華麗なるオーストラリアンライフ

渡豪17年。職業・看護師。
白熊のようなオージーの旦那1人とワンコ2匹で
ニューサウスウェルス州の田舎町で生息中。

ささやかな達成感

2013年04月08日 22時57分48秒 | Weblog
まわりまわって、本日午後シフト。
今朝もグッスリ寝込んで、目覚めたら10時過ぎ。午前シフトじゃなくて良かったーと思ったとたんに見慣れたナンバーから電話。病院からだった。
「夜勤の代わりに午後シフトでどお?」
夜勤をすると、いくら翌日が休みでも全然休んだ気になれない。明日からは3連休。初日をつぶさずに済むのはとてもありがたい。午後の予定もなかったので、二つ返事で引き受けた。
今日の担当は7名。みんなMedicalの患者さん。投薬の量は結構多かったけど、それ以外はあまり手のかからない人たちで自分の立てた予定通りに物事を進めることができた。満足度高し。

ところで。
今日は担当じゃなかったけど、数日前に何日かお世話をした患者さん。歴史やら自然に詳しいインテリジェント、かつややエキセントリックな人で、知識が豊富であるがゆえに、しゃべり出したらノンストップ。それも一方的。私が担当している間ももちろん話をした。しかし私があまりにもオーストラリアについて無知で会話が成り立たず、その度にとても大きなため息をつかれていた。「しゃーないわ。私、外国人やもん。知識を披露する相手を間違えてるわ」と私が笑って会話を終わらせるのが常。患者さんにしてみればさぞ欲求不満の溜まる会話だったと思う。
夜、寝る前に病棟を歩き回るのがこの患者さんの日課。今夜私がナースステーションで看護記録を書いている姿を見つけ、ひとしきり普通の話をしていった後部屋に戻っていった。そして数分後、再びやってきた。
「ちょっと、コレ」。
手には家の住所が書かれてたメモ。
「私、オーストラリアのことが好きなの。オーストラリアについて知らない人には教えてあげなきゃって思うのよね。だからウチにいらっしゃい」。

私たちスタッフはおしゃべりの相手ではなく、また患者さんも一人ではないので、どんなに話しかけられても適当に話を切り上げる必要があり、その結果、この患者さんには不満だった瞬間も多々あったと思われる。そんな中で、私はどうやらこの患者さんとの会話に付き合っていた方のよう。オーストラリアについて正確な知識を持たせるという使命感に燃えていることも間違いないだろうけど、どうも私のことを気に入ってくれていたようだった。ややツンデレっぽく招待しつつも照れが見え隠れ。素直になれない感じがとても微笑ましかった。

患者さんとの個人的な行き来は基本的に禁止なので、住所をもらっても訪ねることはない。だけど家に招待されるということは心安く思ってもらってる証拠なので、そのこと自体はとても嬉しい。この患者さんの場合は、足が悪いのに一度部屋に戻ってわざわざナースステーションまで戻ってきてくれた。それはとても嬉しいし、また震える手で書いたと思われるゆがんだ文字にも愛しさを覚えた。こういう瞬間に、看護師っていい仕事だなぁとしみじみ。このところの変則シフトと夜勤のせいでたまっていた疲れも吹き飛ぶ瞬間だった。
この患者さんは明日で退院。私は休みなので見送れないけど、同じ街に住んでいるので会うことはあるかも。足に痛みがなく、長く元気であることを願うばかり。

さて。
先にも書いたとおり、明日から3連休。久しぶりにまともに休む気がする。あさっては所用でシドニーに出る予定。しっかり充電して、また怒涛のシフトに対応できるようにしておかなくては。
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