東大など発見 インスリン分泌減少
肥満や生活習慣が引き金になる2型糖尿病に関連する遺伝子変異2個を新たに発見したと、東京代と理化学研究所などのチ-ムが5日付け米科学誌ネイチャ-ジェネティクス(電子版)に発表した。遺伝子変異は、個人によって遺伝子の塩基配列が一ヵ所だけ異なる一塩基多型(SNP)。このタイプによって、発症の危険性が最大1・19倍になるという。チ-ムの山内敏正東大特任准教授は「肥満や年齢など、ほかの要因と組合わせると糖尿病に6倍かかりやすい人を見つけられるようになる」と話す。チ-ムはまた、既に欧米で2型糖尿病と関係があるとされるSNP26個のうち11個が日本人にも関係があることを確認、合計で13個のSNPが日本人の糖尿病発症の危険性を高めるとした。今回発見した2個のうち、一つは欧米人でも関係するが、もう一つは日本人を含めた東アジア人だけに関係するという。チ-ムは、国内の2型糖尿病患者1万数百人と、糖尿病てない8千数百人の遺伝子を比較して解析。発症との関連を突き止めた2個のSNPのうち一つは、膵臓などで働くユビキチン結合酵素の遺伝子の中にあり、変異があると、血糖値を下げるインスリンの分泌が減った。成人が発症する糖尿病の大半は2型糖尿病。日本人の40歳以上の3、4人に1人が糖尿病にかかっているか、予備軍という。