フルール・ダンテルディ

管理人の日常から萌えまで、風の吹くまま気の向くまま

今週のツバサ「踏み越えた線」

2006年09月27日 | ツバサ・クロニクル関連

 切ない・・・ああ、胸が痛いっすねー・・・ファイとね、黒鋼の二人の恋が、あんまりにも困難でさー・・・。

 最初はただの遊びだった「あだ名」で呼ぶことが、いつのまにかそれが「特別」──「彼だけが特別」の意味になっていた。だから逆に、「黒鋼」と呼ばないように意識していた。楽しくて、嬉しくて、幸せで、そう感じていることにも気づかないほど幸福になってしまっていて、この気持ちが「恋」であることに気づかなかった。
 それを自覚したのは、やっと、望んで望んで許されなかった「死」が自分にもたらされようとしているのに、それを阻もうとする彼を、許してしまったから。自分は、決して誰にも近づかない、心を許さない、愛さない──だって、その人を不幸にするから──、そう決めていたのに、その自分で引いた線を越えてしまっていた。
 「オレを生かすことを選んだ彼を許しちゃだめなんですよ」──ほんとは許してしまっている。あのとき、彼の血を飲んだときに。でも、彼の前では許さない振りをする。だから、「黒鋼」と呼んだ。
 そう呼んだ意味を、彼は理解した。もう、前の関係ではないと。お互いに気づき始めていた。お互いが「特別」だと。でもそれはもう終わったのだと。二度とオレは、彼に本当のことを、本当の気持ちを、伝える気はないのだと。──傷ついた表情の彼。だけどオレは、笑い続ける。たぶん彼が大嫌いな、うわべだけの、人を拒絶する笑い方で。
 「まだ動くな」そんなオレを彼は気遣う。その背をオレは見送る。──オレは、自らの手でこの恋を殺してしまった。もう二度と戻れない。もう二度と触れることもできない。最初から、それが許されるようなオレではなかったのだけれど───

 ファイはですねー、もう「死にたい」とは思っていなかったのではないかと思うのですよ。少なくとも「誰がそんなふうに腹くくれっつった」と言う黒鋼に「ごめんね」と告げたとき、それは「やっと君と行(生)きたいと思ったのに、君が生きろと言ってくれたのに、それを叶えられなくてごめんね」という意味だったと思うのです。そういう表情です。そして「そんなに死にたきゃ俺が殺してやる。だからそれまで生きてろ」と言われたときの笑みも、黒鋼が望んでくれるのなら、たとえ吸血鬼となってでも生きることを受け入れた故のものだと思うのです。生と死のぎりぎりのところだったからこそ、本当の偽りのない気持ち、望みだった。
 だけど彼を縛る「誰も不幸にしたくない」「アシュラ王が連れ出してくれた時の言葉が嘘になってしまわないように」という、過去のトラウマ、或いは約束、誓い。それが何なのか・・・わからない今はまだ、簡単に「そんなこと言わずに黒さまの気持ちを受け入れて、自分の気持ちに正直になって!」とは言えないですね・・・。

 しかし、侑子さんとファイの会話、もう、ファイの「黒鋼を愛してしまった」という大告白場面としか読めないんですが・・・!だって「自分で引いた線」って、どう読んでも「好きになっちゃいけない」でしょ。それ「通り越してる」って告白してるんですよー?!もう、すげーなあ 「許せば・・・また近づくことになる」って、ほんとは許しちゃってるんだから、好きな気持ちは変わらないくせに!もっと好きになっていくだろうって自分で自覚してるのに!それを「だめだ」とか「好きになっちゃいけない」とか、最もきついのは「それを黒鋼に知られちゃいけない」ってことですよ。だって「オレは君を許してないよ。だから近づかないで」ってもう宣言しちゃってるんですからーっ!!
 ああもう、「おはよう「黒鋼」」の場面を見ると、切なくってかわいそうで床を転げまわってしまいます・・・。くうっ!頼む!大川さま!この二人、最後はちゃんと一緒にいさせてー!!今の私の願いはそれだけです・・・(ToT)。