
日本一細長い佐田岬半島は、愛媛県の中でも柑橘栽培のさかんな場所。
桜は目で見るものなら、花橘(はなたちばな)は香りでみるものといっていい。
今まさに花橘が咲き誇っている。
白く小さいかわいい花。
そしてその香りが絶品。
幼い頃からこの香りに親しんできた。
5月の連休が終わるころ、香り始め、郷をつつんでいく。
目を閉じ、香りをかぐと、山いっぱいに咲く花橘の風景が
まぶたの裏に映し出される。
花橘の香りある風景。
未来に残したい風景。
写真は、耕作放棄園の花橘。
写真奥に、誰にも収穫されない清見タンゴールが実っている。
花が咲き終わり、実がなるのだが、
収穫されない果実とやがて実る青い果実がともにある風景が見られることだろう。
農家が少なくなり、耕作放棄園になろうとも
柑橘はただ、ただ花を咲かせ、果実を実らせる。
これが自然の摂理。
今週いっぱい、まだ香りが楽しめそう。
1年に1度の幸せな時期。
岬人