道立道南農業試験場研究部長 赤司 和隆 土壌に根残すと病気のもと
栽培基幹が短くて済むホウレンソウは、1年間 に同じ畑で複数回栽培されます。農家は収穫時 に地面に近いところから刈り取るので、根が土 壌に残ります。中には土壌病害にすすり、病原 菌に感染している根もあります。これが感染源となって、次に作るホ ウレンソウに土壌病害を引き起こすことがあります。そこで、ホウレン ソウの根を土壌に混入し、その後にホウレンソウを栽培し、調べてみ ました。予想通り、根腐れ症状のある根の混入で、ひどい土壌病害 が発生しました。ところが、症状のない正常根でも土壌病害が発生し、 生育が劣りました。一見、正常な根に見えても、病原菌に感染してい た根が含まれていたのです。この結果から、収穫時にホウレンソウを 寝付きで抜き取ることが、土壌病害を抑える上で望ましいことか゛分 かります。家庭菜園ではホウレンソウをはじめ、作物を寝付きで収穫 されてみてはいかがでしょう。なお、病気が分かった野菜はすぐに抜 き取って、畑の外に出すことをお薦めします。