ごっとさんのブログ

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最強の動物 クマムシ

2015-12-18 10:30:00 | 自然
最近お笑い芸人の「クマムシ」がいろいろ話題になり、テレビでも見かけるようになっています。どんな芸をするのかなどよくわかりませんが、今回は元祖「クマムシ」について書いてみます。

クマムシはタイトルにあるように、どんな環境でも生きることができる、おそらく地上最強の動物として興味をもっていました。そこで調べてみると私の想像以上でした。

クマムシは体長0.05から1㎜程度の非常に小さな動物で、緩歩動物という仲間で、その名の通り8本の足でゆっくり動きまわるようです。その生息域は熱帯から極地、高山、超深海底から温泉の中までと、地球上のあらゆる環境で生息しているといわれています。動物や植物の体液を吸収して食物としているようです。一応消化器系は持っているようですが、呼吸器系や循環器系はなく、呼吸は体表から直接行っているようです。

昆虫のように変態することはなく、脱皮によって成長し体細胞が増えることはなく、細胞自身が大きくなって成長するといわれています。
クマムシが非常に苛酷な条件でも生きていられるのは、クリプトピオシスと呼ばれる休眠状態になるためです。これは通常体重の85%ほどの水分をもっていますが、これがわずか3%まで減らし全く生命活動がなくなります。こうなると絶対零度に近い低温から150℃の高温でも耐えるようです。圧力も75000気圧の高圧から、真空状態まで耐え、高線量の紫外線やX線、ガンマ線などの放射線にも耐えるとされています。

ですからこの休眠状態で非常に長く生き続け、例えば博物館の苔の標本の中にいたクマムシが、120年後に水を与えられると生き返ったというような話があるようです。この点については、一旦死んでいるものが蘇生したのか、死んでいるように見えるだけなのかの論争があったようですが、現在はクリプトピオス(隠された生命活動というような意味のようです)という乾眠ということに落ち着いたようです。

ただしこの乾眠状態にはすぐになれるわけではなく、数時間かけてゆっくり変化するようです。ですから急に温度を掛けたりするとあっけなく死んでしまうようです。ですから乾眠状態に入ったクマムシは、宇宙に連れて行っても死ぬことはなく、宇宙空間に10日間晒されたクマムシが、地球上で蘇生したという実験結果があるようです。

なぜこのような高度の耐性をもった生物が生まれたのか、どういった時代に分化したのかなどよくわからないようですが、やはり自然界にはおもしろい生物がいるものです。私はまだ実物を見たことはないのですが、どこにでもいるといっても1㎜以下では見つかりそうにありません。どこかで顕微鏡で見ることを期待しています。