喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

人は故郷を抱いて生きている

2013-05-01 | ブログ
 先日3連休の最終日、4月29日、昭和の日。
わが家にお客さまが来られた。
 別府に住む母の兄、義明おっちゃんが、
「ぜひ故郷平礒にお墓参りに帰りたい。」
という思いから。
またこうも言われた。
「これが最後のお墓参りになるかもしれんので。」

 この思いに松山に住む母の姉、トミ子おばちゃんや娘のとよみさん夫婦が
手を貸してくれた。

 私が夕方に帰った頃には、すでに食事が始まっており、
みなさん和やかな雰囲気で昔話に花が咲いていた。
姉や妹夫婦もこれにあわせて帰っていた。

 そんな話の中でグッとくる深い話があった。
別府の義おっちゃんがフェリーに乗り、八幡浜に到着。
両手にお土産などを抱え、タラップを降りてくる。
80歳をこえた義おっちゃんは、腰が痛いというのもありたいへんそうで、危なかしい。
 下でお迎えに来ていたトミ子おばちゃんたちは、ヒヤヒヤしながら見守っていた。

 無事、下り着き兄と妹は久しぶりの再会。
そして義おっちゃんの目からは、涙がこぼれた。

 どんな思いがわき起こったのだろう。
どんな思いで故郷に帰ることを決意し、
どんな思いで親しい人と久しぶりの再会をし。





 改めて思った。
「人はみな、故郷を抱いて生きている。
故郷は生きていく力の源なのだと。」

 

 そしてこうも思う。
「故郷で生きていける自分は幸せなのだと。」



 話は尽きなかったが、
松山に帰らなければならないので、お開きとなった。
 みんなでお見送り。
義おっちゃんは、名残りおしそうに、
そして笑顔で車に乗りこんだ。
 いつまでも手をふる姿が、深く胸にきざまれた。



 外灯の明かりが、やけに心にしみた。
また会いたいものだ。必ず。