華麗なるオーストラリアンライフ

渡豪17年。職業・看護師。
白熊のようなオージーの旦那1人とワンコ2匹で
ニューサウスウェルス州の田舎町で生息中。

夜勤終了

2013年04月02日 21時54分29秒 | Weblog
やっとこせ夜勤終了~。
昨夜は結構バタバタした。

まずは件の“かまってちゃん”患者さんが復活。初日の夜ほどではなかったけど、何度も何度もナースコールし、お腹が痛いと訴える。かなりきつい鎮痛剤を処方しているので痛いはずがないんだけど痛いらしい。うそではないんだろうけど、多分半分は思い込み。おかげで一晩中コンスタントに呼び出されてとても疲れた。ただ、どうやら他の看護師たちにはちょっと厳しく対応されているようで、「しんどいね、大変だね」と彼女の主張に一応の理解を示す私のことは気に入ってくれていたらしい。昨夜、呼び出されて部屋に行った際、通常ならベッドの小さな灯りで対応するところ部屋を明るくしたら、いつもは薄暗闇で見えない私の顔が疲れていることに気づき「あなた、しんどそうね」と患者さん。「夜勤も3日目やからさすがにね~」と笑って返したら、その後数時間はナースコールを押さないでいてくれた。「ガマンできんねやん!」とツッコむと同時に、困った人であることには変わりないけど、悪い人ではないと知る。死を身近に感じるようになり、孤独と戦っている姿はやはり気の毒。未亡人の上子供たちとは疎遠のようで、それが寂しさや孤独感を倍増させているようだった。

昨夜は他にも私を休ませない人がいた。
認知症のおじいちゃんなんだけど、最初2晩は薬がよく効いて一晩中寝ていたのに、昨夜はギンギン(表現古い?)。徘徊癖があるので部屋はナースステーションの目の前。眠くないようでずーっと独りでしゃべっている。そして30分起きぐらいにベッドから這い出し、部屋をウロウロ。別の患者さんの世話をしているときには廊下にまで出てきて歩き回る。転ぶ可能性が高いので常に目を光らせておかねばならず、物音がすると部屋に飛んでいくことの繰り返し。何度もベッドに引き戻し眠るように言ったけどあまり意味なし。鎮静剤を打ったところ、効果が出たのはもうすぐシフトが終わろうとする明け方だった。普段は家で奥さんが面倒を見ている。奥さんも高齢の上、世話で疲れ切っていたため、奥さんの休養も兼ねての今回の入院だった。

そしてもうひとつ。
私の担当でない、緩和ケアに入っている患者さん。先輩看護師が休憩に入っているとき、代わりに鎮痛剤と鎮静剤を打ちに部屋へ行ったところ呼吸と脈が停止していた。体温と硬直状態から、私が部屋に行く少し前に息を引き取った様子だった。高齢でいつ何があってもおかしくない状態ではあったけど、ほんの数時間前にも普通にしゃべっていただけに急だった印象は否めない。患者さんが亡くなったらすることがいくつかあり、それでまたバタバタした。普段は娘さんが足繁く通って世話をしていた。昨夜は病室に泊まるかどうかを思案した上で帰宅していた。先輩看護師が亡くなったことを電話で告げると相当ショックを受けていたよう。娘さんは近くに住んでおり、30分ほどで目を真っ赤にしながらやってきた。そんな娘さんを見ながら、最期を看取れなかったことで、昨夜の自分の決断を後悔するんだろうか?などと少々不謹慎なことを考えていた。

病院勤務をする中で、死に際に関しては望まなくても考えさせられる。みんな一生懸命生きてきてるはずやけど、最後の最期には人の手ではどうしようもできない運・不運があるなぁというのが今のところの感想。それでも家族の存在が幸せな最期に貢献する可能性は高い。

こんな感じのドラマチックナイト。さすがに疲れた。帰り道、何となくマクドが食べたくなって、モーニングメニューのマフィンを買って帰った。Dにも彼の好きなベーコンエッグマフィンを2つ。自分の分を食べた後、残りの2つを何も言わずにテーブルに置いて寝た。お昼前に目覚めてテーブルを見たら当然のように消えてるマフィン。「私のマフィンは?」と聞いたら、「ええっ、僕のだと思って食べちゃった」とD。ごめんね、ごめんねとまとわりついてくるけど、許されることがわかっている笑顔。とりあえず私は幸せらしい。

今日はガッツリ寝た。明日はオフ。嬉すぃ~。
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