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「漢方」人に合わせ薬を選択

2008-06-18 17:47:00 | 健康・病気

西洋医学と二足のわらじ・本間医師に聞く                                           30年の成果出版 

100_0799 呼吸器内科医の傍ら、30余年にわたり漢方を                            研究、臨床にも応用している北海道漢方医学セ                            ンタ-・北大前クリニック(札幌市北区)院長の                            本間行彦さん(71)=北大名誉教授=か゛1月、                            著書「漢方が効く-北大名誉教授30年のカルテ                           から」を、北海道新聞社から刊行した。漢方とは                            どんなものか-。西洋医学と漢方医学の“二足                           のわらじ”を履き続ける本間さんに聞いた。                               -なぜ漢方の世界に足を?                                       「勉強を始めたのは北大医局員時代の1976年、                          漢方薬に保険がきくようになったのが契機で、初                           の患者は私の父。父は老人性便秘から腸閉塞*                           繰り返し、西洋医学ではお手上げだった。わらにもすがる思いで漢方               薬の一つ、八味地黄丸を投与した。2日目から便が出るようになり、腸                          閉塞がなくなった。前立腺肥大による頻尿、低血圧、不整脈も改善し、                         歩き方や肌も若返った。一つの薬でほとんどが治り、私もびっくりした。                         それからも、西洋医学で治らない患者が次々と目の前で良くなり、漢                           方の世界にのめり込んでしまった」                            

患者で異なる病気の根源                                                    -漢方医学とは、どんな医療なのでしょうか。                                       「人をてんびんにたとえると、左右どちらか一方に傾いたのがいわゆる                          病気の状態。体にいろいろなゆがみが生じると傾きが起きる。その傾                           きを直すのが漢方だ。父の腸閉塞もゆがみの結果。だからいったんゆ                          がみを直すと、その人の病気がすべて治るというわけだ。ただ、腸閉                          塞で八味地黄丸を処方すれば、だれでも父同様に治るかというと、違                          う。ゆがみは各自異なるからだ。それを見分けるのが『証(しょう)』と呼                         ぶものさし。漢方は証によって薬が決まる。私たちは患者の状態や体                          質などを総合的に判断し、証をつかまえる。これがぴたりと合えば治る。                        証をきちんとつかむ、これが漢方の真髄、腕の見せ所だ」

「四診」で見極め適切に処方                                                  -診断は、具体的にはどのように行うのか。                                        「望診、問診、聞診、切診の『四診』と呼ぶ独特の診察法を行う。望診は、                          顔つきや体格などを、目で診る。問診は、家族や仕事など生活環境もよく                        聞く。聞診は、声の調子や体臭など、耳や鼻で診る。切診は、患者に触                         れる触診で、脈や腹や舌などを診る。医師でないとできない医療行為だ。                       『漢方は効かない』は誤解。証をきたんとつかまえれば8~9割は改善す                       る。『漢方薬は1-2年のみ続けないと効かない』も間違い。効果は通常                         1~2週間で表れる。体質改善は2-3ヵ月が目安。副作用はゼロではな                        いが、軽い例が多い」                                                      -二足のわらじで30余年。これからの目標は。                                      「漢方を求める患者が増えている。漢方は立派な治療法。西洋医学と遜                        色ないことを、広く知ってもらいたいし、漢方を知り、治療できる医師が増                        えてほしい。かつて漢方は大学でゲテモノ扱いされた。隠れて勉強した                         時代に比べれば変わった。精通する医師も少しずつだが増えている。私                        は目の前の患者が、西洋医学でも漢方でも、どうすれば良くなるかを考え                       る。結果的に9割以上が漢方の恩恵を受けられるように、今後も力を尽く                         したい」

漢方が効く―北大名誉教授30年のカルテから 漢方が効く―北大名誉教授30年のカルテから
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2008-01

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