く~にゃん雑記帳

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<江包・大西のお綱祭り> 大和の奇祭! 巨大な雄綱と雌綱が神前で夫婦の契り

2013年02月11日 | 祭り

【五穀豊穣と子孫繁栄を願う田遊び、1年前に国の重要無形文化財に】

 奈良県桜井市に古くから伝わる「江包(えっつみ)・大西のお綱祭り」が11日行われ、多くの観光客やカメラマンでにぎわった。素盞鳴(すさのお)神社の神前で、両地区から運び込まれた巨大な雌綱と雄綱が〝合体〟するという天下の奇祭。「お綱はんの結婚式」とも呼ばれる。昨年1月、国の重要無形民俗文化財に指定された。

  

 その昔、大洪水で上流から流されてきた神様のうち素盞鳴命を江包が、稲田姫を大西が助けて祀った。だが別々に祀ったせいか、その後、災いが続く。そのため年に1回、旧暦正月十日に夫婦の契りを結ぶ神事を行うようになったという。雄綱づくりは毎年、祭り前々日の9日、江包地区にある春日神社内で行われ、雌綱づくりは前日の10日、大西地区の市杵島(いちきしま)神社内で行われる。

 

 この日、初瀬川(大和川)を挟む両地区では早朝から藁で作った綱の化粧直し。雄綱(写真㊨)の頭部は直径1.5m、長さ3mほどで、それに約30mの尾がつく。雌綱(写真㊧)は長さ8mほどの頭に100mもある尾が続く。頭部は重さがともに500~600kgにも。これを20人ほどで担いで村内を巡回、結婚や新築など祝い事のあった家々を回る。この後、田んぼの中で「泥相撲」。泥が多くつくほど、その年は豊作になるといわれる。大西(下の写真㊧)の丸い土俵は雌綱の尾。全身泥まみれの取っ組み合いに観客の間からも笑いが絶えなかった。

 

   

 午前11時前、大西の雌綱が神主と仲人役の先導で素盞鳴神社に向けて出発。だが、その重さに加え相撲で消耗しお酒も入っているせいか、たびたび小休止。30分後にようやく到着し、雌綱の取り付け作業が始まった。その頃、雄綱の江包は近くの田んぼでまだ相撲の真っ最中(上の写真㊨)。こちらも大西に負けずみんな泥まみれ。取り囲んだ観客も衣服などに泥が付いた人が少なくなかった。

 

 鳥居の前で結合作業が始まったのは午後0時15分ごろ。吊り下げられた大きな雌綱に雄綱をつなぐ。合体成功! さらに離れないように綱を何重にも巻いていく。馬乗りでその作業をする長老も法被が泥だらけ(上の写真㊨)。25分後に完成し、関係者全員による手打ちで締めくくった。真正面から見ると〝ハンモックのお化け〟のようだった、と言ったら罰当たりだろうか。この神事、正式には「入船式」というそうだ。長い雌綱のしっぽは初瀬川の橋を越えて対岸の大木に括り付けられた。

 古くから伝わる素朴な神事の中に、農民の豊作と子孫繁栄への切なる願いが伝わってきた。ただ、伝統的な祭りの伝承はなかなか容易ではない。大西地区の参加者には若手も多いが、住民が少ない江包地区は中高年者の姿が目立った。そのせいか「今年の雄綱はいつもより小さいなあ」という不満気な声を何度も聞いた。毎年、お互いのサイズを確認して作っているそうだが、ちょっと先行きが心配になってきた。

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