こんにちは。
小さなお店と小さな企業のための販促コンサルタント、藤田です。
今日もこのブログページを開いてくれてありがとうございます。
少しばかりあなたの時間をいただきますが、よろしくお願いします。
7時前から雨粒がポツポツと窓に張り付いています。
だんだんと本格的に降り始めるんでしょうね、予報によると。
気温もまた下降して、今日の予想最高気温はなんと前橋で10℃、って3月初旬じゃん。
昨日は久しぶりにお天道さんの顔も拝みましたが、すぐに引っ込みましたね。
さて、本題です。
新学期も始まり、みなさんホッとしたのか、昨日あるショッピングゾーンに行きましたが、閑散としていましたし、クルマも、いつもの日曜日に比べると、それほど走っていませんでした。
あなたのお店ではいかがでしたか?
そんなことないよ、お客様がいっぱいだった、という方、良かったですね。
日頃からお客様を大事にしているからじゃないですか?
お客様を大事にしているかいないかというのは、こうした世間的に暇になるときにも、変わらずに来ていただけるか、来てもらえないかの差になってはっきりと出てきます。
忙しいときは忙しいなりに、というよりかは、そういうときだからこそ、一人ひとりのお客様をもてなすということが一番大事なんです。
多くのお店ではなかなかそうしたことが実践できなくて、忙しいときはお客様あしらいがちょっとぞんざいになってしまいますし、お店の方では、これだけ忙しいのだからお客様も察してくれるはず、だからちょっとぐらい………、なんてちょっとでも思ったらおしまい。
もちろんお客様の方は、「忙しそうにしてるなあ、ここでちょっと用を言ったりすると悪いなあ」なんて思うかもしれませんが、お客様に仮にもそのように思わせたりすること自体、接客はNGですね。
暇なときはもちろん「ああよくいらっしゃいました」とおもてなしするのは、いわばどこのお店でもできることです。
お店の接客の善し悪しは、むしろ忙しいときの態度で決まるのです。
肝に銘じておきましょう。
今日も千客万来、お祈りしています。
さてそれでは連載中の『老舗が変わるーーある料亭の再生物語』は、今日で9回目です。
ここからどうぞ。
それまでそばでじっと、みんなの言うことを聞いていた本田に顔を向けて社長は確認した。
本田は何も言わずに頷いただけだった。
その後、社長と女将、板長、そして本田が残り、その後の千樹の方針を打合せした。
「社長よかったじゃないですか。やっぱりみんなに聞いてもらって。いかがですか女将さん」
本田が女将に言った。
「良かったわ。でもホントはこれからがたいへんよね。具体的に考えなくちゃならないし、銀行にも追加融資を頼まなくちゃならないし。
ところで、ねえあなた、いえ社長。この本田さんに正式に紹介されていないんだけど、まだ」
「あ、そうか。そうだった。悪い、悪い。板長にも一緒に紹介するよ」
と社長は言って、改めて2人に本田を紹介した。
こちら本田さん。実は先日の商工会議所の部会があっただろ。そこで初めて会って、仕事がちょっと変わってるなあと思って話をしてみたんだ。
うちのことをさ。初めて会った人だから、そんなに何もでてこないだろうと思ってたんだけどね。
本田さんの言うことを聞いてると、なんだかこの人と一緒にやっていけば、もしかしたら千樹も再生できるんじゃないかなって感じてたんだ。
そしたら女将が、みんなを集めてこれからのことを話し合いたいと言ってきたものだから、ちょうどいいやと思って、みんなに、女将にも板長にも悪かったけど、一応オブザーバーとして出席してもらえないかと尋ねてみたんだよ。それでまあ今日来てもらったというわけなんだ。
本田さん、販売促進の企画とかその方面のコンサルタントを専門にしてる人です」
「はじめまして、本田です」
と言って本田は、名刺を女将と板長に手渡した。
女将は、その名刺に書かれていた「お客様目線で繁盛のアドバイス」というキャッチコピーにまず目が行った。
「恥ずかしい話ですが、こういった料亭のアドバイスというのはまだやったことがありません。
この時点ではまだ契約もしていませんので、もしそういうことで気に入らないのでしたら、はっきりとおっしゃってください。
でも、私は部外者ですから、まったくの素人的な目で見ることができます。傍目八目って言葉はご存知ですよね。
関係者より、それとは全く関係のない傍観者の方が的確にものごとを見ることができるということです。
私はどんな業種でも、そういった目線でみなさんを見るようにしています。
今お渡しした名刺のキャッチコピーのように、この店の客になった場合、どんなことをしてもらったら嬉しいのか、どんなサービスがあったらもっと楽しくなるのか、どんな接客をしてもらえば、笑顔でまた来ようと思って店を出ることができるのか。そういった思いをみなさんにアドバイスしてきました。
正直言ってそれでも伸びなかった店もあります。そういう店と途中で契約が解除になったときはとても悔しい思いもしました。
もうちょっとだったのに、もうちょっと我慢してくれていればきっと上向くのにと、くちびるをかみしめながら帰ったこともあります。
自分の努力が足りなかったのだと、反省もしました。
でも、それ以上に、私のアドバイスでお店が上向きだした店もあります。
そういう店の共通点は、オーナーやお店の人みんなが同じ方向を向いて、それに向かって頑張るという姿勢、そして何よりもオーナーのひたむきさ、誠実さがありました。
何ごともオーナーの気持ちなんです。それさえぶれないでいれば、きっと上向くと私は信じていますし、そのようにアドバイスしていきました。
逆に言うと、上向かなかったお店というのは、オーナーにこらえ性がなかったことが一番だったように思えます。
ある程度の期間は延びません。それが当たり前なんです。
それに耐えきれなかった。関西弁で“いらち”っていうんですけど、すぐにイライラしてしまう人はやはり商いそのものに向かないように思いました。
あるときなどは、こんな悠長なことなんかしていられない、いっぺんにド~ンと売り上げが上がるやり方があるだろう、なんてどなられたこともあります。
よくテレビの特集なんかでやっていますよね。
でもあそこで紹介された、何かあることをやったらいっぺんに売り上げが上がったというお店の、その後が紹介されたことはありますか?
たまにはありますけど、ほとんどのお店は数年で閑古鳥、早いところでは数ヶ月で元の木阿弥、という店がほとんどなんです。
ド~ンと上がったところは、ド~ンと落ち込むのも早いんです。
商いは飽きないでやるから商いなんだと昔から言われてるじゃないですか。ホントにその通りなんです。特効薬なんてありません。
わたしはみなさんに特効薬めいた突飛なアイデアを授けたりはしません。
じっくりとみなさんと話し合いながら店を建て直していく方法がいいという信条があります。
それがいやだと言うなら、ここではっきり言ってください。縁がなかったと思って帰りますから。
まあ今決めろとは言いませんので、1週間ほどよく考えてからお返事をください。
私なんかより、もっとすぐれたカリスマ的なコンサルタントもたくさんいますから、その方たちに依頼されも、もちろんそれはみなさんの自由です。
私から無理強いはしません」
長い本田の話が終わった。
「おっしゃることはよく分かりました」
社長は女将の方を向いた。
「どうだろう、女将。それに板長」
と言って板長の方にも顔を向けた。
「ほんと言えば、わたしは本田さんが言うように、他でも実績のあるコンサルタントに相談してみようかとも思っていたの。
でもこんなときにたまたま社長が縁を持ちこんできてくれたんだから、その縁を大事にしたいなと思う気もするわ。縁って私、大事にしたいから」
「そうだよな、いい縁があったから今もこの千樹もあるんだから」
「そうなの。だから私はあなたの本田さんの縁にかけてみたい気がする。
それにさっき本田さんが言った特効薬でしたっけ、あの話はいいと思うわ。特効薬なんて、その場でしか効かないものよ。
私自身も一時的に繁盛しても、それがいつまで維持していけるか判らないもの」
「板長はどう思う?」
「私は、ここで働かせてもらってる身です。経営のことに口出しはしたくありません。
社長と女将さんが思うようにやってください。私はそれについていきますから」
「ありがとう!」
社長と女将が思わず口を合わせ、板長の手を握った。
この瞬間、千樹は新しい道を歩き始めたと言っていい。
ここでとりあえず第1部は終了します。
明日から第2部という形で続きを掲載します。
それでは、また明日。
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藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。
群馬県前橋市
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