ごっとさんのブログ

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筋肉細胞が血管細胞に分化?

2015-12-27 10:40:04 | 健康・医療
この話は友人から聞いたもので、私が直接読んだわけではありませんので、やや疑っておいてください。
アメリカのテキサス大からの発表のようですが、マウスの傷がついた筋肉細胞が一部初期化し、幹細胞のようなものに変化するという論文です。

これは筋肉細胞が傷つくと、当然新しい筋肉細胞ができ、場合によっては血管やリンパ管も新しく再生され傷が治るわけです。この時新しくできる血管などが、筋肉細胞が変わったのではないかということで、色々実験を行ったようです。詳細は分かりませんが、完全な幹細胞まではいかないようですが、ある程度他の細胞に分化する能力をもつという結果が得られたようです。

この傷を付けることによって部分的に初期化した細胞を、iMなんとか細胞と名付けていました。この話を聞いて友人もですが、小保方さんのSTAP細胞を思い出しました。事実この論文には、傷のようなストレスを与えて、細胞を初期化する前例として、小保方さんのアメリカでの研究論文が引用されていたようです。

もともと小保方さん(というよりその指導者)は、イモリは傷がついたりして傷んだ部分を再生するときに、そこの細胞が幹細胞のようになり、あらゆる組織ができるという事実から発想が出ているようです。余談ですが、私は昔から再生医療という観点で、イモリに興味をもっており、当時九州大学のイモリの大家に話を聞いたことがありました。イモリはほとんどどの組織でも再生可能ということで、寿命はと尋ねたところ「動物事典には数年と書いてあるが、私が研究を始めてから20年以上生きているイモリがいる」という言葉が印象的でした。

さてSTAP細胞は、“外部のストレスによって万能性を獲得した細胞”という意味ですので、今回のテキサス大の発表は、万能性までいかないようですが、かなり近い細胞ということになります。この研究成果の再現性の問題などありますが、日本でこれだけSTAP細胞で騒いだ後ですから、かなり検証なども行っているのでしょう。今回は細胞に傷を付けるというストレスで、小保方さんは細い管を通したり、培養pHを下げるといったストレスでしたが、こういったことで動物細胞が分化能をもつ可能性が出てきたといえます。

日本にはiPS細胞があり、色々改良されたようですが、やはり難しい技術と言えます。より簡単に分化能をもつ細胞を作り出す技術は、大きく期待されているものです。STAP細胞問題で、日本の研究者がこういった方面の研究をできないという事態だけは、何とか避けたいものです。