く~にゃん雑記帳

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<春日大社宝物殿> 「春日権現験記―絵巻の中のファッションと暮らし」

2013年02月05日 | 美術

【鎌倉絵巻の傑作、貴族から庶民までの風俗を活写!】

 春日大社宝物殿で 「春日権現験記―絵巻の中のファッションと暮らし」(4月14日まで)が開かれている。春日権現験記は平安時代末~鎌倉時代に編纂された春日大社の霊験集を集大成した20巻に及ぶ絵巻物。藤原氏をはじめ王朝貴族の優美な風俗から庶民の暮らしが丁寧に描かれている。その絵巻をもとに往時の装束や暮らしの様子を振り返っている。

 

 絵巻物第3巻の「関白忠実、鹿島造営を喜び女房に扇を賜う」場面(写真㊧)に描かれた装束は、藤原忠実は烏帽子に直衣姿、仕える女性たちは正装の女房装束(十二単)。貴族女性は何枚もの袿(うちぎ、裏地のついた広袖の着物)を重ね、袿の下には袴をはいた。袴は身分の高い女性の目印だった。正装では表着(一番上に羽織る袿)の上に袖丈の短い唐衣(からぎぬ)と後ろ半分の巻きスカートのような裳(も)をつける。このため十二単は正式には「裳唐衣装束」とも呼ばれた。(写真㊨は第3巻「隣の部屋の様子をうかがう姫君」)

 一方、庶民の女性は小袖だけを着て腰紐で結ぶ着流しスタイルで、働く時にはエプロンのような腰布をつけ鉢巻で髪をまとめた。色は白や青が基調で柄は小紋が中心。社寺参詣などのため外出する際には小袖の上に袿、あるいは小袖を羽織ったり被衣(かずき)として頭からかぶったりした。

 絵巻物には食事の場面も多く描かれている。茶碗にご飯が盛られ、小さな皿2~3枚におかずが少しずつ、それにお汁がつくというのが中流貴族の一般的なメニューだった。これらが高坏や懸盤(かけばん)にセットされたが、貴族といっても食事はかなり質素だったようだ。藤原俊盛邸の庭の描写には鳥小屋や盆栽、岩や白砂を組み合わせた盆景などが描かれている。鳥を飼う習慣は平安時代からあり盆栽は鎌倉時代に流行したという。

  

 絵巻物とともに春日大社に伝わる装束や調度品、飲食具、建築道具なども展示されているが、やはり目を引くのが国宝の甲冑「赤糸威(おどし)の大鎧(おおよろい)」。平安後期の源氏の武将、源義家の奉納と伝わるが、随所に認められる時代色から鎌倉後期の作とみられている。東京国立博物館での1年がかりの修理を終え、昨年3月、往年の輝きを取り戻して帰ってきた。梅・蝶・鶯をモチーフとした飾り金物の精緻さと優雅さは目を見張るばかりだった。

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