チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

輪島塗の市中祐佳さん 2

2024年12月31日 10時23分15秒 | 日記
市中さんの命を持ち去った一年目が来る
元旦から今日まで
食器はすべて市中さんの輪島塗で終わらせた
「もう作るものないね」
と言われるくらい市中さんの古代朱塗りにこだわった

「この色はもう僕で終わりになる」
とポロリと語った言葉を耳にして何もかも市中古代朱色にしてしまった

お盆、重箱、文箱、書類箱、裁縫箱、硯箱、お茶碗、お湯のみ、お汁茶碗、大皿、ラーメン用(笑)のお椀、小皿、おせちセット、手鏡、お薄茶碗、棗
40年強の付き合いで輪島に行くたびに注文していた
御湯飲みなどどんなに熱いお茶を注いでも外側は冷たく持ちやすい、どうしてこういう芸当ができるのか
「それが塗りの良さなんですよ」

「荒々しく使ってね」(中谷さんにはわざわざ言う必要もないけどと顔が笑っていた)

と言われていたので日常に使えるものばかり、そしてちょっと欠けたりしたらすぐ送って修理をお願いした
一昨年、お盆が欠けて修理をお願いしたら
「もうこれ最後にしてね、体力的に修理に時間がかかるようになって」
と話された
「うわー大変大事に使う」

ほんとうは大きな座卓が欲しかった、大きな花瓶も注文していて、デザインが決まらないうちにコロナ騒動で、全く輪島に行けず、そのうち諸般の事情で、多分支払い不能になりそうな感じになり、その話はうやむやにしてしまった

本人は職人という姿勢だったけど、出来上がったものの美しさは芸術家の感性
昼行くと、朝市の入り口に店を構える、日本一美味しいミルクコーヒーの店でおしゃべり、一泊するというと夜はおいしいお酒で語りあかす

今朝も古代朱の湯飲みで静かに茶をすすり、この一年を振り返っている
市中さーん会いたい!
コメント
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