見分け方も書いてあります。
ハンバーグについては増量のために植物性たんぱくが入っていて、そうすると肉の味がしないのでソースの味を思い切り濃くしています。リン酸塩とか、グルタミン酸ソーダの出番です。よく食べられる鶏の空揚げも同様に植物性たんぱくなどで増量しています。チーズも小麦粉で増量したり、メイプルソースというのはメイプルシロップではなくてメイプルシロップに安いガムシロップを混ぜて増量して香料や着色料でごまかしている。
100円均一の回転すしで何故鉄火とカッパが同じ値段で出せるのだろう。考えてみれば何かあるのが当たり前。植物油を混ぜたりよくわからない深海魚を使ったり。ちなみに回転すしの醤油差しってそぎ口が広いとか。醤油を多めに出して味をごまかすからって、ほんとかな。今度よく見てみます。
大量仕入れだから安くなるというのは、工場で大量生産できないだけにこと食品に関してはあてはまらない。何故セントラルキッチンで大量に作ってお店では温めて出すだけにするかというと熟練した職人の人件費を省けてアルバイトでできるから。今では調理も中国とかベトナムでして冷凍したものを運んできています。そうするとどうしても味付けは濃くなり砂糖と油を多用しがちです。
揚げ物も衣まで工場でつけて、それも何度も衣付けして大きく見せています。焼き鳥に至っては炭火で焼いてレンジでチンして出すようになっています。ちなみにねぎは冷凍にしにくいので焼き鳥に「ネギま」があればその店は冷凍品を使っていないそうです。
野菜といえども外食で出てくる野菜は輸入野菜のそれも向こうでカットされたものです。これは形状とか切り口を見れば大体わかるとか。
コンビニのおにぎりは冷めてもというか冷たくして売っているのですが、ご飯はそれなりにおいしい。ところが持ち帰り弁当では古米もしくは古古米を使っているの冷めるとご飯がまずい。
お店の見極め方も書いてあります。
まずは外観。玄関周り、入り口ののれんが汚い、入り口にビールケースやおしぼりの袋が投げ出されている、こんな店はアウトですね。その店にお客さんを迎える気持ちがあると思えません。
店内が汚い店も同様です。店の掃除に配慮できない店が食材に配慮できるわけがありません。テーブルの上もきれいでしょうか。厨房の中が見えるのなら覗いてみれば素材とか段ボールに書いてある表示で何が使ってあるかわかります。厨房が油で黒光りしているのは当然アウトですね。
臭いも大事なチェックポイント。油の臭い、どぶの臭い、掃除の程度を感知できます。
あとは従業員の服装、対応となりますが、ここは多少好みが表れるかもしれません。
この本では匿名ですが、ここで酷評されているのはファミレスではココス、イタリアンのサイゼリア、回転すしではかっぱ寿司でしょうか。某居酒屋チェーンは該当のお店がありすぎてどこかよくわかりません。いつも酔っ払えばいいかという路線なのであまり文句も言えないのです。
ちなみに美味しいチェーン店も理由をつけて書いてあります。
ちゃんと寸胴鍋でスープをとっているラーメン店はいいみたいですが、逆に寸胴鍋がない店はダメ。
カレーでは「カレーハウスcoco壱番屋」小鍋で一人前づつ温めている
ファミレスでは「ロイヤルホスト」店内調理にこだわっている
定食では「大戸屋」店の厨房で一つ一つ手作り
イタリヤ料理では「サルバトーレ・クオモ」
餃子・中華では「王将」「バーミヤン」
回転すしでは「がってん寿司」「スシロー」店内でネタを切り、オープンキッチンで握っている。でも「がってん寿司」はここらでは見かけないし、どこにあるのか知りません。
うどんでは「丸亀製麺」
とんかつでは「和幸」厨房で肉をスライスし、パン粉をつけている
コーヒーでは「スターバックス」飲み物の温度管理がきちんとできている
居酒屋部門と蕎麦屋では全国チェーン展開している店ではおすすめなし。個人のやっている店で地の物、旬のものを出すところには勝るところなしです。
個人がやっている店では活気のあるカウンターキッチンの店でははずれなしとか。生ビールと刺身がおいしい店は総じてほかの料理もよくて、流行っている店はネットにクーポンなど出さないとか。なるほど。
読んでみてそれほど目からうろこというほどでもなかったのですが、改めてこうやって列挙されるとチェーン店では何を食べていたのかと慄然としてしまいます。どうしてもチェーン店では全国均一なだけに当たりはずれがないような気がして、かつ家族一緒だとメニューの写真の通りのものが出てきて多少騒がしくても許されるので、選んでいたのですけど…
安いのには訳がある。訳を考えながら食べなくてはいけないのでしょうね。