こんにちは。
小さなお店と小さな企業のための販促コンサルタント、藤田です。
今日もこのブログページを開いてくれてありがとうございます。
少しばかりあなたの時間をいただきますが、よろしくお願いします。
昨日の午後は天候がはっきりしなくて、けっこう北風も寒くて、暖かめの服装をしないと風邪を引きそうなぐらいでした。
今日は予報によると昨日よりは安定した晴模様らしいのですが。
空気は冷んやりとしています。
さて、本題です。
商店街の衰退が言われ始めてから、もうどれぐらいたっているでしょうか?
20年前?
その頃はまだ少しは賑わいがありました。
しかし衰退の兆候が現れ出した頃ですね。
バブルの後、GMSという業態が出現し始め、郊外に少しずつ購買の人出がシフトし始めた頃です。
その頃の商店街では、郊外への大型店の出店に反対しながら、ただ単に反対するだけで、自分たちはそれに対してどのように残っていけばいいのかということには、あまりまだ考えがしっかりとしていなかったと思います。
そのときに、ただ反対するのではなくて、生き残っていく策を考えていれば、今のようにはならなかったのではないかと、考えてしまいます。
多分こんなことを書くと、そんなことはない、何を素人が! と、すごい反発が起きるでしょうが、結果的に衰退してしまったんだから、結局考えてこなかったということですよね。
冷たい言い方ですが、そういうことです。
あのときに業種の転換なり、さらなる専門店化なり、顧客満足度向上なりを真剣に検討していれば、今とは少し違った方向に向いていたのかもしれません。
でも今さらそんなことを言ってもしょうがないことで、じゃあこれから何をしていけないいのかということです。
何をしていけばいいでしょうか。
それは商店街などということはもう頭から離して、自分のお店のことだけの生き残り策を考えることから始まるのではないでしょうか。
個店とは、個性があるお店だから個店であって、決して単なる単店のことではないと思います。
あなたのお店の個性とはいったいなんでしょうか。
その個性をもっともっと際立たせることで、新しい方向性も見えてきます。
そして、その個性のあるお店が集まることによって、新しい商店街のかたちも見えてくるのではないでしょうか。
また、もうとっくに、個店で繁盛しているお店はやっていますよね。
たったひとつのことを、徹底すること、それに尽きます。
洋菓子店なら、数十点ある商品の中で一つだけ、GMSでは絶対に売れないものを開発し、際立たせればいいのです。
お米屋さんなら、GMSでは絶対に扱わないだろうおいしいお米を自分の足と口で探し、それを100g単位で販売するなど、きめの細かい販売方法で販売することで、生き残っていけるはずです。
またそのお米を使ったおにぎりやお弁当なども一緒に販売すれば、必ず生き残っていけるはずなんですが。
後はその認知度を上げる方法を考えなければならないですけどね。
自分のお店のことは自分が一番よく知っているという自負が、一番新しいことをすることを阻んでいるような気もします。
さて、連載中の『老舗が変わるーーーある料亭の再生物語』は、今日は第13回目です。
ここからです、どうぞ。
「それじゃその線で煮詰めていきますか」
「ああ、そうしよう。どう板長?」
社長が板長に聞いた。
「私の味でよければ、それはもう、ぜひ」
「よし、料亭千樹は、今日から味の千樹になるか」
「何かそれにふさわしい名前をつけなくちゃいけませんね、女将さん、社長」
と板長が初めて自分の意見を言った。
「お、やっと板長もその気になってくれたね、いいぞ」
社長が嬉しそうに板長を冷やかした。
方向性もだいたい見えてきて、なんだかいい雰囲気になってきた。
「基本的には料理だということですね」
本田が言った。
「そうだね。その料理を味わってもらうためのいろいろな仕掛けをその時そのときで企画していけばいいのかな。
評判がいい企画は定期的にして、ダメだったら1回きりでよせばいいんだから、な」
社長も笑顔でアイデアを出し始めた。
「デパ地下で評判になったら、またお客様が逆に、そちらの方からこちらに来てくれるようになるかもしれないしね。
そちらからの流れの方が千樹としてもいいわ」
「今まではこちらサイドというか、内側だけで商売をやってきたが、やはりこういう時代だから、もっと外に目を向けていかないとダメだなあ。
料亭でございっておさまってる場合じゃないんだ、今は」
社長が感慨をこめて言った。
「いや、きちんとやっていけるところは、その中で新しいものにチャレンジして改革しながら暖簾を守っていくことが一番いいんですよ」
と本田は言った。
「それができなくなってきたから、こうして悩んでいる、というわけか」
「そういうことですね。
でもこういった路線変更だって、きちんとした暖簾があるからこそできることであって、今まで何とか景気だけに頼っていい加減とまではいかないけれど、ただ流されるままにやってきたところは、もうこの時代は潰れざるを得ないんです。
いつものことながら、何でもきちんと経営を続けていることが肝心なんです」
「暖簾に頼らず、その時代に合うように、その暖簾をちゃんと磨いていくということか」
「そういうことです。
さてと、それでは具体的な話にそろそろ移っていきませんか」
「そうよね、今までは今まで、これからのことが大切なのよ」
女将が本田の後を受けて言った。
そのようにしていくつか具体的なアイデアが決まっていった。
つづく
それでは、また明日。
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藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。
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