チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

無条件の愛

2012年07月02日 11時32分48秒 | 日記
たくさんたくさん卵を産んでついに息絶えた蚕の蛾
真っ白で美しく気品すら感じる
一つの雌から100個位の卵が生まれる
実に多産だ

交尾の姿も次なる命の存続だけが頭に有り
人間のように快楽が先に来ることは無い
それだけに交尾の時も舞遊ぶ風情が美しい

本来人間も種の存続のためと
エネルギーの交換のためにセイコウはあったはずだ
古事記のいざなぎといざなみのまぐわいに其れが言える

エネルギーの交換には宇宙法則が介在し
その法則を裏切ると蛭が生まれる
つまり行動は男から動かなければならない
其れが陰陽の法則でもある

陰は動かず陽が動く
陰は雌で陽は雄
陰が動いては物事は結晶しない

この法則は蚕の蛾を見て居るとよく分かる
雌は動かずその場にじっとしている
そこに激しく羽を動かしながら雄が近づいてくる
好き嫌いなど無く有無を言わさず交尾に入る

交尾を済ました雄はまた次なる雌を探して羽をせわしなくふるわせたの雌の所に行く
交尾を済ませた雌は卵を産む
他の雄が交尾を求めてももう卵はうめない
産んだとしても無精卵だ

使命を終えた雌の方が早くに息絶える
雄は最後まで相手を求め羽をふるわす
彼らは子孫をタダひたすらに増やすことに専念する

子孫が増えて喜ぶのはその糸を活用する人間だ

蚕は人間のために「無条件の愛」を示し続ける
コメント
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