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思春期の「ニキビ」の悩み解決に光明

2019-03-11 10:05:19 | 健康・医療
重病ではないのですが本人には大きな悩みの種となっているニキビを、アクネ菌が産生する毒素を狙い撃ちにしてニキビを予防する手法をアメリカカルフォルニア大学の研究チームが発表しました。

ニキビは命を脅かすような症状ではありませんが、隠そうとしてもなかなか隠しきれないだけに、心の健康にはかなりの影響を与えます。ニキビだらけの肌は不安や自尊心の低下をもたらし、極端な場合はうつや自殺願望さえ引き起こすとされています。

ニキビが多くできるのは、心と身体、そして社会性にとって重要な時期である思春期です。しかも大人になっても新たなニキビとニキビ痕に悩まされる人も少なくありません。

余談ですが、私は若いころからニキビはほとんどできませんでした。これも遺伝する様で私の2人の息子もほとんどできなかった記憶があります。やはりこういったことも体質という遺伝子が何らかの関与をしているのかもしれません。

こういったニキビに関して、これを予防するワクチン開発の可能性が出てきたようです。専門誌に掲載された研究によると、肌の細菌が産生する毒素を攻撃する抗体によってニキビの炎症を抑制できる可能性があるようです。

現在のニキビ治療法はレチノイドや抗生物質の投与などが主流ですが、これらはしばしば効果が薄いうえに乾燥肌や炎症、うつなどの重い副作用を引き起こすこともあるようです。

研究チームによると、このニキビワクチンは多数ある皮膚の常在菌の1つで、ニキビの原因と言われているプロピオバクテリウム・アクネス(アクネ菌)を標的としました。この細菌の産生するCAMP因子とよばれる毒素が組織に炎症を生じさせ、ニキビを悪化させます。

そこで研究チームは、CAMPに特化して攻撃する抗体を用いたワクチンを開発しました。ラットの体内だけでなく、培養された人間の皮膚でも炎症を抑制する効果が確認されました。

このようにCAMP因子を狙い撃ちすることで、ニキビ治療の発生と悪化を防げる可能性があるようです。アクネ菌はニキビの元凶と言われていますが、健康を保つのに不可欠な肌の多種多様な常在菌の均衡を維持するのに重要な役割を果たしています。

例えばほかの病原体の侵入を防いだりする機能もあります。そのためアクネ菌を標的にする治療法は肌の常在菌のバランスを崩さないことが大切なようです。ニキビ治療の難しさは、良い役割を果たしているアクネ菌がニキビという炎症を引き起こすこともあるため、単なる除菌では他の菌による炎症などが続いてしまうようです。

この成果はワクチンというべきか難しいのですが、産生する毒素を分解するという方法は今後の期待が持てるのかもしれません。