【馥郁たる香りが充満、屋外の梅の開花は「例年より1週間遅れ」】
奈良市の菅原天満宮で「盆梅展」が開かれている。盆梅展といえば滋賀・長浜が有名。だが、この天満宮の盆梅展も年輪を重ねた見事な枝ぶりの白梅や紅梅約100品種・200鉢が並び、菅原道真生誕の地といわれる菅原の里に春の訪れを告げる風物詩になっている。ただ例年「おんだ祭り」(2月25日)の頃にはかなり開花しているが、今年は例年より1週間ほど遅れているそうだ。
境内には江戸時代初期の元和年間(1615~24年)に島原藩主がお手植えしたと伝わる「島原古梅」や巨木の「しだれ菅香梅」などが地植えされている。だが、つぼみは大きく膨らんでいるものの、残念ながらまだ開花前だった。屋外に置かれた樹齢150年の白梅の盆梅も開花まであと数日かかりそう。しかし屋内に一歩入ると、盆梅の多くはすでに妍を競うように咲き誇り、花の芳香が室内を満たしていた。「東風吹かば匂ひおこせよ梅の花 あるじなしとて春を忘るな」。盆梅展は3月10日まで。