道とHAL財団 失業者の技能活用 農産品開発や営業担って
財団法人北海道農業企業化研究所(HAL財団)と道は、農業に関心を持つ失業者を雇用し、農業生産法人に送り出す事業に乗り出した。さまざまな資格や経歴を持つ失業者を、農作業を担う人材としてではなく、農業関連の企画や販売など多様な部門に活用するのが狙い。このような取り組みは「全国的にも珍しい」(道農政部)といい、成果が注目される。国の緊急経済対策による道の緊急雇用創出推進事業を活用した。本年度は道の委託料3400万円で、HAL財団が失業者30人を5カ月間雇用(月給13万8千円)。人材を求める農業生産法人に送り出し、仕事ぶりが認められれば6ヵ月以降は直接雇用してもらう。人材として想定しているのは、食品や衛生関連の資格や、商品開発、流通管理、営業部門などの経験を持つ失業者ら。不況下の雇用の受け皿として全国的に農業が注目されているが、単に生産現場だけでなく、加工による付加価値の増大や販路改築など生産法人の多様化する事業にも、失業者の技能を生かしてもらうことを目指す。HAL財団によると、すでに十勝、石狩管内の農場や、根室管内の牧場など16法人が受け入れを申し出ている。失業者が実際に農業生産法人で働くのはお盆過ぎとなる見通し。HAL財団の大沼康介・業務推進部担当部長は「農業が雇用の受け皿として注目されていながら、失業者の就職を多面的にサポ-トする団体がなかった現状を変えられれば」と話している。失業者、農業生産法人ともに申し込みはHAL財団の「ギャラリ-農窓」(札幌市中央区南2西6)の窓口とホ-ムペ-ジで可能。問い合わせは農窓℡011・200・8383へ。