脳梗塞からの回復 道医療大の研究チ-ム発表
北海道医療大歯学部咬合再建補綴学講座のグル-プは、脳梗塞後の学習・機能障害の回復にそしゃくが有効であることを示唆する動物実験の研究成果をまとめた。6月の日本補綴歯科学会学術大会で発表したほか、近く脳卒中に関する英文誌にも掲載される予定という。実験は越野寿准教授と大学院生の川西克弥さんが実施。人工的に脳梗塞を起こしたラットを2つのグル-プに分け、それぞれ同じ成分の固形飼料と液体飼料を与えて飼育。その後35日目から、目標物を定めたプ-ルに両グル-プを遊泳させ、学習・記憶機能の回復などを比較した。その結果、目標物への到達時間に差はなかったが、そしゃくが必要な固形飼料で飼育したグルプの方が、液体飼料のグル-プよりも、空間的学習機能の低下を示す遊泳パタ-ンの割合が低く、早い回復が認められたという。これまでも早期の経口摂取が脳梗塞の回復に効果があるという臨床報告があり、同講座の平井敏博教授は「脳梗塞後のリハビリテ-ションにおけるそしゃくの重要性を示唆する結果」と話している。