三崎高校生による聞き書き。
次の質問が空気を変えた。
「みかんづくりで一番大切にされてきたことは何ですか?」
口が重かった父がすぐに反応。
「それは、何といっても土づくり。」
平尾さんも重ねて
「まちがいなく、土づくりやな~」
父が熱を込めて、語り始める。
「除草剤。草刈りをせずに楽じゃが、畑が死んでしまう。使ってはいけん。」
様々な試行錯誤があり、自信を持って言えること。
その熱は高校生にも当然伝わり、目がさらに輝いていく。
話は深まり、広がっていく。
終わりの時間になっても、お互い盛り上がっている。
語り、伝えたい父や平尾さん。
それを聞きたい高校生たち。
年齢差65歳の違いを超えて、つながっていく。
聞き書きによる感動を目の当たりにした。
最後に、取材者が、高校生たちに今日の感想を聞いてみる。
3名とも実に素直で、力強い感想だった。
お互いに別れが名残りおしそうだった。
「分からないことがあったら、また聞きに来させてください。」
という高校生の投げ掛けに、
「それこそ、いつでもどうぞ。」
と応え、とてもうれしそうな父と平尾さん。
真っ暗になった外で、高校生たちを見送った後、
「本当にかわいい子らやったのー。たのもしいわい。」
二人の喜びの顔が、この聞き書きの大成功を物語っていた。
農業には、夢がある!
岬人(はなんちゅう)
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