脳卒中を防げるかも 厚労省研究班
食事からのカルシウム摂取量が多い人は、脳卒中になるリスクが 低いとの疫学調査結果を、厚生労働研究班(主任研究者・津金昌 一郎国立がんセンタ-予防研究部長)が29日発表した。食品別に 検討すると、乳製品を多く取る人は発症しにくいことが分かったが、 それ以上の食品では、摂取量と脳卒中発症との間に、はっきりした 関連はみられなかった。研究班の磯博康大阪大教授(公衆衛生学) は「カルシウムには高血圧や動脈硬化を抑える働きがある。乳製品 のカルシウムは吸収されやすいため、効果が出たのではないか」と 話している。調査は、岩手など4県の40-59歳の男女約4万人を 1990年から平均13年追跡。この間に1321人が脳卒中を発症し た。調査開始時と95年に食事の内容について聞き取り、牛乳やチ -ズ、ヨ-グルトなどの乳製品と、大豆や野菜といった乳製品以外 の食品からのカルシウム摂取量を割り出した。サプリメントについて は検討しなかった。カルシウムの総摂取量によって5つのグル-プに 分け、脳卒中との関連を調べたところ、摂取量が多いほど脳卒中に なりにくい傾向が分かり、最多のグル-プは最小グル-プに比べ、 発症のリスクが約30%低かった。