11月24日、私と橘は奈良県へ日帰りドライブに出かけた。メインの行き先は紅葉の名所談山神社。名目は紅葉狩りだが、動機はやや不純。
大人になってから日本史に興味が出てきた私だが、思い出せば学生時代、日本史の試験は嫌いだったが(なにしろ全く年号が覚えられなかったのだ・・・)、授業自体は好きだった。中でも古墳時代から奈良・平安時代が好きだった。人間関係が複雑なところがイイのだ。異母兄妹はOKだけど同母はだめだとか、近親婚が多いところとか、萌える・・・(←あほだ)マンガでもその辺りの時代を題材にした長岡良子さんの作品が大好きで、特に藤原不比等(鎌足の息子)やその前後の時代を扱った一連の作品はとてもおもしろい。
で、談山神社はその裏にある多武峰で中臣鎌足と中大兄皇子とが大化の改新の計画を話し合い、鎌足の墓所もあるという、私の歴史趣味と腐女子心をくすぐる場所である。(腐女子心が何の関係があるのかは後で)それでずっと行ってみたかったのだが、どうせ行くなら紅葉の季節にしよう、というのが今回の旅の動機だった。どこまでもオタク魂は健在である・・・。
方向音痴の私と地図の苦手な橘が車で出かけると、順調に行けたためしがない。ナビも付けてないし持って行くのはマップル全国地図中部版。名阪自動車道の針ICを降りて榛原市に向かい、165号から370号に入ろうとして榛原駅前の住宅地に迷い込み、ぐるりと回ってなんかさっき通ったよこの交差点・・・と呟き、370号の分岐点で間違えてUターン、さらに166号に入りそこねてUターン。全くうちらって・・・
談山神社へ行く前に天王山古墳へ寄り道。ここは自由に中に入れるというナイスな古墳だ。懐中電灯が必要だというので、前日に電池切れした懐中電灯の代わりにペンライトを持ってきたのだが、なめてました・・・。こんなもんじゃ全然見えない。石室の入口付近は外の光でなんとかなるが、奥の石棺がある場所は真っ暗で何も見えず、断念。(下の写真は石室入口と、内部入口付近。フラッシュで明るく見えますが、実際には奥は真っ暗で何も見えません)
でも田んぼの中にあって畦道をたどって行くのどかな、なかなかいい遺跡です。青大将まで出没するし(踏まなくてよかった・・・)。誰も来そうにないところがなおGOOD(笑)。今度は大型懐中電灯を持参してリベンジしたいもんです。
さて、そんなマイナーなところへ行ったため、車のすれ違いも苦しい(ちゃんと舗装はされている)倉橋溜池沿いの道を通って、談山神社へ行く一本道へ合流。後から考えると、とっても渋滞していたその道を半分ショートカットして来れたわけで、ラッキー。
駐車場がいっぱいで、道路は談山神社に行きたい車が数珠繋ぎ。私たちも結局30分くらい待った(その間、某BLマンガのドラマCDを聴いて、Hシーンで悶絶していた)。
拝殿には有名な「多武峰縁起」の絵巻物の複製が展示されている。教科書に載っていた、中大兄皇子が皇極天皇の前で蘇我入鹿の首を斬る場面があるものだ。それを眺める橘の後ろで、怪しく囁く声が・・・。「中臣鎌足は、中大兄皇子が蹴鞠の最中に飛ばしてしまった靴を拾って、ナンパしたんだよ・・・。「お嬢さん、ハンカチ落としましたよ」くらい古典的なナンパだね・・・」(そもそも飛鳥時代なんだから、古典的じゃなくて最新のナンパ術と言うべきかもしれん)この裏の多武峰は、2人が入鹿を殺す計画を話し合ったことから、「談い(かたらい)山」と呼ばれるようになったのだ。「2人で山で逢引きしてたんだよ・・・。愛を語らっていたんだね・・・」歴史趣味の腐女子の妄想は、藤原鎌足×中大兄皇子だ・・・。
というわけで、2人が語らった(爆)場所も訪れつつ、日頃の運動不足を痛感し、息を切らして山を登ること約20分、鎌足墓所へ。「ミラージュツアー※以来だよ、こんな山登り・・・」ぼやく私たち。 ※コバルト文庫『炎の蜃気楼(ミラージュ)』に関連する場所を訪れる腐女子ツアーのこと。戦国時代の史跡がメインなので、城跡のある山登りが中心である・・・。
腐女子心を満足させたあとは私の趣味で大神神社へ。桜井駅周辺で迷い、「交差点の名前を表示しろーっ」と叫びつつ、行き止まりに入り込んで泣く泣くバックで戻る(Uターンすらできん・・・)私。「な、なんとか見えてきた・・・」と家々の上に巨大な鳥居を見つけほっとする。
ここはBLゲーム「星のまほろば」の舞台と推定されるところ。祭神は裏の三輪山そのもので、三輪山の神の化身は蛇なので、あちこちに卵や酒が供えてある。・・・こんな大量の卵、どーすんだろ・・・(大きなお世話である)。
神社の前の酒屋で地酒を購入し、最後に長谷寺へ向かう。「こう行くと最短なんじゃない?」とまた裏道を行こうとし、「大型車通れませんって書いてあるよ・・・」「軽だから通れる!」お前ら、懲りるということを知らないのか・・・と自分で突っ込みつつ、しかし、合っていたらしく、ちゃんと目指す道に出て、無事に長谷寺に着いた。近所の人が副業でやっているらしい民間の駐車場に車を置き(500円也)、のこのこ歩いて向かう。土産物屋ではこれまでの葛やそうめんの切れ端や「ふ」に加えて、名物らしい草餅が実演販売されている。ちゃっかり試食。
ここは純粋に(笑)紅葉狩り。うーむ、なかなかいい写真が撮れた。「あなたと奈良大和路※」の宣伝に使用してもらいたいくらいだ。 ※近鉄電車のキャンペーンのキャッチコピー
参道のお店でにゅうめんと胡麻豆腐を食べて、帰宅の途へ。亀山から四日市まで渋滞で90分という表示が。うう、自然渋滞なら仕方ない・・・連休だもんなー。大阪方面が事故渋滞でえらいことになっていたのに比べればまだまし・・・と、気晴らしにまたBLドラマCDをかけて、恥ずかしいセリフに2人して突っ込みを入れるのであった。長谷寺を5時に出て、8時に名古屋着。まあ1時間程度の遅れで済んだかな?
暖かくなったら次回、今度は古墳めぐりに行きたい私です。(懐中電灯持参で!)または20年ぶりに明日香村めぐりもいいかもしんない・・・。なお、長岡良子の作品についてはそのうち「萌え少女漫画」で触れるでしょう(笑)