゛まるかん人゛プラトーク

元気とキレイを追求すると、人生は楽しく過ごすことと・・・!?

波に乗れ!厚真 [下]

2009-08-31 18:56:04 | 社会・経済

サ-フィンでまちおこし 夢の未来図 大会誘致、雇用創出も

100_7240 「これが理想型かもしれない」。胆振管内厚真町の田中紀嘉さん(31)は目の前が開けた気がした。7月上旬、同町役場の若手職員でつくるプロジェクトチ-ム(PT)「あたらしいなみ」の田中さんらメンバ-4人は、サ-フィンによる地域活性化の先進地、福島県南相馬市を訪ねた。製造業と農業が盛んな人口7万人のまちには県内外から多くのサ-ファ-が訪れる。同市が2003年から取り組むのが「サ-フ・ツ-リズム」だ。

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提唱した福島大の奥本秀樹准教授(41)=企業財務=は「交流の拡大だけでなく、若者の流出を食い止める効果もある」と言う。官民、そしてサ-ファ-ら合同で推進委員会を組織し、プロが出場する国際大会からアマチュア向けの大会も開催。市の各種大会への助成金は年間200万円を超える。さらに1千万円の予算で海水浴場での水難救助を地元サ-ファ-に委託し、雇用も生み出した。自身もサ-ファ-の奥本潤教授は「大都市札幌に近い厚真の方が経済効果は大きいはず」と指摘する。「厚真らしいサ-フ・ツ-リズムを」。視察から戻り、方向性を見いだしたPTの作業は一気に加速した。まず、浜厚真海岸のインフラ整備を検討。サ-ファ-からの聞き取りでは「トイレやシャワ-が古い」「売店がない」との意見が多かったからだ。さらに新たな大会誘致にも乗り出しす構え。こうした取り組みに来年度から町の予算化を目指す。課題は町民の理解だ。町外からは多くの人が集まっても町内の愛好者は10人ほど。ある町民は「波乗りに金をかけても・・・」と懐疑的だ。奥本潤教授は「南相馬でも反対派あった。でも、サ-ファ-たちが熱心にごみ拾いなどを続けるうち、風向きが変わった」とアドバイスする。PTでは海岸で地元産のコメや野菜の直売所を設け、愛好者と住民との交流の場づくりも計画している。

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さらに、海岸付近にあるバギ-などオフロ-ド車の専用コ-ス、野原公園内に設けられた3面の天然芝サッカ-場との相乗効果にも注目する。2施設合わせて利用者は年3万人を超える。PTの手代木久史さん(30)は言う。「浜厚真には魅力的な資源がある。これらを活用して定住人口を増やしたい」。若者が集い、そして住み続けるという夢の未来図。「あたらしいなみ」は、さらに大きな波を目指す。発信2009

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波に乗れ!厚真 [中]

2009-08-31 16:55:05 | 社会・経済

サ-フィンでまちおこし 若手が決起 知名度向上へ奔走

100_7239 今年4月1日、胆振管内厚真町役場で、まちづくり推進課などに所属する30代の職員4人に辞令が手渡された。任命された先は臨海施設ゾ-ン活性化プロジェクトチ-ム(PT)。通称“あたらしいなみ”。PTメンバ-の1人、田中紀嘉さん(31)は「サ-フィンを通じて厚真のアピ-ルを」と意気込んだ。

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町内の浜厚真海岸には年間6万人のサ-ファ-が訪れる。それを町の活性化につなげるのがPTへの特命だ。4人とも所属する部署との兼務だが、わざわざ辞令が交付された。「波という自然の恵み。そこに集うにぎわいを活用したい」と宮坂尚市朗町長。上司も真剣だった。それまで浜厚真への町内の関心は高くなかった。「6万人も来るの?関心ないね」と男性町民(71)は話す。中心街から約10㌔離れ。海水浴場でもない海岸は、町民との接点が少なかった。また、北電苫東厚真発電所や石油備蓄基地の固定資産税により、もとは町の財政は豊かだった。ところが、近年は施設の減価償却が進み、税収減が続く。それとともに町の人口も年間100人規模で減り続け、昨年、5千人を割った。そんな中、若手が目を付けたのがサ-フィン。PTの手代木久史さん(30)は「イベントを企画する時、一番の苦労は集客。浜厚真には黙って6万人が集まる。活用しない手はない」と強調した。活動は手探りだった。まず、道内サ-フィン団体と意見交換会を開き、7月下旬には海岸で愛好者300人にアンケ-トを行った。「売店がほしい」「シャワ-やトイレの改修を」。手代木さんは「役場への期待を感じた」と話す。6月にはサ-ファ-と共同で海岸清掃を行った。400㌔のごみが回収され、サ-ファ-たちの「環境意識の高さに驚かされた」(手代木さん)という。思わぬ応援団も現れた。札幌国際大の林恒宏専任講師(36)=スポ-ツビジネス=だ。「厚真の取り組みを知り、これだ!と」。今夏、林さんはPTメンバ-と、町名入りのサ-フボ-ドを背負って札幌の中心街を歩いた。狙う知名度アップ。今月22、23の両日には東京の渋谷でも同様のアピ-ルを行う。

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さらに、5月にはPTが目指すべき格好のお手本が見つかった。「サ-フ・ツ-リズム」。聞き慣れない取り組みの舞台は、福島県らしい。PTメンバ-の1人が、パソコンでさまざまなホ-ムペ-ジを検索しているうちに見つけた、「ネットサ-フィンのたまものだった。発信2009

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波に乗れ!厚真 [上]

2009-08-31 15:08:33 | 社会・経済

サ-フィンでまちおこし 「魅せられて」愛好者 次々と移住

100_7238 夜が明けきらない午前3時半。胆振管内厚真町の丸山聡史さん(36)は、毎朝の「日課」に出掛ける。愛車を走らせること15分、浜厚真海岸へ。サ-フボ-ドを抱え、駆け足で海に飛び込む。「仕事前の波乗りは最高て゜す。厚真に移住して本当に良かった」。苫小牧市の病院で理学療法士として働く丸山さん。2時間ほど波を追いかけた後、車で40分の職場に直行する毎日だ。

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単身赴任先の苫小牧から厚真に移住したのは2年前。山あいの分譲地に自宅を建て、札幌から妻史子さん(35)ら家族を呼び寄せた。「サ-フィン中心の生活がしたくて」。波が立たなくなる冬場以外は、毎日のように浜厚真に通う。2歳の長男、4ヵ月の次男と4人暮らし。「近所から取れたての野菜を分けてもらったり、周りは温かな人ばかりです」。地域にもすっかりとけ込んだ。苫小牧東港から東へ数㌔に渡って続く浜厚真海岸。30年以上前からサ-ファ-が集う。高速道路を使えば札幌から1時間ほど。道内では最多の年間6万人の愛好者が訪れる。夏場はなぎることの多い日本海側の海岸と違い、厚真は安定して波に乗れる浜として定評がある。「波が立ちやすく、上級者から初心者まで楽しめる」と、サ-ファ-たちは口をそろえる。7月、海岸から車で10分ほどの場所に腸内初のサ-フショップを開いた村上さん(38)は昨秋、妻朋子さん(38)と江別市から移り住んだ。「サ-フィァ-と地域住民を結ぶ店にしたい」という。サ-フィン専門誌で、“北の湘南”と紹介された浜厚真だが、一般への知名度は決して高くない。札幌市から厚真に通うサ-フィン愛好者の男性会社員は「厚真を知らない知人は多い。『どこでサ-フィンを?』と聞かれると、だいたいは『苫小牧で』と答えるね」と明かす。

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そんな人口4900人の小さな町に、波を求めてサ-ファ-たちが移住してきた。「これだ」。昨冬、町づくり推進課で移住担当の田中紀嘉さん(31)はひらめいた。「サ-フィンで厚真を元気にできるかもしれない」。新たな地域おこしが芽生えた瞬間だった。発信2009

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