喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

ふるさと「松集落」を離れた同級生からの便り 4 ~村をみんなでまもっていく~

2015-01-16 | ふるさと
 ふるさと佐田岬には、貴重なしきたり・習慣・行事等が残っている。
その年に亡くなった人を供養する初盆行事も、その1つ。

お盆の期間にそんな初盆行事が、浦々で行われる。
「モウナの人形回し」「おしょろ船」「モウリョウ」の3行事は、文化庁の選択無形民俗文化財に2010年春に選ばれた。
でも過疎高齢化で行事を担う人は減っている。
それでも地域の人たちは、手間をかけて静かに供養を行う。
 
 松集落に伝わる「モウナの人形回し」は、佐田岬半島の中でも特徴ある供養だ。
高さ約4メートルの竹の先に取り付けた人形が身につけているのは子どものいない女性の着物。
「モーナ、モーナ、モミドブ」の掛け声とともに男性たちが新仏の数だけ回す。



 私は、平礒のモウリョウに出なければならないので、松集落のモウナの人形回しを詳しくは知らない。
どなたかに、教えていただきたいものだ。


 昨日のブログに対して、「松集落」を離れた同級生から次のようなコメントが寄せられた。

『モウナのレアな画像をありがとう。
あー未だに、続けているんだね。
昔から流通のないどん詰まりの半島ならではだからこそ、残っているんだね。

 人形が生け贄のようでちょっと不気味だけど、お盆で先祖の霊が迎え火を目印にそれぞれのお宅に戻るでしょ。
当然、その年に亡くなった人も戻って来られる。
居心地いいだろうけど、この後、あの世へ帰ってよーっていう意味かな?
「モウナ」の語源は、「もう来るな」から来ているのかな?
今、思いついた(笑)
 今度お年寄りにインタビューしてみてください。



 田舎って業者さんいないから、みんなで助け合って冠婚葬祭するよね。
気持ちを1つにして物事をなしとげる。
それは今でも、どの社会でも感動を呼びますね。

 自由、合理化、個人主義、自己研鑽、個の尊重など、
それはそれでどれも大切な要素だけれど、スリムでかっこいいけど、それだけでは人生つまんないね。

 幼い頃、「男性は、なんで青年になったら、消防団に入るんやろー」
って思ってたけど、消防署があるわけじゃないから、村のみんなで消火しなきゃなんない。
常日頃、年上の人を団長に、火事がおこった時のために訓練していたんだね。

 お葬式も、おばあちゃんたちが集まってお料理を作ってたね。
お念仏なんかは、我流で誰かがやってたね。
自然に役割分担されてて、本当は尊いすてきなことですね。

 村中のみんなが誰かのために集まり、今回はモウナ。
誰もが真剣なまなざし、死者と交信している時間というか?
死を悲しみ、ご遺族をいたわり、なぐさめる?
そんな写真をありがとう。
見るだけで、まるで、そこにいるかのようなメッセージが伝わってきました。



 3年前に亡くなった父を思い出します。』


 人はみんな、ふるさとを抱いて生きている。
その人たちの思いを知ると、もっとふるさとを大切にしていきたいと思う。

 住んでいるところは違えども、ふるさとに対してそれぞれができることはある。
過疎のふるさとに住んでいる人だけではなく、離れた人みんなで盛り上げていかなければならない時代になっている。

 大切なふるさと。

 盛り上げよう、ふるさと。

                 岬人(はなんちゅう)