【紐状の花序が長さ50cmにも!】
ベニヒモノキ(紅紐の木)はその名の通り、まさに長い花序が赤い紐のように垂れ下がる。マレー半島からインドネシア、ニューギニアに分布するトウダイグサ科アカリファ属のつる性常緑低木。花序は長いもので50cmを超える。学名の「アカリファ・ヒスピダ」から単に「アカリファ」や「ヒスピダ」と呼ばれることもある。日本には明治末期ごろに渡来した。
英名は「シェニール・プラント」。シェニールは刺繍や房飾りに使われる、毛足が長い光沢がある飾り糸のこと。フランス語で「毛虫」という意味もある。似た花に「アカリファ・ヒスパニオラエ」がある。花序の長さが5~10cmほどでベニヒモノキに比べると短くて太い。ネコジャラシ(エノコログサ)を赤くしたようなその花姿から「キャッツテール」とも呼ばれている。
【黄と赤のコントラスが鮮やか!】
「マイソルヤハズカズラ」はインド南部原産で、マイソルの名前もインド南部の都市マイソールに由来する。学名から「ツンベルギア・マイソレンシス」と呼ばれることも多い。キツネノマゴ科のつる性の多年草。長く下垂した総状花序に多くの花を付ける。花径は4~5cmで、花筒内部の濃い黄色と、花を包む苞(ほう)の赤褐色のコントラストが実に鮮やか。
日本に渡って来たのは1980年前後といわれ比較的新しい。ツンベルギア属の植物はアジアやアフリカの熱帯地方を中心に100種前後にも上る。その属名はスウェーデンの植物学者カール・ツンベルク(1743~1828)にちなむ。植物学者リンネの教え子で、江戸時代中期、オランダ商館付き医師として来日した。「日本植物誌」の著者としても知られている。