愛媛県南予地方の柑橘農業システムが世界農業遺産に向けて動きだしている。
10月22日、平礒においてその取組の一つ「聞き書き」が行われた。
「聞き書き」とは、話し手の言葉を録音し、一字一句すべてを書き起こして、ひとつの文章にまとめる手法。
仕上がった文章からは、話し手の語り口や人柄が浮かび上がり、
「聞き書き」を通して、地域に住んでいる人たちの持つ知恵や技、その生き様やものの考え方を学び、受けとめることができる。
そうなのだ。このすばらしい愛媛県南予地方の柑橘農業システムやそれに携わってきた人たちの思いや技術・知恵などをしっかりと残していきたい。
そのために考えられたのが「聞き書き」。この取組を引き受けてくれたのが三崎高校、川之石高校、南宇和高校。
この日、三崎高校生3名が、私の父と二名津の平尾さんの話を聞きにやって来た。
その様子を記録として残しておくために南海放送の取材もあった。
場所は、我が家の倉庫。
コンテナに座り、車座になり、自己紹介から始まった。
お互い、緊張した様子。 撮影されているせいもあるのだろう。
父は、言葉足らず。平尾さんは、質問以外の様々な話に広がっていく。
高校生たちも考えてきた質問を次々としていくが、父や平尾さんがそんな様子だから表面だけを上滑りしていく感じ。
話を聞いて、それに対しての質問が出てこない。
傍で私は、柑橘農業一筋で生きてきた80歳の人生や思いをもっと聞いてほしい、と感じていた。
そして、ある質問から空気が変わった。
「みかんづくりで一番大切にされてきたことは何ですか?」
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