こんばんは。相変わらず酔っ払いの幸田です。・・・って、朝「雪だ!」の記事上げたときはしらふだったんですが、夕方出かける予定が雪で延期になったので、心置きなく飲んでます。
結局スーパーに行こうと着替えているうちに、あっという間にまたドカ雪が降り始め、自転車じゃメガネに雪が付いて無理。かといって徒歩は寒過ぎる・・・と車で行ってきました。表通りは雪が融けててOKでした。が、夜になって融けなくなったので、今夜降り続いたら明日は確実に交通マヒだなあ・・・。電車は遅れていそうだ。やだやだ
昨夜のテガミバチ、ラグがゴーシュを見上げてはいちいち頬を赤らめ、やっぱラグ×ゴーシュは公式だよな~、と再確認したことですよ。しかもラグってば、「ゴーシュがボクのディンゴ・・・」と鼻の穴を膨らまして(そう見えました)顔を赤らめ、明らかに妄想していました。・・・何を妄想してたんだ、この超攻め様&隠れドSめ!
自分の言うことに忠実なディンゴ=ゴーシュ。自分だけに仕えるディンゴ=ゴーシュ!「ラグ・・・ボクは君のものだよ」と言うゴーシュ!!「ボクは君の言うことなら何でもするよ・・・」と頬を赤らめてするりとシャツを滑り落とすゴーシュなどと妄想してたんじゃないだろうなああ!? ←そんな妄想をしていたのはお前の方だ・・・しかも更に猫耳つけたゴーシュに「可愛がってください、ご主人様・・・」なんて言われた日にゃあ、鼻血もんだな!などとニヤニヤしていたことだよ!・・・死ね
「帰ってきたんだ・・・ボクのゴーシュ!」おいおい、いつ「お前の」になったんじゃいとか、「こうしてゴーシュと一緒に、シルベットの待つ家へ帰れるなんて・・・」と手を摑んで駆け出すラグの心理は、「同じ職場で共働きで、一緒に家に帰るみたい・・・入り婿したスエード家にはライバルの小姑がいるけど、でももうゴーシュはオレのだもーん気にしないさっ今夜はたっぷりかわいがるぞー」とか妄想してたんだろう!とか、突っ込みどころ満載。←突っ込みたいのはお前の思考の方だ
・・・やっぱワタクシ、ラグ攻(片思い。でも成長したらゴーシュを押し倒す)→ゴーシュ受(好きな男のタイプがちょっと変!)⇔サンダーランドJr.攻(純情だけどヤルことはヤルむっつりスケベ)で、ジギー攻(強引に口説き落とす)→館長受(若さに流されちゃった・・・)で行きます!(何を?・・・腐れ妄想を・・・)今までは結構ゴーシュ総受だったので、館長→ゴーシュもありかな~、と思っていたのですが・・・。ジギーは無意識のオヤジキラーだとは思ってたんだけど、ワタクシコミックス派なので知らなかったのですが、ジギーが館長に非常に思い入れがあることを表明するおステキなセリフを言ったことを知りまして、この冬コミでこのカップリングの同人誌も読みまして、一気に転びました・・・。まさか本人もオヤジスキー・・・いやいや(館長はオヤジじゃないよなでもせめて30歳にはなっていてほしいなあ・・・。墜落事故が12年前だから、そのとき18歳だとしても今ギリギリ30だなあ・・・ムムム)、年上スキーだったとは!年下攻めか・・・いい趣味だぜ、ジギー!
話は変わりますが、新年になって、また深夜アニメの新番組が始まりましたね~。もうタイトルだけで好みじゃなさそうなのは最初から録画すらしないでおこうと思っていたのですが・・・「レベルE」ってのがあって・・・これ、富樫さんだよね?え~と、これ、何年前の作品?何で今さら??つーか、あまり覚えてないんだけど、これって完結してる作品?読んだことあったっけなあ・・・。ジャンプの予告だけ見たような・・・。それより「HUNTER×HUNTER」って完結してるの?ないよね?なんだかなあ・・・それよりいっそ「べるぜバブ」の方がおもしろいよ!朝早すぎて今のところいつも後半15分しか見られないけど(笑)7時に起きようとか録画して見るほどの気力はないんだけどね(爆)
え・・・ええー~?これってアニメだけのオリジナル設定なの?それともまだ出てきてないだけで、原作も実はこういう設定なの?!
・・・って、ガラードとバレンタインが実はリバースの一員だってことだよ!
いやいやいや、まだ2重スパイだって可能性もあるだろ。
そもそもなあー。原作でもあの2人が完全に政府側ってわけではないと思ってるんですよ。ロイドを館長解任したのも、ロイドを自由に動けるようにしたんじゃないのかなあ?リバースの思想に共感はしないけど、政府も信用していないってとこですかね。
とはいえ、ガラードのあの少年を足蹴にした態度はなあ・・・。原作とは違う、ほんとにリバース側って設定でやってる可能性もないわけじゃないような気も。どーもアニメ版の脚本、私イマイチなんですよねー・・・。
ふーどうなることやら。原作に忠実にしないつもりなら、それなりのもの見せて欲しいけど、まあ期待はできないんだよなあ、正直なところ
注意!!
①これはいわゆるボーイズラブというジャンルの女性向け小説であり、同性間の恋愛を扱っており、性的表現を含みます。このジャンルに興味のない方、そのような内容を苦手とする方はお読みにならないよう願います。
②テ○ミバチ「サンダーランドJr.Xゴーシュ」です。このカップリングやゴーシュ受が苦手な方はご遠慮ください。
③設定については大部分捏造しております。くれぐれも信じないように!(笑)
④文章の一部は、うっかり目に入らないよう反転させることがあります。反転箇所は携帯からは読めません。ご了承ください。
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そのまま彼の上に突っ伏して息を整えていたが、理性が戻ってくると血の気が引いた。ケガをさせてはいないか、彼の制止を聞いていなかったのではないかと心配になる。
私はそっと体を起こし、ゴーシュを見下ろした。彼は眠っているように目を閉じて、少し速い呼吸をしていた。
「……ゴーシュ……?」
彼はすぐに目を開け、何度か瞬いた。
「……はい」
その声が落ち着いていたので、私はほっとした。
「大丈夫か?ひどく痛むとか、気分が悪いとかいうことはないか?」
「大丈夫……です……。少し…驚いただけで……」
彼はおずおずと微笑んで、両手で目もとを拭った。彼を泣かせてしまったことに胸が痛んだが、その一方でぞわりと官能を刺激されてしまう。私は未練を残しながら、ゆっくり自分のものを引き抜いた。彼の眉がきつく寄せられ、抜けると同時に深い吐息をついて、脱力した。
彼の横に寝そべり、まだ達していない彼のものを手で包み込む。やはり、後ろへの刺激だけでいけるようになるには、私も彼も経験を重ねないと無理だろう。
彼は私の方に寝返りを打って身を寄せ、私の視線から逃れた。……彼のものはむしろ萎えていってしまって、私は困惑した。
「……ゴーシュ、やはり具合が悪いのか?」
彼は首を振った。
「……すみません……。そうされるのは恥ずかしくて…とても、申し訳ない気がして……どうしたらいいのかわからなくなるんです……」
彼が感じていることは、なんとなくわかった。彼の中では自分の快楽は「いけないこと」で、ましてそれを他人に与えてもらうことに、罪の意識を感じるのだろう。
「でも」
彼は肘で体を支え起こした。
「誤解しないでください。あなたとこうするのが嫌だということではないんです。とても嬉しかったし、とても満足しているんです。特にさっきの……その……」
彼は真っ赤になった。
「あそこに……入れられるの……気持ちよくて……びっくりしてます……」
「だが、痛かっただろう?」
腕を伸ばして抱き込むと、彼は素直に私の腕の中に身を委ねた。
「……痛かったですけど、痛いのが気持ちよかったとかじゃなくて……この神経は痛いと感じてるのに、その横の神経は気持ちいいと感じているような……ばらばらな感覚が一度にあって……。それに、あなたの苦しそうな顔を見て、ぼくとこうするのが快感なんだと思ったら嬉しくて……」
彼の声が震えた。
「……とても、幸せでした……」
私は、彼の肩を摑んでそっと顔を上げさせた。彼の目には涙が溜まっていた。
「……好きです……博士……」
「私も……愛している、ゴーシュ……」
私たちは互いに求め合い、激しい口づけを交わした。
まだ眠っているゴーシュをそのままに起き出し、私は風呂に入り身繕いを整えてから彼を起こした。彼がシャワーを浴びている間にコーヒーを入れておく。基本的に三食とも外食なので、家にある食料といったらコーヒーや茶葉、アルコールの他は、つまみのチーズやナッツ類しかない。朝食はハチノスへの出勤途中の屋台でパンなどを買って、事務所で食べることにしている。
服を着替え、椅子に座る彼の動作を見て、それほどダメージはないようだと安心した。二度目にしたあと、ぐったりしてすぐに眠ってしまった彼が少々心配だったのだ。
ゴーシュは一旦家に戻らなければならないので、まだ町が動き始めていないような時間に彼を送り出さなければならなかった。ほとんど会話もせず(互いに照れてしまって、ろくに目も合わせてもいない)、コーヒーを一杯だけ飲んで彼は慌しく上着を羽織った。
「……お邪魔しました、博士」
「ああ。気をつけて」
顔を伏せがちに挨拶した彼は、だがすぐにドアを開けようとはしなかった。私も本当は帰したくなくて、促したりしなかった。
「……博士……昨夜は、あんなにあなたの心を伝えてもらったのに、ぼくはほとんどお伝えできなかったような気がして……」
俯いている彼の頬から耳までが赤く染まっていく。
「……また、していただけますか……」
「……」
私は彼を抱きしめた。
「当たり前だろう。私の方こそ、こんなんじゃ全然伝えきれていないのに」
このまま、また抱いてしまいたい衝動に駆られたが、私は全身の理性をかき集めて、腕を解いた。
「今日はあまり無理をするな。何かあったら診療室に来なさい。…それじゃあまた、ハチノスで」
「はい。失礼します」
彼は顔を真っ赤にしたまま、帰っていった。玄関のドアにもたれかかって遠ざかる彼の足音を聞きながら、思いついた考えに私は口元を緩めた。
そうだ、彼にテガミを書こう。今何をしているとか何があったとか、日常のことと、それから、会いたい……と。
君が会いたくなったらこのテガミを届けてほしい、と往復書簡を彼に送ろう。私の研究室を唯一訪れてくれる、愛しいテガミバチに……。
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この話のテーマはとゆーか、思いついたときのイメージというのは、「恋は、遠い日の花火ではない」です。(某ビールの宣伝…)ぶはーっ(笑)…って、サンダーランド博士の心境ですよ!
アンバーグラウンドって、平均寿命短そうな気がするんですよ。食料も乏しいし、気候もおおむね寒冷ですし。人生50年という意識じゃないかな。そうすると、30過ぎの(例によって捏造設定です。飛行船事故当時26歳、この本では6年後の32歳、ゴーシュ17歳という設定・・・なんですけど、原作に出てきた事故当時の博士を見ると、もっと若そうだったしまったなあ・・・)博士としては私たちでいう40か50歳くらいの感覚?そりゃーもう「恋は遠い日の花火」ですよ。
なのにいきなりピッチピチの美青年、しかも清らかさん(笑)とフォーリンラブですからねえ・・・そりゃあ驚くしうろたえるし「犯罪だろう(援交・・・?)」とも思うでしょうとも!逃げ腰になるのも無理はないっつーことで。
しかし、受けがイかないやおいってどうなの…。まあしょっぱなからイッちゃう受けってのもなんだかなーと思っておりましたので、あえてそうしましたが。それなりに経験のある博士に開発していただくと良いと思います。もう若くないのでそんなに焦らないだろうし(笑)…ホントはロイド館長の方が手練れだと思うけど(爆)
そういや例の博士とゴーシュのカバーイラストの「テガミバチ」DVDが届いたら、画面で見たよりゴーシュが色気虫で倒れそうになった・・・。「狙ってる・・・狙ってるよ、博士のバックを!」
ワタクシそもそも年下攻めですからね~。疲れた中年の中間管理職を口説く美形の年下攻めが大好物ですから!なのに・・・なんだなんだこのイラストはーっ!?どう見てもゴーシュ攻め(少なくとも精神的には)の博士受けにしか見えないっつーの
というわけで(どういうわけだ)、9回にもわたりおつきあいありがとうございました!次は・・・次があるかどうかわかりませんがまたお会いできることを祈りつつ。再見!
注意!!
①これはいわゆるボーイズラブというジャンルの女性向け小説であり、同性間の恋愛を扱っており、性的表現を含みます。このジャンルに興味のない方、そのような内容を苦手とする方はお読みにならないよう願います。
②テ○ミバチ「サンダーランドJr.Xゴーシュ」です。このカップリングやゴーシュ受が苦手な方はご遠慮ください。
③設定については大部分捏造しております。くれぐれも信じないように!(笑)
④今回文章をすべて反転させているため、携帯からは読めません。ご了承ください。
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彼の体中に口づけ、舌を滑らせる。時折くすぐったそうに体をよじっていた彼の息の中に次第に喘ぎが混じり、先程はほとんど反応しなかった彼のものも、芯を持ち始めた。
私は彼を片手で抱き寄せて、もう一方の手を彼の脚の間から奥へと進めた。
びくっ、と彼は体を硬直させた。
「痛いか?」
私の胸に顔を伏せたまま、彼は首を振った。
解剖学的な知識はあっても、臨床経験が豊富とはいえない私は、文字通り手探りで、内壁を指で押してその場所を探した。
「……っ」
彼が息を呑んだ。私の指も、感触を探り当てていた。それまでの抵抗のない柔らかい感覚とは違う、押せば押し返してくる存在感。
「あ……あ、んん……」
しがみついてくる彼の指先が、私の胸に食い込む。彼が声を抑えようと口を閉じるほど、甘い淫らな呻きが鼻から抜け、私を煽った。ずっと中途半端な状態に置かれていたせいか、こらえるのがつらいほど私は勃起してしまった。
彼の快いところを攻めてやる余裕などなくなり、もう彼を貫くこと以外考えられなくなってしまった。
指を引き抜き、彼の脚を開かせ、その奥の色づいた蕾に雄の頭部を押し当て──何をされるかまだよくわかっていないらしい彼の、予感に怯えながらどこかあどけない表情が目に入った──蕾を開かせるように先端を捻じ込んだ。
「ンン……ッ」
何の警戒もしていなかったのだろう、一気に半分ほど入ったところで、きつい締めつけが来た。ゴーシュは最初にわずかに声を上げただけで、すぐに歯を食いしばって声を殺している。そういえば彼は、ケガの治療のときでもいつも声一つたてず、涙も見せない。
体を倒して彼に体重をかけると、重みでぐっと入り込む感覚があった。もう、ほとんど彼の中に納まっている。
「ゴーシュ……声を殺すと、体に力が入る。口を開いて…大きく呼吸して」
彼がなんとか息をつき、握りしめていたこぶしが緩めたところまでは待った。が、そこまでだった。私は彼の肩を押さえつけ、突き上げた。彼の口から短い悲鳴が洩れた。私が彼の奥に打ち込むのに合わせて、切れ切れのむせび声が上がり続ける。それが苦痛だけではなく聞こえたのは、決して私のうぬぼれではなかったと思う。
彼の中は熱く、柔らかいのにびくびくと締めつけてきて、たまらなく気持ち良かった。粘膜同士が擦れ合う擦過感も、彼と交わっている、彼を犯しているのだという実感を強くもたらした。私は、初めて自分でも声を上げながら迸らせ、果てた。
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今回は反転部分だけということで、ずいぶん短いです。最後まで載せてもいいんですけど、携帯の人に不親切かなー・・・と。反転して見えないと、何が書いてあっても恥ずかしくないなーっ。(←大きな間違いです)
というわけで、次回で終わりです。むしろHシーンより恥ずかしいセリフばっかなので、反転してしまいたい・・・
注意!!
①これはいわゆるボーイズラブというジャンルの女性向け小説であり、同性間の恋愛を扱っており、性的表現を含みます。このジャンルに興味のない方、そのような内容を苦手とする方はお読みにならないよう願います。
②テ○ミバチ「サンダーランドJr.Xゴーシュ」です。このカップリングやゴーシュ受が苦手な方はご遠慮ください。
③設定については大部分捏造しております。くれぐれも信じないように!(笑)
④文章の一部は、うっかり目に入らないよう反転させることがあります。反転箇所は携帯からは読めません。ご了承ください。
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いやなときはいやだと言ってくれ、と言った私に、彼は「したこともないのにいやかどうかなんてわかりません」とむっとして言い返した。が、それが虚勢なことはすぐにわかった。彼の体は緊張のせいで冷たいままで、性器を愛撫しても感じてはいるようだが、なかなかきざしてこなかった。これではもどかしいばかりだろうと、途中でやめて彼の緊張を解すことにした。
腕枕をして抱きしめた彼に、何度もキスをしながら、背中や腰をあやすように撫でる。そのたびにびくりと震えていた彼だったが、次第に慣れて硬かった体から力が抜け、体温も戻ってきた。
「……女性とも、したことはないのか?」
彼はこくりとうなずいた。予想通りの答えだが、幼なじみのアリアとは仲が良く、はた目には恋人同士に見えないこともないので、ひょっとしたらとも思ったのだが。
「自分でするときは、ちゃんといける?」
一応、確認する。そうでなかったら、医者としての私の出番だ。幸い、ゴーシュはうなずいた。
「……何度か、したときには……」
「何度か?」
「ええ。仕事に出かけなければいけないのに、どうしても治まらないときとか……」
私は、驚きを表に出さないようにさりげなく尋ねた。
「性的欲求の解消のためにすることはないのか?」
「……そういうことがあるのは知ってますけど……」
ゴーシュは言いにくそうに口ごもった。
「あまり…感じたことがなくて。大抵仕事で疲れているからベッドに入った途端眠ってしまうし、それに……」
「それに?」
「……心弾を撃つと、その……たまにあるそういう感じも、消えてしまって。……もしかしたら、いけなかったでしょうか?」
私を見上げた彼の真剣な表情に、私は答えてやることができなかった。彼くらいの年頃の青年たちの持つ荒々しさや猥雑さが、彼に感じられない理由の一つを知った気がした。
私には心弾を撃つ才能はないので、彼らの感覚はよくわからないが、熟練してくると、個人の癖や得手不得手はあるにしろ、どんな「こころ」を込めるか、コントロールできるという。するとゴーシュは無意識に、そういった自分の欲を心弾として、自分の中から抹消しているのかも知れない。彼が話してくれたヘッド・ビーになる夢も、彼の誇りや彼自身の生活を豊かにするためではなく、その動機は妹のためだ。すべては妹のために、もしかしたら彼は、性的なものだけでなく、彼自身の望みや欲を、そうやってすべて捨てているのではないかという気がした。
そうだとすれば、彼が私に向けてくれた感情は、とても貴重なもので……初めて、彼自身でも捨てきれなかった想いなのかもしれない。
「ゴーシュ……」
愛しくて、それ以上に彼が不憫でならなかった。私は、彼を力の限り強く抱きしめた。
「私は君が欲しい。心だけでなく、体もだ。君も同じように、私を欲しいと思ってくれたら嬉しい。だから、そういう欲求を必要ないものだとは思わないでほしいんだ」
「……わかりました、サンダーランド博士。心弾の撃ち方を変えるようにしてみます」
本当にわかったのかわかってないのか、彼は神妙に答えた。
私は体を起こし、向き合って横たわっていた彼の体の上に乗りかかった。本当は彼には快いだけの経験で終わらせるつもりだったが、やめた。「欲しい」という切迫した生々しい感情を、それを互いに向けられるのは愛し合っている者同士だからこそだということを、彼に知ってほしかった。
「……ゴーシュ、君に苦しい思いをさせるかもしれない。だが、私の正直な気持ちを感じてほしい」
「……ぼくは、最初から、そうしたいと思ってました、博士……」
揺らめくランプの光に照らされた彼の表情は、天に向かって祈る女帝のイコンを思い出させた……。
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反転ばっかになってしまう前に、切りました(笑)次回はやっと(?)Hに入ります携帯の方はすみません・・・
この話には全く関係ない、役に立たない人物解説。
・・・とゆーか、全然話どころかひとコマだって出てこないゴーシュとシルベットの父親。
ラグは父親がいない&不明でもしょうがない。ラグの母親はたぶん首都から逃げてきたみたいだからね。でも、あの兄妹の父親が全く出てこないのは恣意的な気がする。だって、アリアとゴーシュが幼なじみってことは、母親がシルベットを身ごもる前からのご近所づきあいの可能性が高い(もしかして、シルベットを身ごもった状態でユウサリに越してきた可能性も否定できないけどね・・・)。なのにシルベット出産のときに父親は不在、その後も登場せず。・・・アレか。父親は母親のところに夜這いしていただけかい。そうでなきゃどこかで逢引きしていただけか。うーむ、じゃあゴーシュとシルベットの父親が違う可能性もないとは言えないよなー。それともまさか、アルビス種は単性生殖なのか?!(冗談です・・・って、あながち冗談でもなく、政府が人工的に妊娠させていたという可能性はアリかも?)
そもそもゴーシュは瞬きの日に「母親の記憶をなくした」っていうけど、「父親の記憶をなくした」とは全く言っていない、つまり、最初から「父親という存在が記憶にない」。となると、少なくとも確かなのは、
「母親は結婚せず兄妹を出産。ゴーシュは父親の顔を知らない。ゴーシュとシルベットの父親が同一かどうかすら不明。父親はもしかしたら多少は金銭的援助をしていたかもしれないが、母親死亡後はその様子はない」
ということだけですかねー。
あの世界ではあんまり人種の差がないような気がする(狭い世界だし、貧富の差はあっても文化的に差異はあまりなさそうだし・・・)のに、「アルビス種」だけ名前が出てくるってことは、相当特殊、あるいは希少と見なされているってことだと思うんですよね。ラグの母親は政府に連れされられ、ラグは「彼自身のものでない」記憶を大量に持ち、人工太陽は人々の「こころ」を食っているらしいと示唆され、ゴーシュは「瞬きの日」の光の中にいた、ただひとりの生存者(記憶は一部失ったけど)・・・と、どうもアルビス種は女帝制度や人工太陽に深く関係しているものと思われます。早くすべての謎が解明されないと、私はあーでもないこーでもないと予想しちゃーはずれたと言ってじたばたし続けるんだろうなー
注意!!
①これはいわゆるボーイズラブというジャンルの女性向け小説であり、同性間の恋愛を扱っており、性的表現を含みます。このジャンルに興味のない方、そのような内容を苦手とする方はお読みにならないよう願います。
②テ○ミバチ「サンダーランドJr.Xゴーシュ」です。このカップリングやゴーシュ受が苦手な方はご遠慮ください。
③設定については大部分捏造しております。くれぐれも信じないように!(笑)
④文章の一部は、うっかり目に入らないよう反転させることがあります。反転箇所は携帯からは読めません。ご了承ください。
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「座ってくれ。何か飲むか?」
スエードは首を振った。私は彼と自分の上着をハンガーにかけながら、迷っていた。……何もかもが言い訳だ。私はただ、彼に嫌われたくないのだ。自信がない。この体も、彼から見たら十分に「オッサン」な年齢であることも、今となっては苦々しいだけの「恋愛遍歴」も、彼の目にどう映るだろうか。
「風呂を使うか?」
「いえ、入ってき…あ……お借りします」
私はバスルームのランプを点け、洗濯してある自分のパジャマと新しい歯ブラシを用意してやった。
彼が出てくるのを待つ間、グラスに注いだ蒸留酒を空けながら、私はようやく心を決めた。
バスルームのドアがそっと開いて、おずおずとスエードが出てきた。
「お先にありがとうございます」
借り物のパジャマに借り物の室内履き、腕に脱いだ服をかかえた彼は、常より幼く少女めいて見えて、私は慌てて目をそらさなければならなかった。
「冷えるから、ベッドに入っていなさい」
隣りの寝室に彼を案内し、私は朝脱いだままの自分のパジャマをベッドから拾って居間に戻った。
寝る仕度をしてから寝室に入っていくと、言われた通り毛布の中に入って膝を抱えて座っていたスエードは、ぱっと顔を上げた。
人工太陽の光を遮るため、寝室のカーテンは厚い生地で作られている。バスルームから持ってきたランプをナイトテーブルに置くと、スエードは眩しげに目を細めた。その表情は硬く、ひどく緊張しているのがわかった。
毛布をめくり、彼の横に並んで座った。
「……手……」
「え?」
「手袋、はずしたんですね」
「さすがに家の中ではな」
彼の視線が、私の立てた膝の上に載せた剥き出しの手に向けられていた。
「さわっても……いいですか?」
「ああ」
私は自分からその手を差し出した。それを両手で包み込むように取り、彼はそっとさすった。
「……熱かったでしょうね……」
「どうだったかな。幸いなことにすぐ気絶したようで、あまり憶えていないんだ。そのあとも一か月くらい睡眠薬と麻酔のせいで記憶が飛んでしまっているしな」
スエードは目を上げた。
「腕だけではないんですか?」
「……ああ。腕と…腹と胸だ。……見るか?」
彼は私をじっと見つめて、うなずいた。
「あなたがいやでなければ……」
私はパジャマの上を脱いだ。彼がはっと息を呑む気配がした。だが、彼は目をそらさなかった。
「……君を、不快にさせると言った……」
自分で言いながら、自己嫌悪がこみ上げる。自分は、彼を試している。彼がためらいの表情を見せてくれれば、それを理由に彼を傷つけずに、このまま友人でいられる。そうでなければ……
「痛みはあるのですか?」
「いや。もう六年も経ったからな。多少鈍かったり逆に敏感だったりするところはあるが……」
私はその先を続けるのを忘れた。彼の手が、私の胸に触れたからだ。
「ス……」
彼は私の胸に唇を寄せた。そっと、何度も。こんな状況にも関わらず、それには性的な意味はなく、敬虔でさえあった。
「あなたが、生きていてくれてよかった……」
彼は私の手をとり、接吻した。
「あなた自身を含めて、事故の前のあなたを知っている人にとっては、今のあなたは以前とは違うとしか思えないのかもしれませんが、ぼくにとっては、今のあなたがすべてです。ぼくが好きになったのは、今のあなたです。あなたを……ずっと好きだったんです。だけどあなたは…それを信じてくださらない。だからぼくは、自分の心をあなたに伝えたい。あなたに触れて……あなたに触れられたい」
そう言ってゴーシュは、身を伸ばしてキスを……ひどくためらいがちでぎこちないキスをすると、恥ずかしげにうつむいた。
「……この先、どうしたらいいのか知らなくて……。すみません……」
私は、彼の肩を抱いて引き寄せた。私の卑屈さや臆病さが、傷つけたくないといいながら却って彼を不安にさせ、傷つけてしまった。本当に私は大馬鹿者だ。
「ゴーシュ……私も、君に触れたい……」
肩を震わせ顔を上げた彼に、私は口づけた。
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前回に引き続き博士が超乙女で、なんだかなー・・・うっかりするとゴーシュ×Jr.になりそうで危険、危険(いや、1回くらいはいいんじゃないの。煮え切らない博士をゴーシュが押し倒してもさ!でもそーにゅーはナシでお願いします。ゴーシュにぱっくりされて、「だめだ、よせゴーシュ・・・!」とか言って恥らいながらイッちゃう博士ってどうですか・・・。うわ、考えたら萌えてしまった!危ねえー!)
この話には全く関係ない、役に立たない人物(?)解説。
エミュー・・・オーストラリア生息の鳥の名前・・・じゃなくて、夜想道2番街にあるピンク・エレファントという薬草屋兼情報屋の主人。裏情報だけでなくあやしげな薬も売ってそうだ・・・。
きっとまだ10代のロイド館長が、先代店主に持病の薬を買いに来ていた頃に知り合ったに違いない。が、知り合った場所は店ではなく、若者がたむろするヤバめのクラブに出入りしていて、お互いぶいぶい言わせてたので顔見知りではあったところ、親の経営する店(エミューは小遣い稼ぎにこっそり薬や煙草を持ち出してクラブで売ったりしていた)に来たロイドと顔を合わせてしまい、それで親しくなった・・・というのが幸田の勝手な設定。じつはエミューは最初、クラブで見かけた美少年だったロイドを秘かに落としたいと思っていたが、ロイドがバリバリの攻め(しかもバイ)と知って残念に思っていた過去あり。(・・・って、ますます妄想設定膨む)しかもそれをロイドに知られていて、それもあって年下のロイドに「君」付け呼ばわりされても許しちゃってる。今でもけっこー黙ってりゃ好みのタイプなので、惚れた弱みってヤツ(笑)
・・・うーん、館長の方が年上という可能性もアリだけど、その場合ちょっと妄想設定変わるなー・・・って、お前の勝手設定ばっかで人物解説になってないじゃないかーっ!!
①これはいわゆるボーイズラブというジャンルの女性向け小説であり、同性間の恋愛を扱っており、性的表現を含みます。このジャンルに興味のない方、そのような内容を苦手とする方はお読みにならないよう願います。
②テ○ミバチ「サンダーランドJr.Xゴーシュ」です。このカップリングやゴーシュ受が苦手な方はご遠慮ください。
③設定については大部分捏造しております。くれぐれも信じないように!(笑)
④文章の一部は、うっかり目に入らないよう反転させることがあります。反転箇所は携帯からは読めません。ご了承ください。
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鍵を開け、彼を先に部屋に入れながら、早くも私は後悔し始めていた。彼を抱きたいと思わなかったわけじゃない。だが、どこかでそうは決してならないと安心していた上での妄想に近いものだった。私にはためらう理由がいくつもあった。
同性だということは、恋をしてしまった時点で除外した。一つ目は、気の弱いものなら直視できないだろう上半身の火傷の痕。もう一つは……私が彼より14も年上だということだ。年の差は言うまでもないが、それ以上に、今さら恋愛にかける情熱など自分に残ってはいないと思っていたからだった。六年前、私はそれまでの地位や首都暮らしの特権や、婚約者や何もかもを捨てて、半ば自分の人生は終わったと思いながらユウサリにやって来たのだから。
婚約者──捨てたというより、捨てられたというべきかもしれない。病院のベッドの上で、包帯だらけの私がユウサリへ行くと告げたとき、彼女はついて行くとは言わなかった。私もついて来てほしいとは思わなかったし、もし思ったとしても、彼女が来ることはないとわかっていた。彼女は生温い私などとは比べものにならない野心家で、今持っているものも権利も、何ひとつ捨てるつもりはなかった。私を除いては。
政府のために働くのはまっぴらだった。しかし政府の矛盾を必要悪として認めざるを得なかった私は、せめて人々のために働こうと、ユウサリ勤務を希望し、今の職を得てハチノスへやって来た。そしてゴーシュ・スエードに出会い、恋をしてしまった。
見ているだけ、同じ仕事場で働く仲間として、彼と接点を持っていられればいいと思っていた。そうしなければならないと自分に言い聞かせてきた。なぜなら、人に知られる──当の相手にさえ知られるわけにはいかないたぐいの恋だったということもあった。が、私は、自分が恋をしたという事実それ自体に、相当困惑を感じさせられていたからだ。
ここに来たとき私はまだ26歳だったが、それなりに愛していたと思っていた女性に対する気持ちが、政府やこの社会への失望や嫌悪とともにあっさり冷めてしまったことや、それまでもいくつか経験していた「恋愛」も、自分にとっても相手にとっても、「自分にふさわしいか」「自分に利益があるか」という打算と、その場限りの欲望とで成立していたものに過ぎなかったという自覚から、自分は恋などできない人間なのだと思い込んでいた。したとしても、相手に好かれる要素など何も持っていないのに、無駄だと思った。もはや首都エリートでも今後出世の見込みもなく、それなりに見映えのした容姿も、片目はなく、顔にも、服で隠れているが腹側の上半身にも火傷の痕が残り、人前にさらすことなどできないものだ。これでは一夜限りの情事さえ不可能で、男性機能には何の異常もないことが却って恨めしいくらいだ。
そんなわけで、26歳にして精神的にも肉体的にも「恋愛」とは無縁になったとうそぶいていた私は、事実それから六年の間、どんな女性にもこころを動かされることはなかった。……もっとも、女性と知り合うことなどほとんどない環境に身をおいていたからと言えないこともない。その中で出会った少数ではあるが女性の「テガミバチ」や部下たちは誰もみな、首都にいた女性たちに比べて純粋でけなげで愛らしく、十分魅力的だと思いはしたが、好意は持っても「恋」にはならなかった。──なのに。
彼に恋をしてしまった。しかも、自分がするはずもないと思いこんでいた、打算のない恋だと知って、私は無知な少年のように臆している。彼が欲しい、自分を好きになってほしいという望みと、そんな望みはあまりに無分別だ、いい年した大人のすることじゃないと警告する理性との間で、私はずっと振り子のように揺れ動いていた。彼もまた、私に友人を超えた好意を持ってくれて、それどころか「寝たい」とさえ言ってくれ、ここまで来てしまった段になって私は、再び理性の方に心が揺れていた。
おそらく性行為は未経験だろう彼に、同性とのセックスなど経験させてしまっていいのか?大人として、まだ未成年の(彼は18になっていない!)青年を正しい方向に導いてやるべきじゃないのか?……そもそも彼の私への感情は、恋愛や性愛なのだろうか?身近に自分を庇護してくれる大人を持たず育った彼の、大人の男への憧憬でしかないのではないのか?……仮に恋愛だとしても、実際には性の部分は含んでおらず、ただ私の欲望を感じとって、応えてくれようとしているだけではないのか?
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すみませんね~~、ぐだぐだと博士の独白が続いて。大人には言い訳が必要なのよ・・・。ついでに素直に他人の心も信じられないわけさー。「汚れちまった悲しみに」なわけ(爆)
この話には全く関係ない、役に立たない人物(?)解説。
ラグ・シーイング・・・(お、やっと人物だよ)やたらと人にパンツを穿かせたがる少年。5年後にはやたらゴーシュのパンツを脱がせたがる青年になっているに違いない(幸田の独断と偏見による)。女装が恐ろしいほど似合うかわいこちゃん(ザジ談)。一見礼儀正しく「人は(撃っちゃ)いけませ~ん!」と非暴力主義をアピールしたり、泣き虫ぶりでかわいこぶっているが、騙されてはいけない!奴はノワールに向かって「ゴーシュを取り戻すんじゃない、お前の存在を消してやる!」って心弾(ま、テガミ弾だけどさ)ぶっ放すんだぜい。怖~~~っ!
ノワールは記憶を失ったゴーシュの新たな人格なわけで、ワタクシなんか甘いからさあ、もしゴーシュが違う人生歩んでいたらこうなっていたのかも、とか、ゴーシュの人格や記憶がわずかでもノワールの中に残っているのかも、とか考えて、「ゴーシュ、思い出して!」とは思っても「お前を消してやる」とは思わないよなあ。ラグは、ノワールが少女に「ロダ」という名前を与えたことを知って、ゴーシュの記憶が残っていると希望を持ったのにさあ・・・それでもこのセリフ。自分が知っている(ここは恋した、とほんとは言いたいところだけど!)ゴーシュでないゴーシュはゴーシュじゃないっつーことで。うわあ、この究極のゴーマン攻め(しかも精神的ドS)め!
そのうち、うるうるっと涙を浮かべて「ゴーシュ・・・どうして博士や館長にいつも流されてしまうの?ボク、悲しいよ・・・」なーんつって、ゴーシュに二度と自分以外とナニしないと誓わせるようになるに違いない!(この妄想がすでにアウト・・・)それでいて自分がかわいこぶりっこを武器にしてるという自覚はないという憎たらしさ!苦ッ・・・!そんなラグ×ゴーシュ一押しの自分が憎い・・・!
注意!!
①これはいわゆるボーイズラブというジャンルの女性向け小説であり、同性間の恋愛を扱っており、性的表現を含みます。このジャンルに興味のない方、そのような内容を苦手とする方はお読みにならないよう願います。
②テ○ミバチ「サンダーランドJr.Xゴーシュ」です。このカップリングやゴーシュ受が苦手な方はご遠慮ください。
③設定については大部分捏造しております。くれぐれも信じないように!(笑)
④文章の一部は、うっかり目に入らないよう反転させることがあります。反転箇所は携帯からは読めません。ご了承ください。
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店を出ると、先に出ていたスエードが少し困ったような笑みを浮かべて待っていた。
「すみません、ごちそうになってしまって」
「構わないよ。私が誘ったのだから」
私につきあって一杯だけ飲んだはちみつ酒のせいで、スエードの白いはずの頬はりんごのように紅潮している。目も少しトロンとして、酔ってしまったようだ。大丈夫だとは思うが、家まで送り届けることにした。ここでさよならしてしまうには、別れ難くもあった。
彼の腕をとり、ゆっくりと来た道を戻る。もう明かりの消えた時計屋の前を通り過ぎたところで、スエードは突然立ち止まった。
「スエード?どうした?」
「……方向が…違います。博士の家は、さっきの角を曲がった方でしょう?」
「あ、ああ。君を送っていこうと思って」
「え……?」
彼は目を見開いて、傷ついたような目で私を見つめた。
「……ぼくはまだ、帰りたくありません。あなたといたいです。……迷惑ですか?」
「……ゴーシュ……」
私はしばらく、その場で呆けていたらしい。我に返って、繁華街からは離れているとはいえ、人通りがないわけではない道端だということに気づいた私は、彼の手を引いて横道の陰に入った。
「…その……ゴーシュ・スエード……」
「はい」
「私は君が好きだ。友人や仕事仲間としてだけでなく、その……」
長い間知られないようにと悩んでいたことを、あっさりと口にしてしまい、言ってから冷や汗が噴き出た。しかし今さら言った言葉は引っ込められない。
「知っています。……今日、やっと知ることができました」
「だったら……あまり私の理性を試すようなことを言わないでくれ。君に不快な思いをさせたくないんだ」
「不快……?なにを、どうしてぼくが不快だなんて思うんです」
彼のまなじりがきつく上がる。射るような、揺らがない強いまなざし。そうだ、彼は今や「テガミバチ」のエース、テガミの配達率トップ、鎧虫殲滅率もトップの男なのだ。その顔を私に見せたことはなかったが。
「あなたは……ぼくを何もわからないこどもだと思ってらっしゃるんですか」
そう言う彼の頬はまだ少年の柔らかな線を描いていて、そのひたむきで変化を恐れないまなざしも、彼はまだ本当に若いのだと思い──そう思う自分だからこそ、もう若くないのだと思い知らされる。
「そういう意味じゃない……。私は聖人君子じゃないから、君の望まないことをしないでいられる自信がない」
「望まないことって……」
泣きそうに顔を歪め、彼は目を伏せた。
「……ぼくからお願いすればいいんですか……」
横を向いた頬の赤みが増す。
「ぼくと……寝てくださいって……」
「ゴ……」
私はひどくうろたえてしまい、その自分の狼狽ぶりを笑いたいくらい滑稽に思いつつ、激しく突き上げてきた欲情に押され、彼を抱きしめていた。
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どこで切ろうか悩んだら、やけに細切れになってしまっているなあ・・・と今頃になって気づきました。ううむ、週刊マンガ雑誌のようだ・・・
この話には全く関係ない、役に立たない人物(?)解説。
ステーキ・・・(また人物じゃないじゃないかーっ)ニッチの携帯非常食料。ニッチに食べられることを使命と思い、誇りにしている・・・ので、「うまそう」が褒め言葉。フライパンで焼かれてはあはあしてるドMな生物。てゆーか2度も焼かれたことがあるが毛がチリチリになっただけ。丈夫だな(面の皮が厚いのだろうか)。しかも焼かれながらぐうぐう寝ていた。不感症のドMって・・・
①これはいわゆるボーイズラブというジャンルの女性向け小説であり、同性間の恋愛を扱っており、性的表現を含みます。このジャンルに興味のない方、そのような内容を苦手とする方はお読みにならないよう願います。
②テ○ミバチ「サンダーランドJr.Xゴーシュ」です。このカップリングやゴーシュ受が苦手な方はご遠慮ください。
③設定については大部分捏造しております。くれぐれも信じないように!(笑)
④文章の一部は、うっかり目に入らないよう反転させることがあります。反転箇所は携帯からは読めません。ご了承ください。
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唇が触れた瞬間、ぴくりと体を引いた彼をおびやかさないように、もう一度そっと重ね、柔らかく食んだ。彼が嫌がっていないか確認しながら──普段片目でしか見ていないのだから、その分目を開けていたっていいだろうというのは勝手な理屈だが──次第に動きを加えていく。そのたびに彼は身を硬くしたが、最後には私の手を強く握りしめて、忘我の表情で私の口づけを受け入れていた。
まだ物足りなさを残しながら、私は唇を離した。ゴーシュは口づけの余韻のせいか、どこかぼんやりとした幼げな表情で私を見ていた。このまま彼を押し倒してしまいたいくらい欲望が膨れ上がってはいたが、私はそれを抑えて、つとめて冷静さを保った。
「……今夜、食事に誘ってもいいか?」
「はい……あ」
夢から覚めたようにゴーシュは瞬きすると、困惑の表情を浮かべて視線をさまよわせた。私は、唐突すぎただろうかと焦った。
「すみません、妹に夕食を食べさせてからになりますから、少し遅くなってもかまいませんか?」
「ああ、もちろん。私ももう少し仕事を片づけなくてはならないし」
内心ほっとしながら、私は答えた。
「それでは、こちらに伺えばいいですか?」
「そうだな……」
日頃、BEE‐HIVEの食堂か、市場で惣菜を買って食事を済ますことがほとんどの私は、誘っておいて今さらだが、思い浮かぶ行きつけの店は限られていた。その中でいちばん気に入っている店は、最初にロイドに誘われて行った料理店なので、ロイドと出くわす可能性もないわけではなかったが、あとの店は初デートで行くにはカジュアルすぎた。
「いや、どこかで待ち合わせよう。奏鳴通りの時計屋は知っているか?」
「ええ」
「そこに20刻でどうだろう」
「わかりました。誘ってくださってありがとうございます、博士。ではお先に失礼します」
ぺこりと頭を下げられて、私は複雑な気分になった。もしかしたら仕事場の先輩に食事に誘われたぐらいにしか思っていないのでは?下手をするとさっきのキスも、本気で単に手の代わりに「触れた」と解釈しているのかもしれない。……いや、いくらあのスエードでも、唇にキスするのがそういう意味だとわからないはずはないだろうが……。(あの、というのは、彼がどうも奥手らしいことを感じていたからだ。以前に食堂で、他のBEEたちと食事をしているのを見かけたとき、誰かが下ネタのジョークを飛ばして笑いが起こったのに、彼はきょとんとしていたことがあったからだ)
終業後一旦アパートに戻り、薬品や動物たちの臭いの滲みついた服を脱いでシャワーを浴び、スーツに着替えた。濡れた髪を乾かすのに手間取り、約束の時間に少し遅れてしまった。道端に立っているスエードを見つけたとき、私は時計屋の前でなど待ち合わせるのじゃなかった、とほぞを噛んだ。
「スエード!…すまない、遅くなった」
駆け寄った私に、ショーウィンドウを覗きこんでいたスエードは、振り返って微笑んだ。
「いいえ、そんなに遅れてませんよ。それに、ほら、この時計」
スエードはガラス越しにひとつの置時計を指差した。
「まだ19刻ですから」
彼はニコッと笑った。
「スエード……」
麻酔弾を撃たれたように、私はその場で動けなくなってしまった。それとも強心剤かもしれない。うるさいくらい心臓が脈打ち、私は彼を抱きしめたい衝動に耐えなくてはならなかった。
「……行こうか」
「はい」
私は彼の冷たい肩を抱いて歩き始めた。彼の柔らかな髪からは、石鹸の香りがした。
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この話には全く関係ない、役に立たない人物(?)解説。
銀色ナメクジ・・・(いきなり人物じゃないじゃん!)テガ○バチDVD第1巻に同梱されているドラマCDに登場。サンダーランドJr.博士が経費で購入したが、実は単なる愛玩用で(・・・それは横領と言わないか?)、撫でたときの感触が辛抱たまらんらしい。うちの猫も撫でるとたまらんです。長毛の猫の腹に顔を埋めては「もふもふ~」、短毛の猫を撫でては「すべすべさらさら~」と手触りを楽しんでおります。
こどもの頃はワタクシ、ネコヤナギの芽を偏愛しておりまして、早春、枝についた銀色の芽を収集しては箱に入れ、そのツヤツヤすべすべの毛を撫でて猫代わりにかわいがっておりました。(今から考えるとちょっと変態っぽい・・・)猫なんて飼ってもらえなかったですからね・・・。
想像するに、銀色ナメクジもきっとネコヤナギの新芽のように銀色の艶々の毛に覆われているに違いない。そして猫くらいの大きさ。それに頬ずりしてうっとりするサンダーランドJr.博士を想像・・・。カイボーとか叫んでいるよりよほどマッドな感じだナメクジというからにはきっと毛の下は軟体動物・・・移動するとピカピカ粘液の痕が。・・・げえ!ワタクシ脚が2本以上8本までは平気ですが、脚がないのと脚が多いのはダメなんだってばー!ギャーッ!そんなものと道で出遭ったら、鳥肌立てて全速力で逃げるっつーの!博士がゴーシュの銀色の髪を撫でながら、「銀色ナメクジのように気持ちいいな・・・」なんて思っていたのなら・・・フォロー不可能逆ならもっとサイテーだ
①これはいわゆるボーイズラブというジャンルの女性向け小説であり、同性間の恋愛を扱っており、性的表現を含みます。このジャンルに興味のない方、そのような内容を苦手とする方はお読みにならないよう願います。
②テ○ミバチ「サンダーランドJr.Xゴーシュ」です。このカップリングやゴーシュ受が苦手な方はご遠慮ください。
③設定については大部分捏造しております。くれぐれも信じないように!(笑)
④文章の一部は、うっかり目に入らないよう反転させることがあります。反転箇所は携帯からは読めません。ご了承ください。
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「精霊琥珀の力で、ぼくたちは『こころ』のかけらを光の形で見ることができるけれど、この体の中にあるときは、体のどこを切り開いてみても、その在処も姿もわからない。なのに、『こころ』は物や人に込めたり、伝えたりすることができる。この体の中で生まれるのに、体から離れても独立して…身体が死んでも、存在し続ける。いったい『こころ』はこの体のどこで生まれて、どんなふうに存在しているのでしょうね…?」
「それは……」
私は、どぎまぎしながら彼の目から微妙に目をそらした。その頃の私は、まともに彼を見つめることすらできなかった。胸がときめいて、白状すると診察するときなど更に平静ではいられなかった。医師として失格だと思ったが、かといって他の者に任せるのは嫌だった。
「今のところ、誰にもわからない。いくら解剖して実験して、五感がどのように伝わって脳に達し、脳がどのように反応して感情を生み出したり手足や表情を動かすのかはわかったとしても、それは『こころ』そのものではない…。それでは、それがなぜ他人に伝わるのか、物の中に留まるのか、不明なままだからだ。私は、『こころ』は熱のようなものだと思っている。目には見えない、しかし離れていてもその温かさや冷たさを感じることができる、決して温度の変わらない熱。それが体温のように、全身の筋肉や細胞で作られるのか、それとも通説で言われるように、胸や脳など特定の場所で作られるのか、それもまだわからない。もしも『こころ』が目に見えて、胸の中に詰まっているのだとしたら、話は簡単なのだが。その『こころ』を知るには、胸を切り開けばいいだけだからな」
彼は少し目を瞠り、ついでくすくすと笑った。
「博士、それじゃ相手の『こころ』を知ったときには、相手が死んじゃってますよ」
「え?ああ、そうか…」
私は恥ずかしくなって鼻をこすった。ばかなことを言ったことに対してではない。そのとき私は、メスで切り開いたスエードの胸から、赤いバラの花が溢れてくる夢想にひたっていたからだ。
「……『こころ』を知りたいなら、解剖なんてしなくても、相手に訊ねればいいじゃありませんか?」
微笑んで彼はそう言うが、
「それができれば、悩まないさ……」
「……」
私はぎょっとして、固まった。
「『こころ』が、熱のようなものなら……」
前触れもなくスエードの手が、テーブルの上の私の手を握った。
「触れてみれば、伝わるものもあるのでは?手をつないだり抱きしめたりするのは、そのためでしょう?……ところで、どうしていつも手袋をなさっているんです?コーヒーカップを持つときでさえ?」
「それは……」
私は、スエードの無邪気な行動に、すっかり動揺していた。
「火傷の痕が見苦しいからだ。六年前の、飛行船の事故のときの。右目はそのとき視力を失ったし、左の顔面にも、少し残っているだろう?」
彼は笑みを消してじっと私を見つめた。
「……それじゃあぼくは、あなたのどこに触れればいいですか……?」
「ス……」
このときの私は、本当にどうかしていた。どうかしていたからこそあんな大胆な行動に出られたのだが、アドレナリンが大放出され、心臓は激しく拍動し、血圧は上昇、喉は干上がり、言うなれば極度の興奮状態に陥っていた。それほどスエードの仕種と言葉に、理性を失ってしまっていたのだ。
「……唇に……」
私は手首を返し、彼の手を摑んだ。
「君の唇に……触れさせて欲しい……」
彼の表情は変わらなかった。ほんの少しだけ驚いて目を見開いたが、拒否や嫌悪は浮かばなかった。
彼がつと目を伏せたのを合図に、私はゆっくりと顔を近づけていった。ゴーシュからも。私たちは互いにテーブルの上に身を乗り出して、唇を重ねた。
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ゴーシュに「センチメンタル」などと評された博士は、きっとロマンチストでもあろー・・・という設定。ですが、博士の妄想っぷりには、我ながら悶絶。妄想しすぎっつーか、乙女だな、博士!ちょっとキモいよ(爆)