もともと江戸は地域的に住みやすい
関東平野で遠くに秩父連山そして近くに東京湾さらには川が多い
適度の乾燥と湿気があり雨もほどほど雪ももまたしかり
江戸に都を移したのは諸々の事情があったが、結果オーライなのではないだろうか。江戸の野菜もおいしい、小松菜、大根や茗荷ちょっと足を延ばすストネギやイモ類、そして東京湾で作るアサクサノリや魚の数々、シジミやアサリもおいしかった
近隣の野菜が簡単に手に入り、総武線は「千葉のおばさん」の専用列車と化していた
昭和40年代は農薬もあまり使っていないので、新鮮な野菜がいつも手に入った。今頃の季節は杵うちで作り上げた餅も、おばさんの籠にあった、頼めば鏡餅も作ってくる
お昼になると、懇意の家の縁側で弁当を広げていた
土方弁当のような大きいアルミの弁当箱に真っ白いご飯が詰まっていて真ん中に梅干し、卵焼きや煮物も一緒に入れてあっておいしそうだった
お茶をごちそうになるので、手作りのおまんじゅうなどをお土産でおいていく
野菜の灰汁のとり方、煮方茹で方芋の煮っころがしの作り方、いろいろと教えてくれる
千葉は醤油の産地でもあるので、新しい醤油を小瓶に入れて持ってくる、漬物に使うのだが、その醤油がおいしくてそれがまた商売になっていく
野菜や卵や干物を売って、息子を大学に進学させるのだと話していた
東京って面白いところ、田舎の人情もあり、都会の冷たさもある。それが混ざって独特な人種を作り上げているようだ
言いたいことを平気で言うというマインドとここは言わないでおこうと内面に落としてしまうマインドがないまぜにあり、どこか複雑な人種でもある
快晴の続く江戸の町は今外国人がこの町に住む人よりはるかに多い