【メキシコ原産「ベロペロネ」とも 英名は「シュリンプ・プラント」】
メキシコ原産の半耐寒性常緑低木。日本には80年ほど前の昭和初期に渡来してきた。キツネノマゴ科ジャスティシア属の植物だが、旧分類のベロペロネ属から一般に「ベロペロネ」と呼ばれる。ベロペロネはギリシャ語のベロス(矢)とペロネ(帯、留め金)の合成語。雄しべの先端の葯の形に由来するともいわれる。
和名は「コエビソウ」。花を包み込む苞が何枚もウロコ状に重なって湾曲し、その形がエビに似ていることによる。苞は初めのうちは淡緑色だが、次第に赤褐色に変化していく。赤く色づいた苞は茹で上がったエビのようにも見える。英名も「シュリンプ・プラント」。苞の間から顔をのぞかせているのが花で、細長い白に赤紫色の斑点が入る。花は長持ちしないが、苞は長く残るため、鉢植えや切り花、庭木のほか生け花や茶花としても親しまれてきた。
一般に「ベロペロネ」と呼ばれるのは「ベロペロネ・グッタータ」のこと。この他、苞が黄色の「イエロークイーン」や葉に白い斑が入る「エンジェルキッス」などの園芸品種がある。科名になっているキツネノマゴは道端によく生えている1年草。同じ仲間には多年草のハグロソウ、サンゴバナ、オギノツメなどがある。
熱帯性植物だけに日光を好み暑さに強いが、寒さにも比較的強い。花期は通常6~10月ごろだが、一定以上の温度さえ確保できれば季節に関係なく1年中咲き続ける。この写真も天王寺公園(大阪市)の植物温室で撮ったもの。温室では四季咲きというわけだ。それではこのコエビソウ、俳句ではいつの季語になるのだろうか。