喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

えひめ人権・同和教育  「希望の虹を架けよう 」 5

2013-01-14 | ブログ
 カーナビでは、大谷中学校まであと少し。
ところがカーナビで示す地図と実際の風景が大きく違う。
あるはずの建物や線路がない。
ここでも津波の大きな爪跡が残ったままになっている。





 白砂青松で有名な大谷海岸は、日本の渚100選として、夏には多くの海水浴客でにぎわっていたそうだ。
砂は津波にさらわれ、臨時の防波堤が積まれていた。
大谷の人たちが愛した風景は、今はない。





 海岸から1㎞ほどなだらかな丘を上っていくと、ついに大谷中学校があった。
ここに顔も名前も知らない友がいる。
 校舎を訪れる私たちに生徒からの明るく元気なあいさつ。
あの歌のようにたくさんの笑顔に出会えた。

 きっとたくさんの悲しみや辛さを経験しているのに、前を向いて乗り越えようとしている姿に感動した。
きっとこの子たちが新しい歴史と故郷を築いていくだろう。

 

 校内の壁には、1年前に三崎中学校が送った千羽鶴とメッセージが今も掲示されていた。
私たちの支援が、少しでも大谷中学校のみなさんの勇気と希望につながっているならば、これほどうれしいことはない。
 

 
 そして今回は、地域の人からいただいた折り鶴と全校で撮影したビデオレターを子どもたち同士で受け渡しすることができた。
最初はお互いに緊張していたようだが、笑顔も見られるようになり、新たな絆を感じた。



 被災地を訪れ、多くの人たちから、希望の虹を架けようとする姿を感じた。
故郷を愛し、思いやりの心を持ち、強く、正しく、たくましく生きていく姿。
このことは、私の故郷を見つめ直す大きなきっかけになった。
 私の生まれ、育った故郷には、誰もが安心して暮らしていける希望の虹が架かっているだろうか。
これからも自分に何ができるかを問い続けたい。


 愛媛への帰り道、3人の我が子が
「来てよかった。」
とつぶやいた。
この子たちの心にも希望の虹が架かったにちがいない。

 最後に、心より亡くなられたみなさまのご冥福をお祈りするとともに、
復興に向けがんばるみなさまに寄り添い続けることを誓う。」


 
 終わり